ケンドン式(倹飩式)建具ってなに?店舗でも使える建具や間仕切りの方法をお教えいたします!

建築用語VE 建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識

みなさんは倹飩式(ケンドン)という言葉は聞いたことがありますか?倹飩式(ケンドン)とは古くからある建築用語のひとつです。この方法は建具などの扉などの納まりによく用いられている手法です。みなさんがよく知るラーメン屋の出前でラーメンを持ってくるときに使われている「岡持ち」もケンドン式の方法でつくられています。

今回はそんな身近にあるケンドン式について詳しくご説明していきます。また、店舗でも使える建具や間仕切りの方法をあわせてご紹介していきます。「ケンドン式ってなに?」「ケンドン式の使い方を知りたい」とお考えの方は是非最後までご覧ください。

その他、これだけは知っておきたい建築工事の基礎知識についての記事をまとめております。こちらのカテゴリーも是非ご参照ください。

倹飩式(ケンドン)とは?

ケンドン式とは倹飩式(ケンドン)とは、別名「上げ落とし式」とも呼ばれており、その名の通り上下に溝をつくり、板(建具の扉やパネルなど)を上から差込み、下に落とし込むといった手法です。この方法は古くからある建築の手法で和室の障子や格子部分に利用されていることが多いです。

ケンドン式の基本的な寸法は、上に深い溝として15㎜程度下は浅い溝として3㎜程度で構成されていると開閉が可能となります。この手法を覚えることで店舗の建具や間仕切りに活用していくことができます。そこで次に店舗でも使えるケンドン式を用いた建具や間仕切りの方法をお教えいたします!

1.メンテナンス用の小さな開口に落とし込みパネルで活用する!

ケンドン式とは

ケンドン式は、小さな開口を閉じるために落とし込みのパネルとして取り入れることができます。例えばベンチの背面に間接照明がある場合にこの方法を取り入れることができます。まずメンテナンスに必要な開口分をあけ、ケンドン式を用いてパネルで開口をきれいに納めます。

こうすることで間接照明とベンチの背を揃えることができ、真っ直ぐと伸びた間接照明の演出にも役立ちます。また、この方法は他の小さめな収納の扉変わりとしても活用することができます。ぜひ、小さな収納やメンテナンスの開口をお考えの方はこちらを活用してみてください。

2.個室をつくるパネル間仕切り収納に活用する!

ケンドン式パネル落とし込み

同じくケンドン式は、小さいものに限らず間仕切りパーテーションなどの大きなものにも活用することができます。例えば一つの部屋を2つの個室としても使いたい場合は、パネルのパーテーションを取り入れて空間を仕切ることもあるかと思います。

シチュエーションに合わせてパーテーションを取り外しする際にそのパーテーションを収納する方法としてもケンドン式を取り入れることができます。パネル収納だけの用途で収納をつくるのではなく壁に額縁のような枠をケンドン式で設計する事で、インテリアや一部の絵画のように魅せることができます。ぜひ、個室のパーテーション収納にも活用してみてください。

3.その他建具やパーテーションの活用方法

ケンドン式パネル間仕切り

引き違いや欄間下の建具でもケンドン式を活用することができます。また、パーテーションの役割で取り付けられる格子もケンドン式を取り入れて、取り外し可能な格子のパーテーションをつくることも可能となります。ケンドン式は仕組みさえ理解していれば様々なものに適応して取り入れることが可能です。この内容をもとにぜひ、様々な建具やパーテーションに取り入れて見てください。

まとめ

建築用語ケンドン式

今回はケンドン式建具という店舗でも使える建具や間仕切りの方法をご紹介いたしました。ケンドン式は方法を知っておくだけで様々なデザインの建具やパーテーションに活用してできることが増えるので是非本記事を参考に店舗に取り入れてみてください。

株式会社TOは、飲食店やオフィスなど、商業施設の店舗デザインを得意とするデザイン設計事務所です。役に立つデザイン設計事務所をモットーにお客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。何かお困りの際はお気軽にご相談ください。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。