飲食店を起業するにあたってやはり気になるのは、店舗改装にどのくらいの費用がかかるかではありませんか?今回は飲食店の店舗改装工事やリニューアルにかかる費用の目安について見ていきます。
改装工事にかかる費用は、できることなら少しでも安く抑えたいというのが多くの人の本音でしょう。費用を安く抑えるコツや工事依頼する前に準備すべきことについても紹介するので、計画を立てる際の参考にしてください。
長く愛される店舗づくりのコツをYouTubeでもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
飲食店の店舗改装工事にかかる費用の目安はいくら?
飲食店オープンする際に関わるリニューアル工事費用の目安は、開業資金のおよそ半分です。飲食系における開業資金の相場は、1,000万円程度と言われます。この場合、リニューアル費用として500万円程度かかると考えて、予算のシミュレーションをしておきましょう。
ただし、場合によっては500万円よりもかかってしまう可能性もあります。例えば新規で厨房機器をいくつも導入する場合、機材だけでなく追加で工事が必要になることもあります。500万円と決めつけるのではなく、予想以上にお金がかかる事態も想定しておくと良いでしょう。
店舗改装工事の費用が高い・安い飲食店の特徴を解説!
店舗改装工事の費用相場について紹介しましたが、あくまでもケースバイケースです。目安よりもかかるケースもあれば、安く抑えられるケースも見られます。費用が高くなる飲食店や逆に安くなる飲食店の特徴についていくつかピックアップしてみました。
一般的に店舗改装工事の費用が高くなる飲食店の特徴
改装費用が相場よりもかさんでしまう飲食店は、本格志向のお店です。料理の味にこだわるのであれば、さまざまな厨房機器を導入する必要があります。するとどうしても店舗改装に予算の半分以上を割かなければなりません。
いろいろな厨房機器を導入したい、でも費用をできるだけ安く抑えたければ中古を導入するのも一考です。もしくはリース契約にすることで、機器に関する費用を節約できます。
一般的に店舗改装工事の費用が安くなる飲食店の特徴
費用を安く抑えられるのは、厨房機器を大量に導入する必要のないお店です。カフェなどの場合、提供する料理は軽飲食メインなので、多種多様な業務機器を準備する必要はないでしょう。
また、軽飲食メインのお店なら、火力もそれほど必要ないので空調や換気に費用をかけずに済みます。本格的なレストランのように厨房スペースを十分確保しなくても運営できるでしょう。そのため、一般的な内装費用よりも予算圧縮して、満足できる仕上がりも可能です。
飲食店の改装費用の目安を店舗形態ごとに解説!
ここまで飲食店総体の費用の目安について見てきましたが、実際の改装費用はどのようなジャンルのお店を開業するかでも変わってくるでしょう。
そこで、ここではバーやカフェ、レストランと主要な3業種にターゲットを絞って改装費用の目安となる金額やその理由を見ていきます。
バー
バーを経営する場合、坪単価で30~60万円程度が目安です。
バーはそれほど広いスペースは確保しなくて良いので、改装費用も安く抑えられます。また、本格的な料理の提供機会が少ない場合は、フルキッチン並みの厨房機器を用意する必要もありません。
ただし、独特の雰囲気を演出するために、照明や音響機器などにこだわりたい人もいるでしょう。その場合は、追加でそれなりの設備投資が必要になりますので注意してください。
カフェ
カフェの店舗改装費用もバーとほぼ同じで、坪30~60万円が目安です。
軽飲食がメインなカフェの場合も、本格的な厨房機器を導入する必要がありません。また、それほど広いスペースがなくても開業できるので、比較的費用を安く抑えられるでしょう。
レストラン
レストラン経営を検討しているなら、改装費用の目安は坪70~80万円と想定しておきましょう。
レストランが他の店舗スタイルと比較して割高になるには、レストランがほかの形態よりも広いスペースが必要なこととフルキッチンが必要になることが影響しています。本格的な飲食を提供するため、厨房機器をいくつも導入する必要があることから、改装費用がかさんでしまうのです。
また、店のコンセプトに合わせて内装を改装する場合の費用も考慮に入れると、さらに費用は高額となってしまうでしょう。予算と十分相談のうえ、改装工事の内容のシミュレーションが重要です。
飲食店の店舗改装費用と坪単価の関係とは?
