【バー・居酒屋】居心地のいいカウンター席の高さと作り方 つい座りたくなるデザインのコツ

愛知県名古屋市のカウンターのある飲食店のデザイン 飲食店の店舗デザイン
飲食店の店舗デザイン

最近では居酒屋やバーでおひとり様や少人数の利用が増えています。「一人で静かに飲みたい」「友達と落ち着いて語りたい」というお客様の需要に答えるため、テーブル席だけでなく、カウンター席を取り入れているお店も少なくないでしょう。

しかしカウンターは、店舗にあった高さが重要であり、高さ設計が曖昧になってしまうと居心地のよい空間は完成しないのです。そこで当記事では「居心地のいいカウンター席」と題して、カウンターの高さについて解説します。

こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。各画像のデザインは下記デザイン事例ページからより詳しくご参照いただけます。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

カウンターの高さには3つの種類がある

ローカウンター

古民家改築バーのカウンター

「このカウンターなんだか座りにくい」という思いを皆様も一度は経験したことがあるのではないでしょうか。実はカウンターには高さ別に3つの種類があり、それぞれ特徴が異なるのです。まずはカウンターの種類について解説していきます。

カウンター高さ 椅子の高さ
ローカウンター 700mm程度 400mm程度
ミドルカウンター 950mm程度 650mm程度
ハイカウンター 1050mm程度 750mm程度
今回お話するカウンターの設定は、カウンター内の床と対面に位置する客席の床がフラット(同じ高さ)であることが前提として進めさせていただきます。

ローカウンター

カウンターの高さには3つの種類がある

檜の柾材を使った10mの一本カウンター

【カウンター高さ:700mm程度、椅子の高さ:400mm程度】

ローカウンターは、カウンターの中でも天板位置が一番低いカウンターを指します。これは家庭用のダイニングテーブルと同じ高さのため、座った時に足が床に着く設計になっています。

メリットは長時間座っても疲れない点です。その一方で、床高を変えなければ、調理人がお客様を見下す形になるというデメリットがあります。このデメリットを是正するために、厨房と客席の高さを変える必要があります。

なお、厨房と客席の高さが同じ場合、2段カウンターにする必要があります。ただし、厨房と客席の床高を変えて、希望通りのカウンターの高さに設定することが、最適の方法です。

ミドルカウンター

ミドルカウンター

料理もお酒も楽しめるスペイン料理店のカウンター

【カウンターの高さ950mm程度、椅子の高さ650mm程度】

ミドルカウンターは、キッチンの天板と同じくらいの高さのカウンターです。座ったときにギリギリ足のつま先が付く高さ設計になっており、ローカウンターよりも調理人との目線が合いやすくなるメリットがあります。比較的少ないタイプの高さですが、それが差別化にも繋がります。食事を楽しみつつ、調理人と会話しやすい高さになるため、個人経営の飲食店様に特におすすめです。

居心地を良くするために、足かけをつけるなど工夫をするといいでしょう。

ハイカウンター

ハイカウンター

グラスホルダー付きのカウンター

【カウンターの高さ1050mm程度、椅子の高さ750mm程度】

ハイカウンターは、バーやスタンディングの店舗などの天板と同じ高さのカウンターです。座った際に従業員との目線が合う高さに設計されているため、足がつかないくらいの高さになっています。天板をフラットに設計することで、スムーズにお酒や料理の提供が可能です。カウンター越しの会話を楽しんでいただくための、バーや個人経営の居酒屋におすすめの高さです。

小柄な女性の場合、座ることさえ大変になるので、ミドルカウンター同様に設計上の工夫は必須です。この場合、ステップを設置するのが必須です。

カウンターの形でお店の雰囲気を変える

ワインバーのカウンター

ワインセラーを付随したカウンター

お店の雰囲気を作る要因の一つとしてカウンターの形もあります。ご紹介する3種類はそれぞれ違う雰囲気を作っているので、自分のお店にあっているかを想像しながら見てみてください。

I字型カウンター

I字型カウンター

回転率を重視したラーメン店のカウンター

カウンターで主流なのが直線が美しいI字型です。予算を節約しつつ、スペースを有効に活用したいお店におすすめです。お客さまとコミュニケーションを多く取りたいという方にはこちらの形がオススメです。ただし、カウンターの長さによっては、端から端までスタッフが移動しなければならないため、導線設計の工夫が必要です。

