インバウンドが増えて注目されているのがガストロノミーです。「聞いたことはあるけどなんなのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。ガストロミーは、飲食店で取り入れると売上アップが見込めます。ガストロノミーとはなにか、どのように取り入れるのかなどを、詳しく解説します。
また、こちらのブログで使用している画像はすべて私たちTOがデザインいたしました。気になるデザインがございましたらお気軽にお問い合わせください。

ガストロノミーとは?

飛騨高山にある飛騨牛を扱う焼き肉店のショーケース

料理を軸に地域に根付いた文化を取り込んで発展させることを指します。ガストロノミーとは、もともとはフランス語で美食という意味の言葉ですが、現在では、食そのものや食文化から、日本の良さ・地域の良さを発信できることで、近年注目されているワードです。
ガストロノミーが注目されてからは、「ガストロノミーツーリズム」や「ガストロノミーウォーキング」など、ガストロノミーに絡めたさまざまなイベントやビジネスが誕生しています。どれも、地域特有の食や文化を体験することを目的としており、国内だけでなく海外の観光客からも人気です。
ガストロノミーでインバウンド客を取り込む

古民家を改築した名古屋のうなぎと名古屋コーチンを扱うお店

ガストロノミーを取り入れた海外の旅行客向けのビジネスを、ガストロノミーツーリズムといいます。その土地に合った食事と文化をうまく融合させることで、そこでしかできない新しい体験を提供することが狙いです。
このガストロノミーツーリズムの考え方をレストランの店舗デザインにも取り入れると、インバウンドを取り込めます。とくに、海外の観光客は日本の文化や歴史に興味がある人も多い傾向にあります。これからさらに需要が大きくなることが予想されるインバウンドを、うまく取り込んで売上アップを目指しましょう。
ガストロノミーをレストランの店舗デザインに取り入れるポイント
では、ガストロミーは、どのようなカタチでレストランの店舗デザインに取り入れることができるでしょうか。
- ガストロミー要素の考案
- 地域の特徴や風景を活かす
- 五感を使って体感できる空間をつくる
以上の3つの観点から、レストランにどのようにしてガストロノミーを取り入れるか考えましょう。
どんなガストロノミーの要素があるかを考える

飛騨牛の霜降りをチューブライトで表現した店舗

まずは、開業しようとしている店舗に、どのようなガストロノミー要素があるかを考えましょう。ガストロノミーは地域性が主体となる要素です。和食や地域食といった、日本ならではの要素を取り入れたメニューを展開することで、ガストロノミーと深い関係が築けます。また、すでに開業している店にガストロノミーを取り入れたい場合も、メニューに地域性が感じられるかを見直してみましょう。
料理に地域性が盛り込める見通しが立ったら、それに合った内装デザインを考えるといいでしょう。内装は料理を引き立てる要素なので、先にメニューの方向性が決まっていると統一感がでます。和を感じるデザインや、和と現代を融合した和モダンデザインは、レストランの内装として人気です。
地域の特徴や風景を活かす

地域の伝統工芸の組子細工をインテリアに採用した焼き鳥店

地域の伝統工芸や特産品などのエッセンスを内装に取り込むことで、ここでしか体験できないガストロノミーを演出できます。地域性がどのようなものかわからず行き詰まったときは、ターゲットとする海外の観光客からどのようなイメージを持たれているかを調べることで方向性が定まることもあります。
また、地域によっては市や自治体などがガストロノミーに関する取り組みを行っている場合もあります。私たちが拠点を置く愛知県では、半田市が半田運河を利用したガストロノミーツーリズムを実施したこともあります。店舗のある自治体がどのような取り組みをしているかを調べてヒントを得るのもおすすめです。
五感を使って体感できる空間をつくる

木曽檜をカウンターに用いた高級寿司店

ガストロノミー体験は、舌だけでなく五感で体感できるとより印象に残ります。食事の香りを楽しむことはもちろん、目で見て地域性を感じられるような食事と内装、自然をイメージできる音などにこだわって空間を作りましょう。
お客様が触れるテーブルや小物などに、地域を感じる素材を使用することもおすすめです。そのような素材がマッチするかを、考えながら地域の特産品などを調べるとアイデアが思い浮かぶかもしれません。
インバウンド客に人気のガストロノミーレストランのデザインのコツ
では、インバウンド客に人気が出るガストロノミーを取り入れたデザインを考えてみましょう。
- 和モダンな空間に仕上げる
- 日本ならではのおもてなしの心とあたたかい雰囲気
- 体格や身長差を考慮してレイアウトする
- 荷物をおくスペースを大きめに取る
これらの4つの観点から、外国人客が呼び込めるデザインを考案します。
和モダンな空間に仕上げる

しゃぶしゃぶやステーキを扱う和風レストランのデザイン

なんといっても外せないのが、日本らしさを感じられるデザインです。海外旅行に行ったときに一番触れたいのは、その国らしい雰囲気や文化です。私たちが見慣れている和風の内装も、海外からきた観光客にとっては日本らしい文化的な空間だと感じてもらえます。
和モダンな空間にすれば、創作料理など完全な和食ではないレストランでも違和感なくマッチするでしょう。不自然なほど誇張した和の雰囲気などは、日本人客の足が遠のいてしまいます。落ち着いた和モダン空間なら、近隣の人も通いやすい空間に仕上がります。
日本ならではのおもてなしの心とあたたかい雰囲気を取り入れる

名古屋の地酒を取り扱う日本酒バーのデザイン

内装のデザインに合わせて、従業員のユニフォームなども和を感じるデザインにすると、空間の統一感がさらにアップします。作務衣は、和食系のレストランや居酒屋でも動きやすく人気です。
メニュー表や食器なども、細部にこだわることで空間のアクセントとなり、ガストロノミーを感じる要素にもなります。特産品の陶器などがある場合は、積極的に取り入れましょう。
体格や身長差を考慮してレイアウトする
ガストロノミーだけでなく、海外の観光客をターゲットにする店舗に言えることですが、体格や身長差を考慮してデザインやレイアウトをすると、来店したときの印象がグッとよくなることがあります。日本人に比べると、とくに欧米系の観光客は背が高くしっかりとした体系の人が多い傾向にあります。
日本人の感覚でレイアウトをしてしまうと、窮屈さを感じさせてしまう可能性があるので、快適に過ごせるスペースを意識してデザインしましょう。特に、天井が高めだと空間も広く見え、圧迫感が薄れます。日本人客にとっても広々とくつろげる空間に感じられるので、注目したいポイントです。
荷物をおくスペースを大きめに取る
海外からの観光客は、大きなスーツケースなどを持って来店することも考えられます。空港からのホテルに向かう間の来店や帰国直前の来店では、大量の荷物を抱えていることもあるので、十分なスペースの確保が大切です。
荷物を預かるスペースを設けたり、テーブルごとの間隔を広めに取ったりすることで、荷物が邪魔にならないように工夫しましょう。
まとめ
ガストロノミーを利用したインバウンド客の取り込み方について解説しました。私たちTOは、海外の観光客をターゲットにした内装デザインも承ります。インバウンドを取り込みたい人は、ぜひお気軽にご相談ください。
和風(和モダン)の店舗をデザイン・施工する場合の考え方と費用、デザイン事例については、下記バナーの特集ページでより詳しく解説しています。私たちTOは、和の伝統を現代に息づかせる和風の店舗デザインを得意としています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。