店舗のデザインにおいて、フォーカルポイントという言葉を耳にする機会があるかと思います。
「聞いたことはあるけど詳しくはわからない」という方も多いフォーカルポイントですが、上手に使うことで店舗の印象をガラリと変えられます。
フォーカルポイントを設置することで得られる具体的な効果から、上手な設置の仕方まで詳しく解説します。
こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください
フォーカルポイントとは
空間において、無意識のうちに視線が行く場所のことをフォーカルポイントと呼びます。
例えば、入店した時に壁に大きな絵画が飾られていたり、印象的な観葉植物が飾られていたりすると、自然とそちらに目がいくと思います。このようなパッと目を引く場所がフォーカルポイントです。
フォーカルポイントで得られる効果
フォーカルポイントは、インテリアや空間としての独自性を高めるだけでなく、さまざまな効果が得られます。特に、店舗においてはお客様の居心地にも影響するので、効果的に使いたいテクニックです。
視覚効果で店内が広く感じられる
狭めの空間や天井の低い空間は、窮屈に感じられることがありますが、フォーカルポイントを使って一種の視覚的な錯覚を起こすことで、空間を広く感じられる場合があります。
ポイントを作らずに物を置いてしまうと視線が散ってしまい、余計に空間が狭く感じられるので、視線が集中するフォーカルポイントを設定して視線の分散を防ぎましょう。
壁面に奥行きの感じられるアクセントを設置したり、天井にライン状の照明を設置することで、その空間に合った視覚効果を生み出していきます。
コンセプトを強調しやすい
フォーカルポイントは自然に目が行く場所なので、フォーカルポイントを店舗のコンセプトに合ったものにすると、よりコンセプトの強調ができます。
例えば、和モダンをコンセプトにしている店舗には、壁面の一部に組子細工を設置することで組子細工がアートの役割も果たしつつ、和モダンのコンセプトを強調するフォーカルポイントとして活きる空間になります。
多用しすぎるとしつこくなってしまう色味やモチーフでも、フォーカルポイントに使えば情報量を抑えつつ、しっかりと強調することができるでしょう。
見せたくないところに目が行かなくなる
店舗にはバックヤードの入口や厨房の奥など、あまりお客様に見せたくないと感じる部分もあるかと思います。そんな見せたくない部分に視線を集中させないためにも、フォーカルポイントを効果的に設置することが重要です。
フォーカルポイントを設置しない店舗では、目のやり場が統一されず、見せたくない場所にも視線がいってしまうことも考えられます。一点だけでも力を入れている見せ場を設けることで視線を一点に集中させましょう。
店舗におけるフォーカルポイントを設置したい場所
フォーカルポイントを店舗に設ける時に効果的な場所は、店舗に入ってすぐの広い空間です。エントランスやフロアに店舗を印象付けるフォーカルポイントを設定してみましょう。
エントランス
店舗にエントランススペースがある場合には、エントランスに設置してみましょう。
設置のポイントとしては、大きすぎないフォーカルポイントにすることです。エントランスに設置するフォーカルポイントが大きすぎると威圧感を与えたり窮屈な印象になる可能性があります。
エントランスの規模に合わせた控えめなフォーカルポイントを設置すれば、空間がぐっと引き締まります。
また、入ってすぐの空間は店舗の顔と言えるほど、お客様からの印象を決定付ける空間です。店舗のコンセプトにあったフォーカルポイントを作り込んでお客様を出迎えましょう。
フロアなど滞在時間の長い空間
お客様が滞在する時間の長い空間にフォーカルポイントを設置するのも効果的です。どこからでも目に入る場所に設置した方がより空間を魅力的に見せられるため、少し高めの位置に設置する場合もあります。
フロアの大きさにもよりますが、エントランスとは逆にフォーカルポイントが小さすぎてしまうと、視線を集中させることができなくなってしまいます。
インパクトを残すためにも思い切ったフォーカルポイントの設置がおすすめです。
フォーカルポイントの上手な作り方
では、フォーカルポイントは実際どのように作れば良いのでしょうか。フォーカルポイントにぴったりの例を紹介していきます。
壁面に異素材のアクセント
まずは、壁面にフォーカルポイントを作る方法です。絵画などのアートを飾る方法が一番手軽ではありますが、新規でデザインするなら壁面に異素材で加工した箇所を作るのもおすすめです。
例えば、組子細工を壁面に埋め込んだり、クロス張りの中に一部分だけ左官仕上げの場所を作ったりすることで、ほかの店舗にはない特別なフォーカルポイントが完成します。
目が行くだけでなく、店舗のシンボルとなってくれるアクセントを盛り込みましょう。
存在感のある什器
カウンターや受付スペースなど、大型の什器も視線が行きやすい場所です。元々視線が行きやすいことを利用して、あえて什器をフォーカルポイントにするのもおしゃれにまとまります。
素材やデザインにこだわった特注の什器は、店舗の目玉として活躍すること間違いなしです。「あのお店といえば、あの什器!」と言ってもらえるような印象的な什器を設置して、フォーカルポイント効果も狙います。
照明効果
空間を照らす役割と思われがちな照明ですが、照明はフォーカルポイントとして活躍する場合もあります。
直線など印象的な照明が天井に配置されていると、視線が上の方に集中するので、空間が広く感じられます。鏡を使ってさらに奥行き感を演出すると、狭い空間でもゆとりを演出できます。
また、フォーカルポイントを間接照明で照らしてさらに強調することも効果的です。
フォーカルポイントのまとめ
店舗を印象付け、空間をより魅力的に見せるフォーカルポイントは、店舗デザインにおいてぜひ取り入れてほしいテクニックです。
私たち株式会社TOでは、お客様のご要望に合わせてフォーカルポイントのアドバイスはもちろん、ほかにはないデザインを提案いたします。ご相談だけでも大丈夫ですので、ぜひ一度ご連絡ください。