感染症の流行による外食の自粛ムードも縮小し、宴会やレストランウェディングなどのグループ利用も以前のように戻りました。
飲食店の店舗デザインを考える際、宴会やグループ利用をターゲットにすることは売上確保の面で非常に効果的です。グループ客を集客するために、店舗デザインにおいてどのような工夫が重要となるでしょうか。
今回は、店舗デザインにおいて宴会やグループ利用を促進するためのポイントと、グループ客にとって魅力的な空間を作るための具体的なアイデアをご紹介します。
宴会利用は売上と集客に重要
宴会利用は客単価が高く、リピート利用にもつながりやすいため飲食店にとって魅力的です。特に企業の宴会や団体のパーティーなど、大人数を収容できる店舗は多くの利益を生む可能性があります。大勢の利用客を満足させるサービスを提供すれば、売上の安定化や口コミなどにより店舗の集客・認知向上が期待できます。
宴会利用を目指すデザインの基本
宴会やグループ利用を効率よく行うために、店舗デザインではどのようなポイントがあるのでしょうか。以下に解説していきます。
フレキシブルなレイアウト
宴会やグループ利用を考慮した店舗デザインの基本は、レイアウトの柔軟性です。固定されたテーブルや椅子ではなく、可動式の家具を採用することで、グループの人数や用途に応じて簡単に配置を変更できます。
これにより、少人数から大人数まで様々な宴会に対応できるようになります。テーブルやイスは移動がしやすいようなサイズと素材にすることに気をつけましょう。
プライバシーの確保
グループ客にとって、プライバシーが保たれることは重要なポイントです。パーテーションやスクリーン、カーテンを使用して個室や半個室を設けられるようにしましょう。
そうすれば他の客との干渉を避け、視線が気にならないプライベートな空間を提供することができます。また、防音対策を施すことで、騒音問題を解消し、より顧客にとって快適な環境を作り出せます。
快適な動線設計
宴会やグループ利用のシーンでは、スタッフがスムーズにサービスを提供できる動線設計が求められます。動線と合わせて、ホールスタッフが待機しやすい場所も重要です。
テーブルや椅子のレイアウトを工夫し、料理やドリンクの提供がスムーズに行えるようにすることで、サービスの質を高め、顧客満足度を向上させることにつながります。
インテリア(FFE)にこだわる
店舗デザイン、内装設計の業界ではFFEという専門用語があります。FFEとは「Furniture(家具)」「Fixture(什器)」「Equipment(備品)」といった店舗に欠かせないインテリアのことを指します。宴会やグループ利用で集客するために、インテリア(FFE)で気をつけたいポイントを解説します。
コンセプトに合ったインテリア
店舗で採用するインテリアは、宴会やグループ利用を促進するためにデザインコンセプトに沿ったものにしましょう。コンセプトに沿った装飾や統一感のあるカラーコーディネートを施すことで、顧客に特別感を演出することができます。
例えば、ナチュラルな雰囲気の店舗なら木材や植物を多用し、モダンな店舗ならガラスやメタル素材を取り入れると良いでしょう。
座席の快適さ
長時間の宴会利用を考慮し、座席の快適さにこだわりましょう。クッション性の高い椅子やベンチ、適度な広さのテーブルを用意することで、顧客が快適に過ごせる環境を整えます。特にテーブルのサイズは奥行きに気をつけましょう。
宴会時には大きなお皿や多数の小皿が置かれるためです。座席の快適さを追及することにより、顧客満足とリピーターの増加が期待できます。
照明
照明は空間の雰囲気を大きく左右します。宴会やグループ利用を意識するなら、調光可能な照明を導入し、シーンに応じた演出ができるようにすることをおすすめします。
座席がフレキシブルに移動することを考慮して、天井照明はフロア全体に満遍なく設置しましょう。柔らかな間接照明や、テーブルごとのペンダントライトを使用することで、温かみと賑わいを感じる雰囲気を作り出せます。
パーテーションを活用する
パーテーションを設置することで、顧客のプライバシーを確保することができます。またパーテーションのデザインを店舗デザインと揃えれば、視覚的な魅力を高めることもできます。パーテーションは自立式のものが適しています。
宴会やグループ利用では、利用人数に合わせて適切な間仕切りの位置が毎回変わるからです。折りたたみ式のパーテーションであれば、不要な時に収納しやすいのでおすすめです。
準備しておきたい設備
宴会やグループ利用を売上のメインにしたい場合、準備しておきたい設備があります。以下に解説していきます。これらを準備しておけば、より顧客満足度を高めることができます。
音響設備の充実
宴会では、スピーチや音楽の利用が頻繁です。良質な音響設備を整え、スムーズな音楽再生やマイクの利用ができるように準備します。マイクやスピーカー用のコンセントの位置、音の響きを考慮した店舗設計も重要です。これにより、宴会の盛り上がりをサポートし、顧客満足度を向上させます。
サービスステーションの設置
グループ客が快適に過ごせるように、ドリンクバーやセルフサービスのステーションを設置することもおすすめです。レストランに設置されているビュッフェやフリードリンクコーナー用の什器がイメージしやすいでしょう。サービスステーションがあれば、スタッフの負担を軽減しつつ、顧客は自由に飲食物を楽しむことができます。特に大人数の宴会では、このようなセルフサービスが重宝されます。
まとめ
店舗デザインにおいて宴会やグループ利用を狙うなら、フレキシブルなレイアウト、プライバシーの確保、快適な動線といった基本ポイントをおさえておくことが重要です。
それに加えて、インテリア(FFE)にこだわること、充実した音響設備、サービスステーションの設置といったポイントにまで注意すれば、グループ客にとって魅力的な空間を提供し、宴会利用を増やすことが期待できます。
宴会やグループ利用をターゲットにした店舗デザインで、店舗の売上とブランド認知、集客を向上させましょう!