持続可能なお店づくりを目指して

私たちTOは、これまで一貫して、長く愛されるお店づくりに向き合って参りました。持続可能なお店を実現するためには、
施主の「想い」が反映されたデザインと集客戦略、資金繰り、動線設計などのマーケティング視点の掛け合わせが必要です。
私たちは、施主様と一緒にこれらを徹底的に考え抜き、寄り添い、実践します。

TOの施工事例

基礎工事とは?種類と流れをわかりやすく解説します。

プレハブ工法の建築 建築設計業界の用語解説
建築設計業界の用語解説
「店舗を一から造るときに、基礎工事について知っておいた方がいいのかな?」
「基礎工事の種類や流れについて、難しくて理解ができない」

このように、建物を建てる際に必ずおこなわなければならない基礎工事について、詳細を把握しておられない方は多いのではないでしょうか。この記事では、基礎工事の種類と基礎工事の流れを詳しく解説していきます。

建物を建てる際に最も重要な基盤を作るのが基礎工事です。基礎工事があいまいだと、地震などで建物の倒壊につながったり、液状化現象が起こってしまう可能性があります。

基礎工事の種類や手順を施主が知っておくことで、建築士や施工業者からの説明を理解でき、建物の設計から施工完了までがスムーズに進むでしょう。スムーズに開業するためにも、この記事で基礎工事の要点を抑えておきましょう。

基礎工事とは?

基礎工事とは?

基礎工事とは、地面と建物を繋げる根幹部分を造るための工事です。

建物の重さや地震の揺れなど、垂直・水平の力を建物から地盤に流すことで、建物が傾く(不同沈下)を防ぐことができます。基礎工事が建物の安定性(安全)を左右するといっても、過言ではないでしょう。

基本的に、現代建築における建物の基礎は、鉄筋コンクリートで作られており、底盤や立上り、地中梁、杭などで設計されるのが一般的です。地盤の状態や建物の特徴によって、基礎工事の種類が分かれます。

基礎工事の種類は主に4つ

基礎工事の種類

基礎工事の種類は、主に以下4つに分類されます。

  • 杭基礎工事(くいきそ)
  • ベタ基礎工事(ベタきそ)
  • 布基礎工事(ぬのきそ)
  • 独立基礎工事(どくりつきそ)

上記4つの違いを理解することで、基礎工事の大枠を理解することができるでしょう。

杭基礎工事(くいきそ)

杭基礎工事(くいきそ)

地盤が柔らかい・弱い際に用いられるのが杭基礎工事です。杭基礎工事には、支持杭と摩擦杭の2種類があります。支持杭は、柱状改良や鋼管杭などの長い杭を硬い地盤まで打って、基礎を作ります。

一方、摩擦杭は、硬い地盤まで打ちません。凹凸形状の杭を用いて地盤に打つことで、杭と土の間に発生する摩擦で基礎を支えます。杭を固い地盤まで打つことができない場合などに採用されることの多い杭基礎の方法です。摩擦杭は、ベタ基礎や布基礎と併用して用いられることが多いと思っておいてください。

ベタ基礎工事(べたきそ)

ベタ基礎工事(べたきそ)

コンクリートで床下全面を覆い、基礎全体で建物から地盤に力を伝えるのがベタ基礎工事です。地盤に直接基礎を設置する直接基礎の一種です。地盤の強度が弱い場合でも採用可能な方法です。使用するコンクリートの量は多くなりますが、土を掘る量と型枠の使用量が少なくなるのが特徴です。施工がしやすい基礎工事と思っておくといいでしょう。

布基礎工事(ぬのきそ)

布基礎工事(ぬのきそ)

布基礎もベタ基礎と同様に、地盤に基礎を直接設置する直接基礎の一種です。主要となる柱や壁の下に基礎を設置する方法です。地盤の強度が大きくても使用することができます。布基礎は、床下に土がむき出しになるので、湿気対策をする必要があるので、注意が必要です。

独立基礎工事(どくりつきそ)

独立基礎工事(どくりつきそ)

独立基礎もベタ基礎・布基礎と同様に、直接基礎の一種です。主要の柱の下だけに基礎を作っていきます。布基礎よりも設置面が小さくなるため、地盤の強度が大きい土地のみ使用することができます。しかし、現在の住宅ではあまり採用されない基礎工事です。一方、住宅ではない建物は、独立基礎を採用している場合が多いです。

