「客単価もできるだけ向上させたい」という思いは、飲食店を経営している人なら一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。客単価をアップさせるにはメニュー開発やサービスも大切ですが、実は内装のデザインも大きなポイントです。
「どんな店舗デザインが集客につながるか知りたい」「人が集まる店にしたい」と悩んでいる人のために、客単価が向上しやすい店舗づくりのコツをまとめました。新規オープンはもちろん、改装や移転にも役立つポイントを集めましたので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

飲食店は内装の雰囲気で客単価が向上!
飲食店は料理の美味しさはもちろんのこと、店内の雰囲気が集客に大きく影響します。客単価の上がるいい店舗をつくるためには、ブランディングが重要です。どのようにブランディングすればいいかを解説します。
お店に合ったブランディングを
店舗全体をブランディングしようとしたときに、やってしまいがちなのが流行に媚びたデザインです。流行は一時のものにすぎず、今の流行が過ぎ去ってしまうと「遅れたデザイン」になってしまいます。
期間限定の店舗であれば流行に沿ったブランディングでもいいですが、長期的に出店することを考えると得策ではありません。自分の店舗に合った流行に左右されないブランディングを打ち出しましょう。
そのためには、まずなにを一番に売り出したいか、アピールしたいかを考える必要があります。売り出したいものが決まれば、そこから客層やデザインの方向性が決まって店舗ならではのブランディングが確立します。一押しのメニューからターゲットを絞って店舗のプランを固めていきましょう。
ブランディングの中の内装デザイン
内装のデザインは、いわばブランディングの一環です。自分の店舗に集めたいターゲットを決定したら、その層に選ばれやすいデザインを考えていきましょう。
たとえば、20代〜30代の女性をターゲットにするのであれば、明るいイメージの店内でいわゆる映えポイントをつくるのもひとつの方法です。映えポイントといっても流行を追いすぎたものではなく、レンガ調の壁を取り入れるなどさりげなく写真に映えそうなデザインを盛り込むといいでしょう。
内装のデザインは、考案したブランディングを可視化するものでもあります。自分の店舗の売りを店内の雰囲気からも感じ取ってもらえるようなデザインを考えてみましょう。
ブランディングは入店前からはじまる!
客単価を上げたい場合、店舗の外観などから相応の高級感や安すぎない雰囲気をアピールする必要があります。入店前でも店舗の雰囲気が伝わるロゴデザインやサイン計画を考えてみましょう。
お店の雰囲気を物語るロゴデザイン
店舗の情報として、内装よりも先に目に入るのはロゴデザインであることがほとんどです。店舗前はもちろん、サイトやチラシなどにも掲載するので店舗のブランディングにとってかなり重要な要素を担っています。
ロゴデザインと内装のデザインがちぐはぐになってしまっては、お客様も混乱してしまうので、どちらもブランディングの方針を固めてから決めましょう。店舗のイメージカラーを選定しておくと、ロゴにも内装にも使用できて統一感が生まれるのでおすすめです。
人を惹きつけるサイン計画
店外の看板からはじまり、席やトイレなどお客様を誘導する役目をもつサイン計画も入念に行いましょう。特に、看板は店内に入るかどうかを決定するポイントとなります。
- 料理のジャンルはなにか
- なにを売りにしている店なのか
- どのような雰囲気なのか
少なくとも、上記の3つがわかるようなサインを店外に掲示することが望ましいでしょう。看板だけでなくメニューを置く場合には、価格帯がわかるようにするとよりターゲット層に合った集客が見込めます。
日常と店内をつなぐファサード
飲食店をはじめとする店舗は、非日常を味わうための空間にもなり得ます。特に飲食店は、メニューに合わせて異国の雰囲気も取り入れやすく、わくわくする気持ちを盛り上げやすい場合が多いです。
「ここから世界観が変わります」という合図にもなるファサードは、ブランディング計画をふんだんに反映したいポイントといえます。
非日常的な体験の入り口なので、雰囲気たっぷりにつくるのがおすすめです。美味しい料理はもちろん、雰囲気でもお客様を楽しませられるように工夫してみましょう。
客単価がアップする飲食店の内装と雰囲気づくりのポイント
では、考案したブランディングをもとに客単価がアップする内装と雰囲気づくりを考えてみましょう。レイアウトはもちろん、色や照明などの小技も雰囲気づくりには重要です。ぜひ参考にしてみてください。
お店のイメージを明確にする配色
店舗の雰囲気を決定づける要素としてイメージカラーを決めて、それを内装にも取り入れると統一感が出ておしゃれに仕上がります。
落ち着いた雰囲気を全面に出したい場合は、モノトーンやブラウンなどを使用するといいでしょう。しかし、モノトーンは威圧感を与えてしまう可能性もあります。ブラックなどの暗いトーンに寄せすぎないようにしたり、暗いトーンが多めのときは木材などあたたかみのある素材を組み合わせたりすることで、安心できる空間にすると落ち着いて過ごせます。
元気で明るいイメージにしたいときは暖色、爽やかさを出したいときは青や緑系など、店舗のブランディングに合わせてぴったりのイメージカラーを見出しましょう。イメージカラーはロゴマークなどにも使用するカラーなので、後悔のないように決めるようにしましょう。
内装の雰囲気を変える素材の質
内装に使用する素材も雰囲気を変えるポイントになるので、しっかりと吟味したいところです。あたたかみを出したいときに使用する木材も、木の種類によって色や質感、香りまで違います。それぞれの特徴を知った上で、店舗に一番合ったものを選び抜きましょう。
無機質を追求したいなら左官もおすすめです。スタイリッシュな塗り壁や岩のような仕上げなど、ひとくちに左官といっても多彩な表情が楽しめます。このような素材は、内装デザインの中でも見せ場となることが多い傾向にあります。これからを共に歩む気持ちで、最良の素材を探してみましょう。
特別な場所として演出する照明デザイン
照明計画でも雰囲気がガラリと変わります。照明はただ空間を明るく照らすだけでなく、見せたいところに注目させるピンスポットなど、使い方が多岐にわたります。
落ち着いた雰囲気にしたいなら、全体の照明の明るさは落として間接照明をメインにしてもいいでしょう。ものを置くだけでは出せない雰囲気やニュアンスをつくり出せます。
騒がしくならないレイアウト
人をとにかく集めたい場合には、賑やかになりやすいレイアウトでもいいですが、客単価を上げたいときには向きません。
賑やかになりやすいレイアウトとは、席と席の間隔が狭く同じ空間にたくさんの人が滞在できるようなイメージです。客単価をあげたい場合には、席と席の間隔は広めにとって静かに自分たちだけの時間を過ごせるようなレイアウトを心がけましょう。
回転率と客単価のどちらを取るか決める
客単価が上がるとじっくりと食事の時間を楽しむ場合が増えるので、回転率が下がる傾向にあります。回転率と客単価は、経営の形態や提供する料理に合わせていい塩梅を探ることが大切です。
まとめ
客単価を向上させる店舗の内装デザインについて解説しました。わたしたちTOは、客単価の上がる特別な空間をお客様と一緒にデザインいたします。ご希望の雰囲気や理想をぜひお話しください。
