【5分でわかる!】130年ぶりの意匠法改正で店舗の建築・内装のデザインはどう変わる

建築工事の基礎知識

2020年4月1日に改正意匠法が施行されました。デザインの保護と手続きの改善を図るもので、130年ぶりの法改正となりました。

いったいどんな内容なのでしょうか。本記事では健保経営者が知っておくべき改正意匠法の概要をお伝えしていきます。

意匠法とは

意匠法とは、創作した意匠(デザイン)の権利(意匠権)の保護を図る法律です。もともと1888年に「意匠条例」が設定されてから、約130年間にわたってデザインの権利を保証してきました。

しかし2020年4月1日、約130年ぶりに改正意匠法が施行され、建築物や内装デザインなどが新たに保護対象となりました。

意匠権とは

改正意匠法

コピー品などの模倣対策に活用できる知的財産権の1つで、「あるもののデザインについて独占権を認める制度」です。意匠権によって保護されるのは、製品等の全体又は部分的に特徴のあるデザインなどです。

権利が発生するにはいくつかの条件があるだけでなく、特許庁への登録が必要です。著作権のように創作された時点から権利が発生するのではなく、特許庁へ意匠権の登録出願をし、設定登録されることが必要となっています。

実際に意匠権が登録されているものの例
・家具・衣服・工具・包装容器 etc

意匠権として登録されるための条件

意匠権としてあるデザインが登録されるための条件には以下のようなものがあります。

・工業上の利用可能性・・・工業技術を利用し、同一物を反復して多量の生産が可能
・新規性
・創作非容易性・・・当業者(発明が属する分野の、通常の知識を有する者)が容易に創作できないこと。例えばデザインの寄せ集めや配置を変更しただけなど。

意匠権を取得したデザインは、その実施に対して独占権をもち、権利侵害者に対して差し止めや損害賠償を請求することが出来ます。

意匠権の有効期限

意匠権の有効期限は、出願日から最長25年です。

また更新制度はなく、25年でデザインの独占権はなくなってしまいます。つまり、25年経ったデザインは誰でも摸倣できるようになります。

商標権や著作権との違い

意匠権・・・製品や商品、内装の工業用デザインについて独占権を認める。

商標権・・・商品名やロゴマーク、記号や音等に独占権を認める。

著作権・・・思想又は感情を創作的に表現したもの、文芸や美術、音楽に独占権を認める。

商標権、著作権についての参考出典:日本弁理士会

意匠法改正によって保護対象となったもの

意匠法改正

保護対象1:画像

以前の意匠法では、物品等を操作するために必要な「操作画像」と物品等の機能を発揮するために必要な「表示画像」は、意匠権の対象でした。ただし「物品に記録される」「物品に表示される」ということが登録要件になっていました。

しかし、今回の改正意匠法により、「表示画像」と「操作画像」については物品等との関連性が不要とされ、物体を離れた画像のみでも意匠登録の対象となりました。

保護対象2:内装

店舗等に使われる内装は、椅子やテーブル等のほか、床、壁等の建築物の一部も内装に含まれます。今回の改正で、後ほど解説する、一定の要件を満たせば、意匠登録の対象となることになりました。

保護対象3:建築物

以前の意匠法では、不動産である建築物は対象外でした。今回の改正で不動産である建築物も保護の対象となりました。

「建築物」といっても、「学校の校舎とプールと体育館」のように、複数の建築物をまとめて1つにして意匠とすることも可能です。

より詳しくは、特許庁の公開しているPDFファイルをご参照ください。https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/document/kenchiku-naiso-joho/kenchiku-naiso-text.pdf
出典:意匠登録出願の基礎 (特許庁)

店舗経営者が特に知っておくべきこと

意匠登録出願の基礎

改正意匠法により、建築物・内装の意匠権が認められるようになりました。昨今のSNSの発展もあり、店舗の内装演出は集客における大切な要素となっています。

それに伴って、有名店の内外装が模倣されるなどのトラブルが相次ぎ、なかには訴訟に発展するケースもありました。店舗経営者は、トラブルを回避するためにも、内装の意匠について知っておくことが大切です。

また、内装のデザインにこだわりがあったり、内装によって店舗のブランディングを進めていきたい場合は、意匠権を取得することも視野に入れておきましょう。

「内装の意匠」として意匠登録を受ける為の要件

「内装の意匠権」は飲食店をはじめ、販売店や事務所以外にも、客船やキャンピングカーなどでも、要件を満たしている施設であれば様々なものに出願可能です。

内装の意匠権として認められるためには以下の要件を満たす必要があります。

 1.店舗、事務所その他の施設の内部であること

 2.複数の意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるものであること

 3.内装全体として統一的な美感を起こさせるものであること

なお、意匠登録を受ける権利があるのは「意匠の創作をした人」ですが、この権利は他者に譲渡することも可能です。

まとめ

意匠法と意匠権

本記事では、意匠法と意匠権の具体的な内容について解説していきました。

意匠法が改正されたことで、これまで度々問題になってきた「どこまでが模倣か」について、意匠権に登録することで競合による摸倣を防ぎ、ブランドイメージを守ることが出来るようになりました。

これからは、内装のデザインが経営資源としてより一層重要なものとなります。これから店舗の内装づくりを行う方は、今回解説した改正意匠法を念頭に置きながら、内装づくりを進めてください。

内装づくりに関してご不明点がある方は、是非我々にご相談ください。意匠権を考慮した内装づくりをお手伝いいたします。

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