組子細工(くみこざいく)とは?日本の伝統工芸である組子細工について店舗デザインの観点からご紹介いたします

建築設計デザインの基礎知識
建築設計デザインの基礎知識

「組子細工(くみこざいく)」は古くから伝わる日本の伝統工芸の一つです。本来は和室の装飾などに使用されてきましたが現在では照明や建具装飾、什器装飾など形を変えて様々な場面で使用されています。今回はそんな古来より愛される「組子細工」の歴史や店舗への取り入れ方などを解説いたします。

「日本の伝統工芸に興味がある」
「店舗に伝統工芸を取り入れて他とは一味違うお店にしたい」
「和風で高級感あるデザインの店舗をつくりたい」

などとお考えの方は是非参考にしてみて下さい。

こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください

組子細工(くみこざいく)とは

組子細工(くみこざいく)とは

釘を使わずに細い木片を組み合わせて、幾何学模様を生み出す伝統技法のことです。主にヒノキや杉など真直ぐに成長する針葉樹の木材が用いられます。細かく引き割った木材に溝や、穴、突起加工してをカンナやノミ、ノコギリ等を用いて一つ一つ組み合わせていきます。

少しのズレにより、木と木の隙間が生まれてしまったり、凹凸や傷がついてしまったりと非常に繊細な技術が求められます。また、ズレを無くすためには木材の良し悪しを見分ける技術も重要となります。

組子細工の歴史

組子細工の歴史

今から1400年程前の飛鳥時代頃から「組子細工」の歴史は始まったとされます。飛鳥時代の「組子細工」は現存する最古の木造建築とされる法隆寺に見ることが出来ます。金堂や五重塔に設けられている手すりには「卍崩し苦組子」という卍を崩した形の文様が施されています。

その後、平安時代になると貴族の住居である寝殿造りの建具に使用されるようになります。そして室町時代に入ると書院造の住居が生まれ、障子や欄間の装飾としても使用されるようになります。

江戸時代に入ると木造建築の需要が高まり、それとともに現在の組子細工に伝わる200種類以上の組子文様々が生み出されました。そして現在に続くまで建具や照明器具、什器の装飾など様々な場面で形を変えて愛され続けています。

組子細工の名称

 組子細工の名称

組子細工は周りを囲む「地組(じぐみ)」「葉っぱ」からなります。

そして「地組」は以下の三種類に思いに分けられます。

・縦桟と横桟を90°に組んだもの(一つの地組が正方形)
・縦桟と横桟を30°に組んだもの(一つの地組がひし形)
・縦桟と横桟を30°に組んだものに、さらに縦桟を組んだもの(一つの地組が正三角形)

また組子の模様は「麻の葉」「胡麻」「桜」など多岐に渡りそれぞれに意味や思いが込められています。

組子細工を取り入れた店舗デザイン

①建具装飾として取り入れる

組子細工を建具装飾として取り入れた店舗デザイン

写真は「麻の葉」模様の組子細工を取り入れた例です。組子細工の後ろから間接照明で照らすことにより文様の陰影が浮き上がり幻想的な空間を演出することが出来ます。 

②空間の間仕切りとして利用

組子細工とは

組子細工は向かい側の様子を見ることが出来るので、間仕切りとして利用することで空間を柔らかく区切ることが出来ます。シンプルな格子や、すりガラスなどでも空間を柔らかく区切ることは出来ますが、組子細工を使用することで、品があり高級感のある雰囲気をつくることが出来ます。

和風(和モダン)の店舗をデザイン・施工する場合の考え方と費用、デザイン事例については、下記バナーの特集ページでより詳しく解説しています。私たちTOは、和の伝統を現代に息づかせる和風の店舗デザインを得意としています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

和モダンデザインが特にな店舗デザイン会社

まとめ

今回は「組子細工」についてご紹介しました。株式会社TOはこの他にも「左官」や「伊勢木綿」など日本の伝統工芸を取り入れた店舗デザインを行っています。そのため今回紹介した以外にも日本の伝統技術を用いて店舗デザインを行いたいとお考えの方は是非ご相談下さい。

株式会社TOは店舗やオフィスなどの商業施設のデザインを多く取り扱っています。「お客様が望まれていること」さらに「お客様のお客様が望まれていること」を実現できるように誠心誠意取り組んで参ります。店舗改装や、新規出店、それ以外のことでも何かお困りのことございましたらご気軽にご相談下さい。皆様の理想を叶えるために尽力させて頂きます。