コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインについて詳しく知りたいと考えているオーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
コンクリートの打ちっぱなしの店舗デザインは、ミニマムで洗練された雰囲気から、近年人気のデザインです。しかし、デメリットを理解していないと、様々な面で後に後悔してしまう可能性があります。
コンクリート打ちっぱなしとは?
一般的な店舗デザインは、コンクリートや木材の躯体に断熱材を入れ、石膏ボードや壁紙やなどの加工を施します。一方、コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインは、建物の支柱となるコンクリートをそのまま使用し、加工を施しません。
コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインのメリット
コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインのメリットは、主に以下4つです。
- 非日常感のある空間を作ることができる
- 店舗を広く見せることができる
- 遮音性に優れている
- 耐火性が高い
上記4つのメリットをそれぞれ見てきましょう。
非日常感のある空間を作ることができる
コンクリート打ちっぱなしの魅力はなんといっても、日常では味わえない空間を作り出しやすことです。シンプルな内装デザインで家具や雑貨などとの相性がいいため、非日常で独自性のある空間を作り出すことができます。
また、コンクリート打ちっぱなしのデザインは、シンプルで飾り気が無い分、料理を美味しく見せたり商品を高価に見せる心理的効果もあります。高級感を出すことができる店舗デザインであるといっても過言ではありません。
店舗を広く見せることができる
コンクリートの打ちっぱなしは、一般的な建築に使用される断熱材や内装材などが無いため、躯体の面積を限界まで利用することができます。また、コンクリートの建物は壁だけで躯体を支えているため、柱を設置する必要がありません。柱がない分、間取りに制限がなく、店舗の空間が広く見えます。
遮音性に優れている
コンクリートは空気の振動を伝えにくい特徴を持っています。そのため、コンクリート打ちっぱなしの店舗は遮音性に優れています。騒がしくなる飲食店や音楽や映像などを流す店舗に適していると言えるでしょう。また、外部の騒音も気になりにくいので、静かな空間を作り出したい店舗にも向いてます。
耐火性が高い
コンクリートは、火に強い特徴も持ち合わせてます。1000℃以上の炎に2時間は変形せず現状を維持できるというデータがあります。安心面・安全面の観点でも店舗に対する顧客の信頼感を得ることができるでしょう。
コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインのデメリット
コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインにするデメリットは以下4つです。
- 断熱性が低い
- 配管・配線に困る
- カビや結露が発生しやすい
- 低コストで済まない可能性がある
上記のデメリットを理解した上で、店舗デザインをコンクリートの打ちっぱなしにするかどうか決めましょう。
断熱性が低い
建物の断熱性能は、断熱材でコントロールするのが一般的です。しかし、コンクリート打ちっぱなしは、基本的に断熱材を入れることができません。室内の空気が外へ逃げやすいため、夏は冷えにくく冬は温まりにくくなります。空調効率が悪くなりやすので、光熱費が高くなりやすいです。
また、コンクリートは熱伝導率が木材より高いため、冬場はコンクリートに近づいただけでも冷たさを感じやすくなってしまいます。お客さまの居心地や従業員の働きやすい適正な温度を常に保つことが重要になります。
配管・配線に困る
コンクリート打ちっぱなしの店舗は内装材を使用しないため、電気の配線や給排水管などがそのまま見えてしまいます。むき出しの配線や給排水管もコンクリート打ちっぱなしの魅力のひとつですが、乱雑になっていると洗練された雰囲気を壊してしまう原因になりかねません。
配管や配線の処理にも気を配る必要があります。ケーブルの流れを統一したり、ケーブルボックスで配線を隠したりして、見た目を美しくするように心がけましょう。店舗のデザインを決める段階でデザイン設計事務所などに相談するといいでしょう。
カビや結露が発生しやすい
コンクリートは水を吸収しやすい特徴を持っています。湿度が高い梅雨時期や夏の時期は、空気中の水分を取り込んでしまいます。水分を取り込むことにより、コンクリートの壁の表面にカビや結露が発生しやすいです。
また、コンクリートは完全に乾燥するまでに長い年月を要します。内部に水を含んでいるので、築年数が浅い建物でもカビや結露が発生しやすいです。換気や除湿などにも常に気を使う必要があります。
低コストで済まない可能性がある
コンクリート打ちっぱなしの店舗は、一般的な内装材を使用した店舗に比べて、低く抑えられると考える方が多いでしょう。しかし、そんなこともありません。
たとえば、テナントを借りた時点で前の店舗の内装材が使用されている場合は、それを取り除くリフォーム代がかかってしまいます。内装材の撤去や処分費用、コンクリート表面の修繕費用は決して安くありません。
また、配管をや配線を収納する作業や、コンクリートに造作家具を取り付ける作業などの費用もかかります。コンクリートの打ちっぱなしは、思っているよりもコストがかかる可能性があると考えておいてください。事前にどのくらいのコストがかかるのかをデザイン会社と相談しておきましょう。
まとめ
この記事では、コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインのメリット・デメリットを詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- コンクリート打ちっぱなしは、躯体のコンクリートをそのまま使用し、加工を施さない
- コンクリートの打ちっぱなしは、非日常感・独自性のある空間を作り出すことができる
- コンクリート打ちっぱなしの店舗デザインは、躯体の限界まで面積を利用することができる
- コンクリートは空気の振動を伝えにくいため遮音性に優れている
- コンクリートは、耐火性に優れている
- 空調効率が悪くなりやすので、光熱費が高くなりやすい
- 配管や配線の処理にも気を配る必要がある
- コンクリートは水を吸収しやすい特徴があるためカビや結露が発生しやすい
株式会社TO(ティーオー)は、飲食店の設計を得意とするデザイン設計事務所です。これまで様々な業態の飲食店様のデザインを承って参りました。私たちのデザインしたデザイン事例はこちらのページをご参照ください。