通行人などの流動客や、見込み客など、新規のお客様を増やすためには、まずは入りやすい店であることが重要です。そこで今回は、入りやすいお店の特徴のなかでも、ここだけは抑えておきたい!という代表的なポイントをご紹介します。
来店を増やすと同時にリピーター(固定客)を獲得することはとても大切です!リピーターを増やすポイントはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひこちらの記事も合わせてご参照ください。

初めてだと入りにくいと感じるお店の特徴
入りやすいお店を考える前に、まずは、お客様がお店に対して入りにくいと感じる要因をみてみましょう。その要因の多くは、以下に当てはまるお店だと言われています。
- 価格帯がわからないお店
- 高級そうなお店
- 清潔感がなさそうなお店
- 店内の様子がよくわからないお店
- 常連客が多そうなお店
ただし、中には、少し汚いお店でも味が良くて人気だったり、あえて店内を分かりにくくして非日常が味わえるお店や常連さんで常ににぎわうお店などもたくさんあります。
一概にも上記の特徴を避けたほうが良いとは言いきれませんが、なにか特別なコンセプトがない場合は、まずは上記のようなお店になることを避けたほうがよいでしょう。
初めてでも入りやすいお店の特徴
先ほど上げた要因のうち、価格帯と店内の様子は情報を開示することで解決します。高級そうや常連客が多そうはお店に親近感を持ってもらえるかどうかで変わります。
清潔感については、常に店舗を清潔にしておくことが必要です。つまり、以下の3つが入りやすいお店の条件になると言えるでしょう。
①お店の商品や価格の情報が開示されている
②お店の外観に清潔感がある
③お店に対する親近感がもてる
今回は流動客、つまり路面を歩く見込み客がターゲットになるので、外観でこれらをアピールするようにしましょう。そのためには店舗デザインとスタッフの協力が必要不可欠です。これから店舗デザインで実現できること、スタッフの協力で今すぐ実現できることをご紹介します。
①お店の情報が開示されている
まず1つ目は、お店を見つけてもらうことです。そのためには通りかかった人にお店を認識してもらえるような外観(ファサード)が重要です。
看板などで商品や価格を積極的に紹介しましょう。お店の商品やサービス、価格帯を提示することで、一気に入りやすいお店になります。後述板出しますが、ブラックボードやのぼり、メニュースタンドも効果的です。
ここで大切なのは、すべての商品と価格を紹介する必要はありません。お店の定番商品の価格がわかれば、それ以外の商品の価格についてもイメージできるので大丈夫です。手書きのメニューボードなど、お店に対して親近感が湧く看板はさらに効果的でしょう。
②外観に清潔感をもたせる
清潔感を持たせるためには、掃除を欠かさないことです。入り口付近や店内にゴミが落ちていると、店の印象は悪くなります。お店の外壁の塗装がはげていたり、汚れていたり、落書きなども印象を下げてしまいます。開店前や閉店後だけでなく、隙間時間を利用して点検しこまめに掃除をしましょう。
また、ドアやマット、テーブルや椅子などの汚れや破損もチェックしましょう。さらに、通路には余計なものは置かず、通行の邪魔にならないように気を付けましょう。お店の中がきれいに整頓されているだけで、清潔感がぐっと増します。
③お店に対する親近感がもてる
最後は、お店に対する親近感を与えることです。しかし、当然ながら初めてお店の前に訪れたお客様に親近感を与えることは容易ではありません。デザインからオペレーションに至るまで、3つの項目に分けて紹介します。
お店のドアを明るさや温かみを感じられるデザインにする
お客様がお店の出入りに必ず通るドアは、明るさや温かみを感じられるデザインにすると親近感が湧きます。金属やモルタル素材など、重厚あるドアよりも、木やガラスを使った明るく温かな印象のドアをおすすめします。茶色、白、アイボリーやベージュなど落ち着く色合いにすることで、お客様がドアを開ける緊張を和らげます。
お店の顔であり、入口となるドアは店舗デザインでも特に重要なポイントです。ドアのデザインに関しましては、こちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

お店の照明を温かみや落ち着いた雰囲気のものにする
照明の色や明るさ、ダウンライトなどを効果的に使用しましょう。特にお店に親近感をもってもらうには、オレンジに近い色合いがおすすめです。電球色やキャンドルカラーは、温かみや落ち着いた雰囲気を出すことができます。リラックスを求められるカフェや小料理屋などの飲食店に適している色です。
飲食店の照明に関しましては、こちらの記事で詳しく解説しています。店舗の雰囲気を決定付ける非常に重要なポイントになりますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。