飲食店に関するリニューアル費用を考えるにあたって、坪単価ベースで考える必要があります。坪単価×坪数で費用の目安を算出できるからです。坪単価は店舗に求める条件によって、同じ飲食店でも上下動します。
ここでは改装費用と坪単価の関係性にスポットライトをあてて、見ていきます。どのような条件で坪単価が変わってくるか、主な要素について紹介するので店づくりの参考にしてください。
坪単価とは
坪単価とは文字通り、工事費用を1坪当たりいくらになるか換算した額のことです。1坪は約3.3平方メートルになります。坪単価が40万円で10坪のお店を持つのであれば、内装工事に400万円かかる計算です。
店の条件で坪単価が変わるのは、設備工事によるところが大きいと思ってください。店のコンセプトによって、どのような設備を導入しなければならないか変わってくるからです。
立地やターゲットとする客層で坪単価も変わる
飲食店にかかる坪単価を決める要素の一つに、立地条件や客層が挙げられます。まず立地は駅前の繁華街の方が郊外のお店よりも高くなりがちです。
また、メインターゲットの客層でも変わってきます。例えば居酒屋の場合、庶民的なお店が多く高価な設備やインテリアを導入する必要はないでしょう。
一方、フレンチやイタリアンのお店を開業するなら、比較的金銭的に余裕のある層がメインターゲットとなるはずです。するとインテリアや設備もそれなりに高級なものを導入しないと、店のコンセプトと一貫性がなくなります。このため、どうしても坪単価は高くなるわけです。
飲食店の業種で坪単価も変わる
どのようなジャンルのお店を経営するかでも、坪単価も違ってきます。一般的に、軽飲食なら坪単価はそれほどかからず、重飲食が主力だと費用が高くなると想定しておきましょう。
軽飲食の場合、広大な空間は要しません。また大型の厨房機器を何個も導入することもないでしょう。一方重飲食の場合、本格的な機器を導入しなければなりませんし、空調や換気システムにもお金をかけるので坪単価もかさみがちになります。
店舗のグレードで坪単価も変わる
坪単価に影響を与える要素として無視できないのは、店のグレードです。店舗のグレードは、なにも飲食業界に限った話ではありません。
庶民的でふらっと立ち寄りやすいお店を目指しているなら、坪単価は低く抑えられるでしょう。一方、高級志向のコンセプトのお店なら、坪単価も高くなります。予算も考慮に入れながら、どの程度のグレードのお店にするか十分検討してください。
面積が広い方が工事費用が分散され坪単価は安くなる
店舗面積と坪単価も大きく関係すると考えましょう。お店が広くなれば、坪単価は安くお得です。店が広ければ坪単価が安くなるのは、設備工事が関係しています。
飲食店を経営するために必要な設備は、店が広くても狭くてもあまり変わりません。店が広ければ、母数が多くなる分坪単価も安くなるわけです。ただし、店舗の総面積が大きくなれば、改装に要するトータルコストは高額になる点も覚えておきましょう。
飲食店の店舗改装費用を安く抑える4つの方法を解説!
飲食店のリニューアルで必要な費用にはそれなりにお金がかかってしまうのは上記のとおりです。しかし、できることなら少しでも費用を安く抑えたいのが多くの人にとって本音ですよね。
そこで、ここでは改装費用の節約におすすめな3つの方法について紹介します。活用できるものは活用し、賢く店舗改装費用を節約しましょう。
①複数の業者に見積もりを依頼し比較する
まずは、内装工事をお願いする際にもらう見積もりを、なるべく複数の業者からもらい、内容を比較してみてください。まったく同じ条件でも、業者によって見積もり価格は異なるはずです。
それは、業者によって得意分野が異なるため。「厨房設備関係で太いパイプを持っている」「デザイン性で評判がある」など、業者によって得意分野は様々です。見積もり価格とその内訳を見れば、何に強みがある業者なのか、おおよその見当がつけられるでしょう。
また、複数の業者で見積もりを取ることで、自分が望む条件での大体の価格相場がわかります。不当に高値を吹っかけてくる業者も見分けられるので、無駄に費用を捻出せずにすみますよ。
②厨房機器は中古やリースで安く抑える
飲食店に関するリニューアル費用で、設備費用は大きなウエイトを占めます。厨房機器のコストを圧縮したければ、中古やリースを利用するのも一つの手段です。
中古は新品よりもかなり安い価格で購入できる場合もあります。状態が良ければ、中古でも長きにわたって使い続けられるでしょう。
リース契約であれば、月額料金を支払えば良いので、初期コストを節約できます。月額払いの場合は減価償却する必要もなく、経費の管理もしやすくなるでしょう。
③居抜き物件を選ぶ
物件探しをする際に、居抜き物件を選ぶのも初期費用を安く抑えるために欠かせないポイントです。スケルトン物件で一から改装する場合坪単価30~50万円が相場な一方、居抜きにすれば15~30万円と半分以下にコスト圧縮できます。
