店舗の省エネ対策とは?コスト削減に効果的な設備や間取りを店舗デザインの観点から解説します

店舗デザインのポイント
店舗デザインのポイント

店舗を持つときに気になるのが光熱費などのコストではないでしょうか。毎月かかる費用なので、できるだけ低く抑えたいと考える人も多いでしょう。特に電気代は、冷暖房などの空調機器や照明といった店舗には欠かせない設備にかかるお金なので、気になっている人も多いはずです。

「どんな間取りが省エネに効果的なの?」「省エネに必要な設備は?」という疑問に、店舗デザインの観点から解説していきます。これから店舗をもつ人はもちろん、運営している店舗の光熱費を抑えたい人もぜひ参考にしていただけますと幸いです。

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知っておくと便利!省エネに効果的な設備を選ぼう

まずは、省エネに効果的な設備を紹介します。

  • 断熱材
  • 空調機器
  • 照明

これら3つの設備に注目するだけで、店舗の省エネ性能が大きく変化します。設備は光熱費に直結するので慎重に選ぶことが大切です。どのような点に注目して選べばいいかを解説していきます。

外気温を遮断する断熱材

外部からの寒暖が店舗内に伝わらないようにするためには、壁に断熱材を仕込むことが有効です。外の天候や気温に室内の環境が左右されにくくなり、冷暖房の効率が格段に良くなります。店舗に使用される代表的な断熱材のメリットやデメリットを紹介します。

素材 メリット デメリット
グラスウール
  • 比較的安価
  • 工期が短い
  • 遮音性がある
  • 火に強い
  • 他の素材に比べると断熱性が劣る
  • 水分に弱い
ロックウール
  • 工期が短い
  • 遮音性がある
  • 火や水分に強い
  • グラスウールに比べると価格が高め
  • 重い
スタイロフォーム
  • 水分に強い
  • 断熱性能が高い
  • 火に弱い
  • 工期が長い

どの素材にも一長一短があるので、経営する店舗の形態などを加味して合う素材を選定するといいでしょう。たとえば、比較的手頃な価格で施工できるグラスウールですが、水に弱いため美容室など水を多く使う店舗には向かない可能性があります。

断熱性能に秀でたスタイロは、火に弱いため飲食店には不向きです。どのメリットを取ればよりよい店舗設営ができるかを考えてみてください。

省エネ性能に長けた空調機器

切妻とは

エアコンはなるべく省エネ性能の高いものを選びましょう。エアコンの省エネ性能は多段階評価点で判断することができます。1〜5の評価点があり、5が最高評価です。

省エネを重視してエアコンを選ぶなら、多段階評価点が4〜5のものを選ぶといいでしょう。ただし、省エネ性能が高い高機能型の機種は、価格が高い傾向にあります。初期費用を抑えたい場合には向きませんが、長い目で見るとお得になることも考えられるので、5年後10年後までも考慮して選ぶと後悔しません。

照明はLEDが省エネ

照明にはLED照明を採用すると省エネにつながります。LED照明は消費電力が少ないことから省エネに有効な設備といわれています。消費電力は、他の照明機器のおよそ20〜30%ほどです。

店舗によっては明るさを求めてたくさんの照明を使用したい場合もあるでしょう。その場合、すべてを白熱灯などにしてしまうと月々の光熱費が高額になってしまいます。白熱灯のおよそ20%の消費電力で同等の明るさが得られるLEDに換えると、光熱費もグッと下がって経済的です。

照明は、既存の店舗でも対策できるので、現在LEDを使っていない店舗はLEDの導入を検討することをおすすめします。

光熱費を下げるために気をつけたい間取りのポイント

続いて、光熱費を下げるために注目したい間取りのポイントを紹介します。光熱費を下げるためには以下のポイントに気をつけるといいでしょう。

  • 1フロアの面積
  • 個室の数
  • 天井の高さ
  • シンプルなデザイン

それぞれ解説していきます。

1フロアの面積は広く取りすぎない

冷暖房の効率は、面積が広くなればなるほど低下します。広いフロアは開放感がありますが、それだけ熱の逃げ場も多いことになります。無駄に1フロアの面積を取りすぎないことで、エアコンの性能に見合った冷暖房効率が得られます。

