新しく店舗をオープンすると決めた時、インテリア選びに悩まれる方は多いと思います。
■どんなインテリアデザインにすれば良いんだろう。
■お客様によろこばれるような雰囲気をつくりたい。
■雰囲気がよいのはもちろんだけど、機能性も確保したい。
インテリアデザインは見た目の良さだけでなく、来客数、回転率、サービス提供の効率などビジネスの成功において重要な要素にも大いに関係します。
雰囲気と機能性を備えた店舗のインテリアデザインには、どのようなコツがあるのか。今回はそのポイントを解説します。
私達の照明に対する想いと設計のポイントはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。実際の事例(店舗やオフィスの照明設計)をもとに、解説していますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
店内インテリア選びのポイント
店舗デザインの雰囲気や機能性はこのような要素できまります。
コンセプト
動線
照明
テーマカラー
どの要素もインテリアデザインに必要不可欠です。各要素について、解説していきます。
コンセプト設定
この要素のなかで最も重要で、初めに取り掛かるべきなのは「コンセプト設定」です。コンセプト設定が重要なのはなぜでしょうか。
コンセプトは全体を通して軸となる考え方のこと。
コンセプトという軸がなければ、自社の商品・サービスや広告運用もブレてしまうので、狙った顧客層に効果的にアピールすることができなくなります。
新しくオープンする店舗の業態に関わらず、計画の前段階で「何を」「だれに」「どのように」提供してお客様に喜んでもらうのかということを、コンセプトを元に決めていくことになります。
店舗のインテリアデザインもブランディングの一部ですので、コンセプトとマッチしていることが重要です。
コンセプト設定のあとは、店舗のインテリアデザインにおける雰囲気づくりと機能性について解説します。具体的にどのようなことなのでしょうか。
動線
動線とは店舗内において、お客様や従業員が移動する流れをラインであらわしたもの。
お客様が入店後、どのように移動して商品を見回ったり、サービスを受けるのか、レジやトイレにどう移動するのかといった細かな部分まで考える必要があります。
従業員の動線としては、どのように接客するのか、商品の補充はどうするのかという部分を確認しましょう。
動線でつくれる雰囲気
店舗の広さに影響しますが、入店後すぐに目を引くものを配置しましょう。受付カウンターであったり、新商品を並べたりするのが効果的。
店舗の奥にはなにがあるのか、と期待感をもちながらお客様が回遊できるような通路をイメージしましょう。お客様の滞在時間が長くなる効果もあります。
動線でつくれる機能性
動線をしっかり考えることで、売上効率をあげることができます。
従業員は入店されたお客様にすばやく気付くことができるでしょうか。また接客を必要とされるお客様まで、待たせずに移動できる動線でしょうか。
このように、効率を考えた動線は機能的であるといえます。
照明
インテリアデザインのなかで、照明は大きな影響力をもちます。店舗のコンセプトに沿って、お客様にどのように過ごしてもらいたいのか、目的を考えましょう。
色、強さ、拡散方向など、照明計画をしっかりおこなうことによって、店舗インテリアの魅力を最大限引き出すことができます。
照明でつくれる雰囲気
光の色を「電球色」「温白色」という色にした場合、落ち着いた雰囲気にすることができます。
リラックスを目的とした店舗の場合は電球色・温白色がおすすめ。ロウソクの炎のようなオレンジ色の光が特徴です。温かい雰囲気も出せます。
さわやかで清潔感のある雰囲気にしたい場合は、「白色」「昼白色」といった色がおすすめです。晴天時の屋外のような白っぽい色が特徴です。店舗を明るい雰囲気にしたい場合に使用することができます。
照明でつくれる機能性
電球色・温白色の場合は、料理をさらに美味しそうに見せる機能があります。
リラックスした雰囲気を演出することもできます。そのため、飲食店やマッサージ店などの店舗におすすめです。
白色・昼白色の場合は、物の色味を自然のままの色に見せる機能があります。そのため、商品の色をはっきり見せたいショールームや、髪色やヘアメイクの色味を確認する必要のある美容室などの店舗におすすめ。
飲食店であっても厨房は白色・昼白色が良いでしょう。素材の色味がわからないと調理に支障がでるためです。
カラー
黄色は元気、ピンクはやさしい、といったように色と、色の組み合わせがもつ影響力はインテリアデザインにおいても絶大です。それを見た人が無意識のうちに、店舗のイメージをつくるからです。
カラー計画はインテリアデザインだけでなく、企業ロゴ、販促物、ユニフォームなど企業運営の様々な部分で必要になります。コンセプトに沿って、しっかり決めていきましょう。
カラーでつくれる雰囲気
「アースカラー」と呼ばれる自然界にありそうな色をインテリアデザインに使用すれば、ナチュラルで優しい雰囲気を演出することができます。ベージュやオフホワイト、カーキなどのくすんだ色味が代表的な色です。
「モノトーン」は白、黒、グレーといった色味がない色のことです。シンプルで都会的な印象をつくることができます。
「ビビットカラー」は原色に近い鮮やかな色になります。多用することによって、活気があり賑やかな雰囲気を与えます。
カラーでつくれる機能性
モノトーンにこだわったインテリアデザインは「色鮮やかな商品」を効果的に見せる機能があります。
たとえば内装をモノトーンで控えめにした洋菓子店であれば、マカロンやケーキなどの色彩豊かな商品がショーケース内で引き立ちます。
天井の色を暗い色にした場合、重心が低く落ち着つかせる機能があります。リラックスした雰囲気を演出したいマッサージ店や、隠れ家的なバーなどで採用するとお客様に居心地の良さを提供できるでしょう。
まとめ
インテリアデザインで他店と差別化をはかりたいのであれば、まずはコンセプトづくりに時間をかけましょう。コンセプトが決まれば動線、照明計画、カラーを決めていくことが容易になります。
もちろんこれ以外にディスプレイ、サイン(看板)、植栽などインテリアには多くの要素が関わっています。ですが、まずは根幹となるポイントを抑えるのが差別化のコツ。
株式会社TOでは、店舗設計のプロが随時ご相談を受け付けています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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