居抜き物件が安いのは、厨房機器などの設備をそのまま使える場合も少なくないからです。新装物件は一から自分で行わないといけないのに対し、前のものを使いまわしにできる居抜き物件はコストカットできます。大掛かりな工事が必要ないので工期も短縮でき、より早く開業できるのもおすすめの理由です。
飲食店の店舗改装費用の見積もり前に準備すること
店舗改装工事の内容は業者によって異なる上、オーダーメイド方式なので金額もケースバイケースになるため、飲食店の改装を専門業者に正式依頼する前には見積もりを取るようにしましょう。
正確な見積もりには、事前の準備が重要です。3つの項目に分けて解説するので、チェックしてみてください。
事業計画書をしっかり作成しておく
飲食店を開業する際には、事業計画書を策定しておきましょう。事業計画書とは、どこにどの程度の費用がかかるかや、オープン後の収益などを記載した文書です。
あらかじめ事業計画書を策定することで、キャッシュフローがわかりやすくなります。どこにいくらかかるかを前もってシミュレーションできるので、内装でどのくらいコストがかかるのかが後で不安になることもなくなります。
事業計画書は、融資の相談をする際にも「いつまでにどのように返済するか」の説得力が増します。飲食店を開業するために、融資を受けることを検討されている方はぜひ作成しましょう。
理想の内装デザインを決めてから見積もりを依頼する
見積もりをお願いする前に、どのようなお店にしたいのか内装に関して具体的なイメージを固めておくことも大事です。業者は伝えられたコンセプトやレイアウトに基づいて見積書を作成してくれるため、見積もり内容を精度高く行いたい場合は、店舗のイメージをより具体化することが重要となります。
工事はいったん着工すると、後から変更するのは難しくなってしまいます。多少の変更なら対応してもらえるかもしれませんが、大規模な変更は基本的に困難だと考えて良いでしょう。あとで後悔しないためにも、イメージ固めをしっかりしておきましょう。
なかなか内装デザインが決まらない場合は、他のお店に足を運んでみるとヒントが得られるかもしれませんよ。
顧客層に合ったコンセプトを考える
いったん着工してしまうと、大幅な変更ができないのでコンセプトも見積もり前に固めておきましょう。
コンセプトを想定するにあたって、重視すべきは主要な客層です。極端な話ですが、シルバー層をメインターゲットにしているのに店のデザインが若々しいポップな感じだとアンバランスで、お客さんも入りにくく感じるでしょう。シルバー層がターゲットであれば、大人の落ち着いた空間にするのが理想です。
自分のお店にはどのようなお客さんがターゲットなのか、まずはシミュレーションしましょう。そして、その客層が喜びそうな「来店しやすい店のデザイン」を考え、要望を業者に伝えるようにしてください。
飲食店の店舗改装に関するよくある質問
飲食店の店舗改装やリニューアルに関するよくある質問をいくつかピックアップしてみました。飲食店の開業準備の参考にしてください。
店舗改装工事にかかる期間の目安は?
2か月を一つの目安として考えてください。ただし、あくまでも目安で、広さやグレードなどによって工期は変わってきます。
また、スケルトンか居抜きかでも工期は違ってきます。すでにある設備などを使いまわせる居抜き工事の方が、工期の短縮化は可能です。できるだけ早く店を開業したければ、居抜き物件から探してみると良いでしょう。
店舗改装工事の耐用年数は?
設備によって変わってきます。棚や冷蔵庫など早い設備で6~8年、ガスや電気など長い設備で15年が耐用年数とされています。
耐用年数は減価償却の計算の際に必要になります。内装で導入する各設備の耐用年数は、頭の中に入れておきましょう。
店舗改装工事でローンは組める?
飲食店の店舗改装工事費用に対するローンは組むことが可能ですが、一般的な個人向けローンと比べると条件が厳しい場合があります。そのため、できるだけ自己資金を準備しておくことをおすすめします。
工事費の支払いは通常、複数回に分けて行います。多くの場合、着手前に一部、工事完了後に残りを支払うパターンが見られます。例えば、着手前に半額、工事完了1週間以内に残りの半額を支払うケースが一般的です。
ただし、業者によっては3回以上に分けて支払う方法を採用していることもあるので、支払い方法は事前に確認しておきましょう。
もし予算オーバーになった場合は、設備の導入方法を見直すことをおすすめします。中古品の購入やリース契約への切り替えでコストを抑えられる可能性があります。
なお、「ビジネスクレジット」という選択肢もありますが、審査基準が個人向けクレジットと異なるため、事前に詳細を確認することが重要です。具体的な資金調達方法については、金融機関や施工会社に直接相談してみるのが良いでしょう。
自分が提示した予算にどこまで応じてくれる?
