最近では、SDGsを意識したナチュラルな店舗デザインが増えているものの、無機質な店舗デザインに注目が集まっています。店舗をリニューアルする機会があれば、一度は無機質な店舗デザインを検討してみたいですよね。
とはいえ、そもそも無機質とはどんな意味なのか、無機質な店舗デザインを採用するメリットは何かなど、よく分からないこともあるのではありませんか?
今回は、無機質な店舗デザインを採用するメリットなどについて、実際のデザイン実例を挙げて解説していきます。ぜひ、最後まで読んで参考にしてください。
こちらのブログに掲載してある店舗の写真はすべて私たちTOでデザインいたしました。気になる事例がございましたらお気軽にお問い合わせください。
無機質とはどんな意味?有機質との違いは?
インテリア業界での無機質とは、鉱物・金属・岩石・ガラスなど、生命活動とは無関係および生物的な特性を持たない物質のことになります。たとえば、ガラス・コンクリート・金属板・タイルといった素材があります。
一方、無機質とは反対の意味を持つ有機質の代表的な素材は、木です。こちらは、ナチュラルでやさしい雰囲気や自然や大地といったイメージを実現したい場合に向きます。
無機質な店舗デザインの特徴は?
無機質な店舗デザインは、シンプルで落ち着いた「静」のイメージが基本になっています。一方、活動的・躍動的といった「動」のイメージはありません。前述したとおり、無機質な店舗デザインには、ガラス・コンクリート・金属板・タイルなどの生命活動とは関係ない素材を使用するからです。
無機質な店舗デザインは、クール・静寂・高級感といった雰囲気を演出でき、生活感のない仕上がりを希望する場合におすすめです。また、無機質な店舗デザインには、白・黒・グレーのモノトーンカラーがよくマッチします。
無機質な店舗デザインのメリット
無機質な店舗デザインには、以下のようなメリットがあります。
クールで落ち着いたイメージに仕上がる
無機質な店舗デザインを採用すると、クールで落ち着いたイメージに仕上げることが可能です。さらに、白・黒・グレーを基調とした配色では、ハイセンスな印象が強まります。
美容室やカフェなどで採用すれば、自然と落ち着く、イライラが収まって集中できるなどと、顧客に喜ばれることでしょう。雑多でにぎやかな店舗イメージから一新したい場合は、無機質な店舗デザインを検討してみることをおすすめします。
都会的な高級感をアピールできる
無機質な店舗デザインを採用すると、都会的な高級感をアピールできるのもメリットです。無機質な店舗デザインは、シャープで大人っぽい印象を与えます。
たとえば、店舗の客層にハイクラスな中高年層や男性のビジネスマン層を想定している場合などに、おすすめです。
空間が広く見える
空間が広く見えるのも、無機質な店舗デザインを採用すべき理由です。無機質な店舗デザインでは、必要最低限の色数とモチーフで考えていくのが基本になります。
その結果、スッキリとしたイメージに仕上がり、実際よりも空間が広く見えるのです。狭い店舗ならではの圧迫感を解消したい場合にも、大きなメリットといえます。
他店との差別化につながる
無機質な店舗デザインを採用すると、他店との差別化につながることがあります。たとえば、周囲の店舗が有機質な店舗デザインを多く採用している場合は、無機質な店舗デザインが際立ち、他店との違いを強くアピール可能です。
他店との差別化により話題性も高まり、来客数が増加すれば、売り上げアップにもつながります。
無機質な店舗デザインのデメリットも理解しておく
無機質な店舗デザインには、多くのメリットがある一方、デメリットもあります。デメリットもしっかり理解することで、理想の仕上がりとのミスマッチを防ぐことが可能です。
冷たい印象が前面に出過ぎることがある
無機質な店舗デザインは、冷たい印象が前面に出過ぎることがあります。クール・スマート・高級感を演出したい場合でも、目的によって理想の仕上がりが異なるものです。ミスマッチを防ぐためにも、業者とよく相談して細かな仕様を決めましょう。
たとえば、冷たい印象をやわらげるためには、テーブルなどのインテリアに有機質である木を採用するなど、全体のバランスを考えて進めることがおすすめです。
結露や湿気対策が必要
鉱物・金属・岩石・ガラスといった無機質は、店舗の構造や空調システムの位置などによっては、湿気がこもりやすく、結露が発生することがあります。
結露や湿気対策を怠ると、インテリアが傷みやすく、湿度が高くて不快感が増すのもいただけません。また、カビが繁殖する原因にもなるため、結露や湿気対策をきちんと行ってください。
無機質な店舗デザインの事例を3つ紹介
ここでは、私たちTOが実際に手がけた無機質な店舗デザインの事例を3パターンご紹介します。無機質な店舗デザインに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
落ち着きのある雰囲気で差別化した焼き鳥店
居抜き物件を無機質な店舗デザインにてリニューアルし、おしゃれな焼き鳥店に変身させた事例です。周囲の店舗がチープで雑多な印象が多い中で、上手に差別化できました。要所要所で使用した間接照明も、雰囲気のよさを後押ししています。
焼き鳥店といえば、油汚れでベタベタしている、煙っぽいといったイメージが強くなりがちですが、不快さを感じさせず、落ち着きのある雰囲気を演出することができました。

シンプルでおしゃれな空間を実現した美容院
美容院は、理想のおしゃれを実現するための空間であり、センスのよさをいかに表現できるかが重要です。こちらは、ご夫婦で経営中の美容エステサロンと飲食店が併設された店舗ですが、どちらの店舗へのお客様にも高級感のある空間を楽しんでいただきたいとのことでした。
そこで、私どもでのヒアリングの結果を元に、無機質な店舗デザインが最適であると判断し、ご提案したのです。女性がメインターゲットであるため、シャープになり過ぎないよう、ライトグレーやベージュといったやわらかい色をメインに使用しました。

シャープでモダンな雰囲気に変身したスペイン料理店
古い町並みが残る一画にある、スペイン料理店を店舗デザインした実例です。床・壁・天井・カウンター天板・棚といったすべてに無機質の素材を採用し、シャープでモダンな仕上がりを目指しました。
マドリッドの街並みをイメージした天井のデザインが映え、シンプルながらも個性が際立つ仕上がりになり、お客様からの評判も上々です。

まとめ
無機質な店舗デザインは、クール・シャープ・シンプル・都会的・高級感があるといったイメージで仕上げたい場合におすすめです。
ただし、無機質な店舗デザインといっても、理想の仕上がりを実現するには、目的や希望をきちんと業者に伝え、仕様を細かくすり合わせる必要があります。
私どもTOでは、無機質な店舗デザインを数多くお受けしており、ご希望に沿った仕上がりの実現に向けて全力でサポートしています。まずは、私たちに何なりとご相談ください。