日々忙しく活動する患者の疲れや痛みを癒す鍼灸院。もし鍼灸院を開業するなら、訪れた患者がリラックスできるような店舗デザインにしたいと思いますよね。
鍼灸院の店舗デザインは患者が店を選ぶ重要なポイントです。施術者の腕や接客スキルが良いことはもちろん差別化になりますが、優れた店舗デザインは利用客の満足度を高め、リピーターになる確率をあげる要素になります。
ブランディングにもなり、安定した収益を得るためのベースとなる店舗のデザイン。今回は鍼灸院の店舗デザインのイメージづくりから具体的に気を付けたいポイントまで解説します。
こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
店舗イメージを固める
まずはどんな店舗デザインにしたいのか、イメージを洗い出しましょう。始めはあいまいでも良いので、どんどん出していくことがおすすめ。
「温かい」「女性が好みそうな」といった抽象的なものから、「南国リゾート」「アジアン」といった具体的なものまで、思いつく限り出していきましょう。複数出てきたイメージを俯瞰して見てみると、自分がどんなデザインが好みなのか傾向がつかめます。
店舗イメージを固めておくことで、店舗デザインについての具体的な話を設計者とする際にスムーズにイメージを共有することができます。
アウトプットはノートに書き出したり、アプリに参考画像やテキストをコラージュしていっても良いです。インスタグラムやピンタレストといった画像SNSで検索すれば、イメージに近い画像を簡単に集めることができます。
軸となるコンセプトをつくる
店舗デザインにおけるコンセプトとは、事業者側が患者へ提供したいメッセージや店舗全体の軸となる考え方のこと。先に固めておいたイメージ集があれば、コンセプトをつくる際の手助けとなるでしょう。
コンセプトをつくるメリットは、事業者が想定している患者にサービスがまっすぐ届けられるということ。くわえて、開業計画をすすめる時に出てくる悩み事や、選択肢を解決するときにも役立つことがあります。
逆にコンセプトという軸がない場合、店舗デザインもブレてしまいます。
コンセプトの作り方がわからない場合は「誰が」「何を」「どのように」という部分から考え始めるとよいでしょう。コンセプトが決まれば、店舗デザインの基盤ができた状態です。次は店舗の内装やレイアウトについて考える段階です。
リラックスを意識したテーマカラー
患者が癒しとリラックスを目的とする鍼灸院では、店舗デザインに採用するインテリアの色使いも、落ち着きを与える組み合わせを意識しましょう。空間の色が、人の感情に与える影響力は大きいです。
例えば黒やダークグレーなどの暗い色がメインの空間は「夜空」を連想させて、気持ちが落ち着きます。また植物や自然を連想させるグリーンやブラウンも無意識のうちにリラックスを感じます。落ち着く空間を重視したい鍼灸院にはおすすめのカラーです。
実例のように色にこだわれば、設営コストを変えずに高い演出効果を得られます。落ち着いたダークグレーの壁紙と、明るいイエローの壁紙。メーカーや品番が同じであれば価格は同じです。ですが、その壁紙をはった時の効果は全く違います。
患者の満足度をさらに高めるためにも、テーマカラーはリラックスを意識した組み合わせにしましょう。
エントランス・受付
第一印象は大切。対人関係の場合と同じように、鍼灸院の店舗デザインにおいても患者に与える第一印象は重要です。患者に安心してもらえるようなエントランス・受付にしましょう。
特に新規患者は、「どんなお店なんだろう」「どんな人がいるんだろう」と、はじめての来店時には緊張してしまいます。そのため、患者を優しく迎えられるようなレイアウトがおすすめ。
例えば植物を飾ったり、絵や写真を飾ると華やかで優しい雰囲気を演出できるでしょう。実例では竹や間接照明などを効果的に取り入れ、高級感とリラックスを演出した受付になっています。
来店した患者にすぐに気付けるレイアウト、スタッフや患者が困らない動線計画という機能的な部分もおさえつつ、「初めての患者がどう感じるか」という目線でエントランス・受付のデザインを考えるようにしましょう。
癒される照明計画
リラックスを与える鍼灸院の店舗デザインには、的確な照明計画は欠かせません。機能性を確保することは当然ですが、患者にリラックスしてもらうためのポイントはどんな部分でしょうか。
店舗の照明にはエントランスとインテリアの雰囲気をよくする効果があります。照明の色、光の強さといった要素をおさえておきましょう。光の色は以下のように、いくつかに分類されます。
光の色 | 効果 |
電球色 | ロウソクの炎のようなオレンジ色の光。温かくリラックスできる。 |
温白色 | 白みがあるオレンジ色の光。電球色より明るく、リラックス向き。 |
白色 | 色のバランスが良く自然に見える色。オフィスにもおすすめ。 |
昼白色 | 昼間の太陽光のようなさわやかな白さ。作業スペースなどに。 |
昼光色 | 青みがかった白い光。集中力を高めたい環境におすすめ。 |
鍼灸院であれば、患者にはリラックスした状態で施術を行いたいですよね。
そのため施術室や待合スペースなど、患者のためのスペースには電球色や温白色を採用しましょう。施術の満足度をさらにあげてくれるでしょう。
鍼灸院内にスタッフの待機スペースや事務室がある場合、昼白色を採用し作業に集中できる環境にするのが効果的です。
明るさの調節も気にしたいポイント
眩しいくらいの明るさは目が冴えてしまって落ち着きません。施術に支障が出ない程度まで明るさを抑えて患者にリラックスしてもらいましょう。照明計画は少しの設備投資で、室内に大きな視覚的効果をもたらします。患者のため、照明計画にはぜひこだわりましょう。
プライバシーの保護・防音
癒しとリラックスを感じる空間であれば、施術中の患者のプライバシーを保護するべく、間仕切りを重視しましょう。
簡素な鍼灸院であれば、寝台と寝台の間に仕切りカーテンが設置されていることもあります。ただし、これはリラックスという観点からはおすすめできません。
実例では施術室は個室になっており、他の患者の視線や話し声などが気にならないように配慮されています。プライバシーの保護に配慮されている鍼灸院は、それだけでも充分に他と差別化されるでしょう。
施術側からの視点でも、患者の治療に集中できるというメリットがあります。環境が許すのであれば、ぜひ個室かそれに近い半個室にすることをおすすめします。
まとめ
鍼灸院の店舗デザインでは、患者の癒しとリラックスを優先したいですよね。今回取り上げたポイントを抑えれば、きっと他と差別化されリピーターが増える鍼灸院になります。
賃貸契約、保健所への申請など、開業までに行うことはたくさんあります。鍼灸院のデザイン実績豊富な株式会社TOでは、はじめてのオーナー様のお悩みを一緒に解決します。ぜひお気軽にご相談ください。