見積の際に予算をこちら側が提示すれば、業者はその範囲内に収まるような工事を提案してくれるでしょう。予算を提示する際には無理な金額を提示しないこと、見栄を張らないことが大切です。
見栄を張ってしまうと後につじつまが合わなくなり、施工内容の大幅な変更が強いられることもあります。店舗改装を満足いく仕上がりにしたければ、真摯な態度で人間関係を構築するようにしたいですね。
株式会社TOによる飲食店の店舗改装の実例5選!
飲食店を開業したいけれども、店の内装のイメージがわかないと悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、株式会社TOが手掛けた店舗改装の実例を5つピックアップしました。いろいろなジャンルの改装工事の事例を紹介するので、自分のお店のスタイルに近いものを参考にイメージを膨らませてください。
四間道(しけみち)のスペイン飲食店【comedor kito 】
名古屋にあるスペイン飲食店の事例です。
スペイン料理に合わせて、天井にラインをレイアウトしてみました。マドリッドの街並みをモチーフにして、スペインに実際に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。
天井のデザインを個性的にすることで、シェフとお客様の話の取っ掛かりにしたいという狙いもあります。現場監督には大きな苦労を掛けたものの、「変わりすぎて感動した」とお客様から満足の声をいただきました。
大衆居酒屋【えび寿本店】
続いて約50年続いている老舗の居酒屋の事例です。
建物の老朽化によって移転するにあたっての店舗改装で、「これまでと同じような大衆居酒屋の雰囲気にしたい」との施主からの要望に合わせる形で施工いたしました。既存店舗で使われていた素材を再利用することで、これまでの店のテイストを残しました。
こちらは予算の範囲内で要望に応える方法を模索した事例です。このように店のコンセプトに関する要望にも、柔軟に対応してまいります。
串焼き居酒屋【天ぷら・串カツ・串焼きくし壱】
こちらは串焼き居酒屋の既存の店舗をスケルトン状態にして、新装した事例です。
弊社のこれまで手掛けたデザインを気に入っていただき、オファーいただきました。スケルトンにするメリットは、大幅な店の内装の変更が可能な点です。
いったん店内をすべて解体して、一から再構築することで、スタイリッシュでおしゃれなデザインに加え、機能性にもこだわった空間に生まれ変わりました。
焼き鳥居酒屋【しげ栄】
こちらは焼き鳥居酒屋の店舗の全面リニューアル改装工事の事例です。
30年以上の歴史を有する老舗のお店で、セントラルキッチンを設置したいという相談がきっかけでした。デザインに特に力を入れた案件で、キーマテリアルとして、晒竹を採用したのが今回の案件のポイントです。
昔ながらの居酒屋のイメージはそのままに、清潔感のある空間に変身しました。
高級クラブ【Club ROMANEE】VIPルーム
こちらは錦でもナンバーワンのクラブと言われるほどの人気店の事例です。
2018年のオープン以来、2年に1度程度のペースで定期的に店舗のリニューアルを担当しております。
今回はVIPルームを従来あった2室から1室にまとめることで、VIPルームのスペースを広げました。さらにVIPルーム専用のトイレを取り入れることで、より快適な空間をデザインしています。
飲食店の店舗改装費用の見積もりは株式会社TOへ
飲食店の改装費用について、飲食店の形態ごとの目安や店舗改装の費用を抑える方法について詳しく解説し、費用を抑えるために準備しておきたいポイントや事例についてご紹介しました。
飲食店の改装費用は予算全体の半分程度を占め、本格的な厨房機器をいくつも導入する場合には、さらに必要になることもあります。無駄なコストをかけないためにも、見積もりを依頼する前に、客層や内装、設備などを具体的にイメージしておきましょう。
また、見積もり時には、そのイメージや費用について明確に伝えられるかも重要になります。デザインは抽象的なため、業者とコミュニケーションを密にとって希望の空間を共有できるようにしましょう。
こちらでご紹介させていただいた株式会社TOは、お客様に寄り添って、話を聞き、その思いを共有することを何よりも重視し、これまで数多くの飲食店のリニューアルを手掛けている会社です。長く愛されるお店のお手伝いができるよう、店舗改装やデザインだけでなくロゴや販促ツールなどのブランディングツールもサポートしています。飲食店の店舗改装やリニューアルを検討している方はぜひ、お気軽にご相談ください。