L字型カウンター

L字型カウンター

高級焼き鳥店のカウンター

正面からだけではなく、横からも調理場が見える形がL字型です。料理のパフォーマンスなど調理の行程を見せたい寿司店や和食店などの店舗にオススメです。また、奥行きが生まれることで、落ち着いた雰囲気にもなりやすいため高級店や割烹といった店にもオススメです。

コの字型カウンター

コの字型カウンター

料理の提供スペースが独立したカウンター

スタッフがお客様の様子を確認しながら作業できるのがコの字型です。コの時の中に厨房があるタイプと、メインの厨房から独立しているタイプ(アイランド型)があります。また、お客様同士向かい合う形になるので、賑やかになる傾向があります。そのため、大衆的な居酒屋などに向いている形とも言えます。

居心地のいいカウンターは「高さ」で決まる!デザインのコツとは

最後に、カウンターデザインのコツをご紹介します。目線や気配りなどお客様のことを第一に考えてデザインすることが大切です。本稿ではポイントを3つご紹介していきます。

ローカウンターは厨房と客席の床高を変える

居心地のいいカウンター

温かみのある雰囲気のローカウンター

単価の高い居酒屋やバーでは、一般的にミドルカウンターやハイカウンターが好まれる傾向にあります。ローカウンターでは、お客様を見下す形になってしまうため、印象上よくないとされています。そこで、厨房と客席の床高を変えて、希望通りのカウンターの高さに設定しましょう。それによって、どのタイプのカウンターも居心地よくできます。居酒屋やバーでも座り心地を重視する場合は、ローカウンターも十分考慮する対象になります。

荷物や上着を預ける場所を作る

カウンター付近に荷物や上着を預ける場所を作る

背後の壁に上着掛けを配置したカウンター

カウンターはお客様同士の間隔が狭く、荷物や上着を置くスペースがあまりありません。そのため、カウンター席で満足してもらうためには、足元に荷物入れを用意したり、上着をかけるところを設置することが居心地の良さにつながります。特に冬はコートやジャケットを着るので、フックとハンガーを設置しておけばより親切になります。小さな気遣いを重ねて、お客様を不快な思いにさせないようにしましょう。

足掛けを作る

ハイカウンターでは足掛けを作る

足掛けを設置し座りやすさを重視したカウンター

ハイカウンターを作る際には必ず足掛けを作るようにしましょう。背の高い椅子を採用すると小柄な女性の方などは椅子に座るだけでも一苦労になります。そのため足掛けを設置して、スムーズに座れるようにしましょう。また、座っているときに足をブラブラさせるのも居心地の悪さにつながる可能性がります。

こちらの記事ではカウンター以外の内装デザインのポイント、デザイナーへのデザインの伝え方ついて解説しています。こちらの記事も是非ご参照ください。

バーや居酒屋の設計は「株式会社TO(ティーオー)」へおまかせください!

バーや居酒屋のカウンター設計

日本酒バーのゆったりくつろげるローカウンター

このように、カウンターを設計する際は、物件の条件や業態、コンセプトに合わせて、デザイナーと入念に相談することが大切です。店舗の中でも比較的大きなスペースを占めるカウンターは「お店の顔」といっても過言ではありません。お店へのこだわりを最大限表現する場所として、カウンターを活用していきましょう。

TOでは飲食店に関する依頼が多く、高級料理専門店、居酒屋やバーなどの実績も多数ございます。やはり高級料理専門店、居酒屋やバーは、様々なお客様が様々な用途でいらっしゃる場所です。大人数で楽しく過ごす方もいれば、二人で落ち着いて語り合いたい方もいるでしょう。

使いやすさを考えたエンドユーザー目線の設計は、お客様の満足度を高め、売り上げアップやリピーター増加に結びつくとTOは考えています。飲食店(高級料理専門店、居酒屋やバー)の空間設計でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

カウンターと同様に飲食店で重要なテーブルと椅子の高さに関しては、こちらで詳しく解説しております。カウンターの導入をご検討中の方は、ぜひこちらの記事も合わせてご参照ください。