今回は愛知県の条例「人にやさしいまちづくり条例」についてご紹介いたします。愛知県の店舗デザイン、開業に関するトピックはこちらにまとめています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
「人にやさしいまちづくり条例」について
「人にやさしいまち」とはお年寄りや、障害のある方、怪我している方、病気の方、妊婦の方、乳幼児連れの方などの全ての方々が安心して過ごせる街をさします。そして「人にやさしいまちづくり条例」はこれを実現出来るように県や事業者の責任、県民の役割、施設の基本方針を定めて県民の福祉を増進することを目的とします。
「人にやさしいまちづくり条例」の基本方針
全ての県民が円滑に利用出来るよう建築物等の整備を促進するとともに、自らの意思で円滑に移動出来るよう道路、公共交通機関の整備を推奨することが基本方針です。
「人にやさしいまちづくり条例」の該当施設
多くの方が利用する施設を「特定施設」と呼びます。そしてこれらの敷地内の通路や廊下、階段、手すりに整備基準が定められています。
「特定施設」の種類
多くの方が利用する施設の「特定施設」の種類についてご紹介いたします。
①特殊建築物
■博物館・美術館・図書館
■体育館・ボウリング場・水泳場などのスポーツ施設・遊技場
■病院・診療所・施術所
■劇場・映画館・演芸場・観覧場
■公会堂、集会場
■展示場
■百貨店・マーケット
■飲食店・喫茶店
■理髪店・クリーニング取引店
■公衆浴場
■ホテル・旅館
■50戸超または2000㎡以上の共同住宅
■2000㎡以上の工場
②事務所
■銀行その他の金融機関の事務所
■2000㎡以上の事務所
③公衆便所
④地下街等
⑤道路
⑥公園・緑地等
⑦旅客施設
⑧駐車場
⑨50戸以上の1団地の住宅施設等
「人にやさしいまちづくり条例」の整備基準
「特定施設」は不特定多数の方や、高齢の方、障害の方などが出来るように円滑に利用できるような必要な構造や設備に関する基準が定められています。この基準には最低限の「義務の基準」とより円滑に利用出来るためにする「努力義務の基準」が存在します。
①敷地内の通路・廊下等
高齢者の方、車いすの方などが安心して利用できるように、敷地内の通路は1.4m幅以上(スロープ勾配1/15以下)を設けましょう。 また廊下についても通路は1.4m幅以上(スロープ勾配1/12以下)を設けましょう。
②出入口
段差はなくし、車いすの方も利用できる幅を確保します。そしてドアは自動ドアや引き戸など用いりやすいものにしましょう。そのため玄関部分は90㎝以上、その他の出入口は80㎝以上設けましょう。
③階段
滑っての転倒や事故を避けるために表面は滑りにくい工夫をして手すりを設けましょう。
④エレベーター
奥行は1.35m以上確保して、出入口の幅も80㎝以上設けましょう。
⑤トイレ
洋式便器と手すりを設けましょう。また大規模な施設の場合は車いす利用の方が使用しやすいいスペース、乳児用の椅子、乳児用のベッド、オストメイトのための設備を設けましょう。
⑥駐車場
大規模な施設の場合は車いす利用者などが使用しやすい駐車場スペースを入口付近に設けましょう。そして幅は3.5m以上確保しましょう。
⑦案内表示
高齢者の方や障害のある方にも伝わりやすい案内表示を行いましょう。また大規模な施設の場合は視覚障害をもつ方が歩きやすいように、誘導用のブロックか、音声による誘導装置を設けましょう。
以上整備基準についてご紹介いたしました。より詳しく知りたい方は愛知県公式ホームページをご確認お願いいたします。また特定施設を新築される場合は届け出が必要となりますので、そちらも併せてご確認ください。
まとめ
今回は「人にやさしいまちづくり条例」についてご紹介いたしました。これらの内容は大規模施設を取り扱う方はもちろん、その中のテナントとして出店する場合も関わってくる内容ですので、是非参考にして下さい。
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