基礎工事の流れ

基礎工事は、以下7つの手順を踏んでおこなわれます。

  1. 地縄張り工事・遣り方工事
  2. 掘削工事・根切り工事
  3. 砕石敷き
  4. 捨てコンクリートを流す
  5. 配筋
  6. 型枠組みからコンクリート流し
  7. 型枠を外して仕上げ

①地縄張り工事・遣り方工事

地縄張り工事・遣り方工事

ビニールや縄などを用いて、建物の位置を把握する作業が地縄張り工事です。着工後の最初の作業となります。地縄張り工事が終わると、遣り方工事(やりかた)に移ります。

遣り方工事は、これから建てる建物の情報(建物の位置や基礎の高さ)を図面に沿って、敷地に写していく作業です。建物の正確な位置が決まる重要な作業となります。

②掘削工事・根切り工事

根切

基礎を作る上で、地盤を掘り起こす作業が掘削工事・根切り工事です。基礎工事の種類によって、掘り起こす範囲が決まります。

③砕石敷き

砕石敷き

掘り起こす作業をした後に、砕石と呼ばれる石を敷いて、ランマー(転圧機)で地盤を固めていきます。地盤を締め固める作業が「地業(じぎょう)」と呼ばれ、この作業が、建物の沈みを左右します。

④捨てコンクリートを流す

捨てコンクリートを流す

建物の基準を書いたり、職人が作業をしやすいようにするのが、捨てコンクリートを流す作業です。捨てコンクリートは、必ず必要な作業ではありませんが、工事を進めやすくかつ正確におこなうのに重要な役割を果たします。地盤を固める「地業」の後におこなわれます。

⑤配筋

配筋

工事現場によくある、入り組んだ鉄の組み立てを「配筋」と呼びます。鉄筋コンクリートでできている基礎に必要な鉄の棒を、図面に記載されている通りに組み立てていく作業です。配筋は、基礎の寿命や強度に関係してくるため、重要な工程の一つとなります。建築基準法でも多くの基準が設けられています。

⑥型枠組みからコンクリート流し

型枠組み

設計図に沿って型枠を組み立てていきます。型枠は、基礎を作る上で、コンクリートを流して固めるために設置する枠のことです。枠は、木製や鉄製が使用されます。

コンクリートを流し込む前に行うのが、アンカーボルト設置作業です。アンカーボルトは、建物の構造材料と基礎をつなぐ、重要な金属製の部材になります。アンカーボルト設置作業後に、コンクリートを流し込む作業をおこないます。

コンクリートを流し込む作業を「コンクリート打診」と呼ぶのが一般的です。コンクリート打診をおこなった後は、型枠を外すまでに数日間置き、コンクリートを固めます。この作業が養生と呼ばれます。

⑦型枠を外して仕上げ

基礎工事の流れ

養生の期間が終わったら型枠を外します。コンクリートの状態(ヒビや割れ、不良)などがないか確認して、問題がなければ基礎工事完了です。

まとめ

コンクリートの状態

この記事では、基礎工事の種類と基礎工事の流れを詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。

  • 基礎工事とは、地面と建物を繋げる根幹部分を造るための工事
  • 杭基礎工事は、地盤が柔らかい・弱い際に用いられる
  • 支持杭は、柱状改良や鋼管杭などの長い杭を硬い地盤まで打って基礎を作る
  • 摩擦杭は、凹凸形状の杭を用いて地盤に打つことで杭と土の間に発生する摩擦で基礎を支える
  • コンクリートで床下全面を覆い、基礎全体で建物から地盤に力を伝えるのがベタ基礎工事
  • 布基礎は主要となる柱や壁の下に基礎を設置するやり方
  • 主要の柱の下だけに基礎を作っていくのが独立基礎
  • ビニールや縄などを用いて、建物の位置を把握する作業が地縄張り工事
  • 地盤を掘り起こす作業が掘削工事・根切り工事
  • 配筋は、基礎の寿命や強度に関係してくる重要な工程の一つ
  • アンカーボルトは、建物の構造材料と基礎をつなぐ重要な金属製の部材

基礎工事は、建物を建てる上で重要な役割です。不備があると、建物が傾いたり倒壊してしまう可能性があるでしょう。基礎工事の知識を深めるためにも上記のポイントを参考にしてみてください。

株式会社TO(ティーオー)は、飲食店の設計を得意とするデザイン設計事務所です。これまで様々な業態の飲食店様のデザインを承って参りました。私たちのデザインしたデザイン事例はこちらのページをご参照ください。