店舗デザインにおける木材活用のポイント!内装でよく使われる木材の特徴とは?

デザイナーインタビュー動画
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皆さまこんにちは。株式会社TO代表の西口です。今回は「木材を使用した店舗デザイン」についてお話します。まず、私は「木(木材建築)」が非常に好きです。木には表情があります。木があると落ち着いたり、温かい気持ちになったり、安心したりします。

また、使う場所、使い方、優しい木目、猛々しいもの、様々な特徴を持っているのことも大きな魅力です。今回は木材を店舗デザインに加える際に抑えるべきポイントについて、実際のデザイン事例をもとにご紹介したいと思います。

木が店舗に与える印象と効果

まずは、木が店舗に与える印象と効果について考えてみしょう。代表的なものを4つにわけて解説します。

①心地良さを生み出す

まず、1つ目は、居心地の良い空間づくりができるということです。 樹種にもよりますが、基本的には、訪れた人々に柔らかな印象を家事ていただくことができ、リラックスした気持ちになっていただけます。

②重厚感や品格を演出

2つ目は、重厚感や品格の高い演出が可能になります。木そのものの表情(木目)が空間に価値を与えてくれます。それの厚みと奥行や高さなど使用の仕方によって、空間に与える価値が変わりますし、そこに訪れた方たちへの付加価値も変わります。

③室内の環境を良くする

3つ目は、室内の環境を良くすることです。建築素材としての木の効果とメリットは様々あります。ざっと5つをあげると、調湿性、断熱性、耐火性、耐震性、化学物質が少ないという点が挙げられます。

④持続可能性

4つ目は、木材の環境面における持続可能な点についてです。たくさんの資源を使用する建築という事業において、環境に対する責任ある対応も重要であると私たちは考えています。

木材は再生可能な資源であり環境に優しい建築材料です。木材は成長過程で大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を固定するため、温室効果ガスの削減に貢献します。

店舗デザインに使用される木材の種類

次に、TOのデザインの中で多く使用する材料について簡単に解説していきます。樹種によって、空間に与える印象の違いを重点的に解説していきます。

空間を和らげ、安らぎを感じる印象を与えるヒノキ

まずは、「ヒノキ」です。檜は和の空間で圧倒的に利用頻度が高い樹種です。お鮨、割烹、など高級な業態で施主様が強く求められたりします。

ヒノキも価格帯は様々で、節がなく、木目が密できれいなものは高く、板目で節やしらたがあるとコストは比較的安く手に入れることができます。木色は、白いのでカウンター材としてはいいですが、壁面などに用いるには少しおとなしい印象がある樹種です。

カッコイイ印象を与えるウォールナットやゼブラウッド

続いては、皆さんよくご存じのウォールナットです。この樹種も板目と柾目で全く表情が異なります。皆さんの印象が強いのはおそらく板目と色合いだと思います。

スタイリッシュで重厚感を出したいときに有効な素材です。これより特徴的な木目で同じような要素を持っているゼブラウッドもおもしろい樹種です。壁面材で使用されることが多いですね。

空間に固く重厚な印象を与えるオーク

3つめは、「オーク」です「ナラ」「ホワイトオーク」「レッドオーク」の3種類からなるオーク素材は、空間に固く重厚な印象を与えます。また、硬くて重く、耐久性があるのが特徴です。長く使い続ける大型家具や強度が必要な床材などに多く使用されています。

落ち着きのある雰囲気を与えるチーク

4つめは「チーク」です。チークは、インダストリアルな雰囲気によく用います。黄金色が経年変化とともに美しい飴色に変わり、チーク特有のツヤ感がでてきます。ヴィンテージ感を出したいお店や、落ち着きのある雰囲気のカフェなどの内装にピッタリな素材です。

上品な雰囲気を作り出すシカモア、トチ

5つ目は、「シカモア」「トチ」です。 この樹種は、杢目(モクメ)が入り、木目が不規則に波打つような模様で、光が当たると、キラキラと反射して立体的に見える特徴があります。この表情がとても上品で、女性的なのでとても柔らかい空間になります。

主な木材の種類は以上になります。木材は、樹種ごとに色味や模様、質感が異なり、見え方が変わります。さらに、価格はもちろんのこと、硬さや耐久性などの性質にも違いがあります。そのため、樹種ごとの特徴を理解し、使用する箇所にあったものを選ぶことが大切です。

木を使ったデザイン事例

最後に、私達が手掛けた木材を用いて店舗デザイン事例を3つご紹介します。

樹齢400年の木曽檜(ヒノキ)のカウンターを用いた寿司店

まずは、樹齢400年の木曽檜(ヒノキ)無垢材のカウンターを用いた寿司店です

ミシュラン掲載店舗のデザイン設計を担当させていただきました。すし屋の格は、カウンターで決まると言われるほど重要です。大将の本物志向の意向をくみ取り、カウンター材は、樹齢400年の木曽ヒノキを採用。この綺麗な整った密な木目が、このヒノキの質の良さを表し、さらにこの店舗の価値となっています。岐阜県の山奥まで選定に行きました。

ミシュラン掲載高級寿司店【すし昇】の店舗デザイン
ミシュラン掲載、2021JCD中部商空間賞銀賞受賞、審査員特別賞受賞【すし昇】 ■デザイン・設計(施工)事例概要 物件名 : すし昇 面積 ...

10mの檜(ヒノキ)のカウンターを用いた鮨店

こちらの店舗も檜なのですが、先ほどの材料とは全く違う作り方がしてあります。何が違うのかというと、コストを考え、無垢材ではなく、突板と言われる丸太をスライスし、単板に張り付けた建材を一枚板に見えるようにデザインしています。業態の単価に合わせ、施主と相談をしながら材料の選定を行って、空間を創ります。

10mのカウンターがある鮨屋【鮨 てんび 赤萩本店】の店舗デザイン
10mのカウンターがある鮨屋 【鮨 てんび 赤萩本店】 ■デザイン・設計(施工)事例概要 物件名 : 鮨 てんび 面積  : 97.5㎡ 客...

マホガニーを使用したスペイン料理店のカウンター

最後に、マホガニーを使用したスペイン料理店のカウンターをご紹介いたします。このマホガニーは西アフリカ産の樹種です。赤みがかった色味が特徴で、渋い印象を空間に与えてくれます。この時は、他の空間パーツがシンプルでしたので、存在感を持たすため、カウンターとセンターのサービステーブルを同じ樹種で統一し、この材料を採用しました。

スペイン料理店【Comedor Kito 】の店舗デザイン
comedor kito (コメドールキトー) 名古屋 四間道(しけみち)のスペイン料理店   ■デザイン・設計(施工)事例概要 物件名 :...

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は木を使った店舗デザインのポイントについて、ご紹介させていただきました。木材や木材建築は人間や環境に与える影響は多方面に及び、多くの利点を提供してくれます。だから私たちは、感覚的にも理論的にも「木(木材建築)」が好きです。木材の利点を最大限に活かした建築を進めています。

今回ご紹介した事例はあくまでも一例です。私たちは、施主様とのお店づくりに際して、施主様と徹底的にお店のデザインを考え抜きます。そのため、これまで対応してきた案件一つ一つにストーリーがあります。私たちと一緒に皆様に愛され、長く続いていくお店を作っていきましょう。

ご相談は無料で対応させていただいておりますので、お気軽にご連絡ください。