また、エアコンに記載されている20畳用などの表記は、その製品に対する最大の畳数を目安として表記したものです。20畳用であれば必ず20畳の間取りに合うわけではなく、店舗の構造や方角などの環境条件によって変化します。

そのため、冷暖房効率の良くない広すぎる間取りだと、エアコンも最大畳数以上の性能を持ったものや、複数台を同時使用する必要があります。エアコンが大きくなったり台数が増えることで電気代も高くなるので注意して間取りを考えましょう。

個室をつくりすぎない

個室にはそれぞれ1台ずつ空調機器が必要となります。エアコンは台数が増えるほど光熱費もかさむので、個室の多い店舗は光熱費が上がりやすい傾向にあります。可能であれば半個室にしたり壁の上部を完全に塞がない構造にしたりして、エアコンの数を減らせるように間取りを考えるといいでしょう。

個室が多い店舗を経営する場合は、省エネ性能に特化したエアコンに初期投資することがおすすめです。エアコンの性能で大きく変化するので、初期費用はかさみますが、多段階評価点が5に近いエアコンを選定しましょう。

天井を高く取りすぎない

天井が高いとその分広い空間に空調が働くため、冷暖房効率が下がってしまいます。天井が高い店舗は、広々とした開放感が魅力ですが、あまり高く取りすぎると光熱費が上がってしまう可能性があるでしょう。

ただし、天井高に関しては借りている建物の構造的に変更しにくい部分もあるので、物件探しの段階で少し注意する程度でいいでしょう。居心地にも関係してくる部分なので、空間の雰囲気とコスト削減のどちらを優先したいかをあらかじめ決めてから物件探しをすると、見るポイントが絞られて探しやすくなります。

シンプルなデザインを心掛ける

入り組んだデザインの店舗は、空調が効きにくく照明の数も増える傾向にあります。できるだけシンプルな構造のデザインを考えることも省エネにつながるといえます。

奇抜なデザインの店舗は印象に残りやすく、オリジナリティを出しやすいですが、その分メンテナンスにも費用がかかりやすくなることがあります。後々にかかるさまざまなコストのことも考慮して、できるだけシンプルながら印象に残るデザインを考えることがおすすめです。

省エネ対策には補助金も活用できる

経済産業省や環境省から省エネ対策に関するさまざまな補助金が提示されています。経済産業省が行なっている省エネルギー投資促進に向けた支援補助金などが有名です。省エネ性能の高い業務用エアコンなどを設置する際に使用できる補助金もあり、有効に活用することで光熱費を削減できるでしょう。

しかし、補助金は対象となる事業内容に条件があります。自分の経営している事業が条件に当てはまるかをチェックしてから申請しましょう。対象かどうかわからない場合は、問い合わせ先に連絡して確認することもできます。

株式会社TOでは、店舗の開業・改装・運営に関する補助金の取得補助を行っております。開業・リニューアルの際には、補助金の申請から建物の完成、受給までを一貫してサポートいたします。補助金取得の流れや過去の採択事例に関してはこちらのページをご参照ください。

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まとめ

店舗にかかる光熱費などのコストダウンが目指せる設備や間取りについて解説しました。初期投資に費用がかかる場合もありますが、長い目で見るとどれもお得になる設備ばかりです。これから店舗をつくりたい人はもちろん、またすでに店舗を経営している人も、今の光熱費が下げられる可能性があるかを検討してみてください。

私たちTOでは、省エネ対策にも効果的な店舗デザインを考案しています。「電気代を抑えたい」「冷暖房が効きやすい店舗にしたい」など、どんな要望でも一度ご相談ください。理想の店舗を一緒につくりましょう。

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