外から店内が見えるデザインにする
路面側がガラス張りであったり、お店に窓がある場合などは、店内の活気や人の様子が見られるように演出するのも効果的です。外から店内の様子がわかると、先ほど紹介した、商品などのお客様が知りたい情報を開示することにもつながります。また、お客様は窓際の席からお客様をご案内しましょう。
店舗に使われるガラスは、強度や透明度など、その種類が多岐に渡ります。ガラスを用いたデザインについては詳しくはこちらをご参照ください。

入りやすいお店作りで気を付けること
入りやすいお店の特徴についてご紹介しましたが、最後に、お店作りで気を付けておきたいポイントを紹介します。これから紹介するポイントは流動客を増やすだけではなく、固定客を増やすことにもつながるので、ぜひ普段から意識してみてください。
①お客様の目線に合わせた店舗作りをする
入りやすいお店を考える時には、外観、内装、メニューなど全てでお客様の目線になって考えることが大切です。経営者の好みや感性だけで決めてしまい、お客様がついてこれないというケースがあります。
店主のこだわりが他店舗との差別化になることは大いにありますが、お客様の目線を意識した方が、様々な面で集客効果に繋がりやすいです。そのため、お客様の立場で一歩引いてみて最終的なお店のデザインやメニューなどを決めていきましょう。
この時、お店を利用するのは男性なのか女性なのか、1人なのかグループなのか、どのようなシチュエーションで利用してくれるのかなど、ターゲットを考えることでより良いお店作りができます。
②他店舗と比較する
また、近くの競合店舗と比較してみることも大切です。新規のお客様を増やすには、まず注目を集めなければなりません。そのためには、近隣に店舗がある中でも自分の店舗に存在感がある必要があります。
いくら内装のデザインやメニューにこだわっても、それが他店舗と同じようなものであれば意味がありません。自分の店舗は単独で考えるのではなく、近隣の店舗や景観も考慮に入れながら、お客様からどのように見えるのかを意識して考えることが大切です。
③お一人様でも入りやすい工夫をする
近年、飲食店のお一人様需要はますます上がっています。特に女性の一人客はぜひターゲットとして狙いたい客層です。女性のお一人様をターゲットにした場合、以下のような施策が考えられます。
- 一人でも座りやすいカウンター席や2人掛け席を設ける
- 女性のスタッフが働いている
- 小皿料理が充実している
- 分煙または禁煙である
- ノンアルコールメニューがある
あくまで店舗のコンセプトを崩さない程度に、一人客を増やす施策を試してみましょう。とくにカウンター席は客席の無駄を無くし、流動客にも固定客にも人気が高いレイアウトなのでおすすめです。
④お店の入口に看板を設置する
情報の開示の点から、お店の入り口に以下のものを使った告知がよく用いられます。通りすがりの人たちがお店を見るのは一瞬ですので、お店の情報をシンプルに伝えられるように心がけましょう。
ここで注意いただきたいことが、時間帯によって人の流れが変わる場合、その時間によって掲示する内容や向きを変えることです。さらに、ディスプレイ等の文字を通る人の目線の高さに合わせることで、より高いPR効果を発揮しています。
また、ビルの中にあり、階段を上って入る店舗などは、誘導看板を使用しましょう。「入口はこちら」などと書かれた矢印付き看板などをうまく活用して入口を分かりやすくしましょう。
⑤入り口に近いところに親近感のあるスタッフを配置する
店舗デザインから少し離れますが、今まで紹介した以外にも、接客で親近感を持ってもらうこともできます。お店の入口や入り口に近いエリアに親近感のあるスタッフを配置しましょう。
スタッフには、お店の雰囲気に合わせて、明るい接客、フランクな接客、落ち着いた接客などで親近感を持ってもらいましょう。店頭でメニューを見ているお客様がいたら、一声お声がけすることもお店に入ってもらえるきっかけになりますので、とても大切です。
入りやすいお店の特徴抑えて、お店つくりを成功させましょう!
株式会社TO(ティーオー)は、店舗設計を得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。
親しみやすい店舗作りから高級店まで、様々な店舗設計に携わっております。私たちの経験・実績に基づいた提案は、店舗をさらに素敵な空間へと変化させることをお約束します。まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。