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コロナ禍で「続けていける店」と「閉店する店」の2極化が進み、街は変わりました。いま、店舗デザインは変革期を迎えています。これまでの「売れる」のみを目的としてきた店づくりから、「在り方」を考え、持続可能を目指す店づくりに変わってきています。私たちは、一過性の流行にとらわれない、長く続けていける店づくりを施主様と共に徹底的に考え抜きます。

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【5分でわかる】景観法とは?建築デザインへの影響をわかりやすく解説します。

店舗外装デザイン設計のポイント
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「店舗を開業しようとしているけど、景観法って気にすべきなのかな?」
「店舗を作るときに関わる景観法を詳しく知りたい」

このように、店舗の開業を考えているけど、店舗デザインに関わる景観法が理解できていないという、オーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、店舗のデザインに関わる景観法についてわかりやすく解説していきます。

景観法と聞くと難しい法律なのかなと思ってしまいますよね。しかし、景観法は法律の中でも理解しやすい法律です。景観法を無視して建物を建ててしまったたりすると裁判沙汰になり、後に後悔することになってしまう可能性が。景観法を守り適切な建物を建てて店舗を開業するためにも、この記事をチェックしてみてください。

景観法とは?

良好な景観作りを促進するために、景観計画とその他の施策をまとめた法律を「景観法」といいます。景観に関する基本法として2004年に制定されました。景観法は主に都市の景観に焦点を当てており、地域の個性に沿った柔軟な規制となっています。

景観法の例

景観法の例

景観法の説明は、少し分かりにくいので京都府を例に考えてみましょう。京都の街並みは、京都の歴史と伝統、文化の特色を出すように定められています。なので、京都市にあるコンビニエンスストアやマクドナルドなど、小売店や飲食店の看板の色は茶色に統一されています。

ファミリーマートの緑色やマクドナルドの赤色など、派手な色は京都市の景観に一致しないということですね。また、日本の市町村によって景観法の適用内容が異なるのも特徴です。

名古屋市だと名古屋城の天守閣から1kmまたは1,5kmの範囲内を「名古屋城眺望景観保全エリア」に指定しており、大規模な建物の建設や屋外広告物に関する制限を設けています。各市町村にある歴史的建造物や街並みによって、建物の高さや外装デザインなどの規制内容が変わるいうことですね。

景観法の景観計画を決める景観行政団体

良好な景観を守る区域や新しく良好な景観を作る区域について、景観計画を定めるのが景観行政団体。具体的には、景観計画区域と景観作りにより強制力を持つ景観地区を定めることができます。景観行政団体は、主に政令指定都市や中核市です。また、政令指定都市や中核市でなくても積極的に景観行政をおこないたい市町村は、都道府県と協議の上で景観行政団体になることができます。

たとえば、愛知県だと半田市やみよし市などです。景観計画の対象と区域を景観計画区域と呼び、景観区域内で建物を建てたり外装を派手にする場合は、事前に景観行政団体の長に届出を出す必要があります。景観行政団体は国土交通省のホームページで確認することができます。

景観法で重要な景観重要建造物と景観重要樹木

景観行政団体は、良好な景観作りで重要となる建造物を景観重要建造物、景観作りで重要となる樹木を景観重要樹木として指定しています。たとえば愛知県名古屋市の景観重要建造物は、以下が現在登録されています。

・文化のみち橦木館
・櫻井家住宅
・旧春田鉄次郎邸
・名古屋陶磁器会館
・文化のみち二葉館
・伊藤家住宅
・日本福音ルーテル復活教会
・鍋屋上野浄水場旧第1ポンプ所
・名古屋市演劇練習館(旧稲葉地配水塔)
・納屋橋
・名古屋市公会堂
・鶴舞公園噴水塔
・鶴舞公園普選壇
・東山給水塔
・名古屋市東山荘門・塀
・黒川樋門
・庄内用水元杁樋門

上記の景観重要建造物の周辺に建物を建てたり、周辺の建物の外装を変更する際は、規制に引っからないかを景観行政団体に確認しておきましょう。

景観計画区域内で制限されていることとは?

景観計画区域では以下のいずれかに当てはまる行為をする場合、事前に行為の種類や場所、設計、または施工方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届出る必要があります。

  1. 建築物の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更
  2. 工作物の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更
  3. 都市計画法第四条第十二項に規定する開発行為その他政令で定める行為
  4. 良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれのある行為として景観計画に従い景観行政団体の条例で定める行為

※都市計画法第四条十二項は、「土地の区画の変更」「土地の形の変更」「土地の質の変更」の3つを定めています。

勝手に外装が金色の飲食店を作ったりしてはいけないということです。上記のどれかに当てはまる場合は、必ず届出なければならないので注意しましょう。届出をしないで開発してしまうと罰則の対象となります。また、届出の変更がある場合は、届出をした者が事前に変更の手続きを景観行政団体の長に届出なければなりません。

参照:景観法第16条1項(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000110_20181116_430AC0000000023&keyword=%E6%99%AF%E8%A6%B3%E6%B3%95

景観地区内の制限とは?

良好な景観作りをする上でより強制力のある地域地区として、景観行政団体は景観地区を定めることができます。景観地区は以下の制限が課せられています。

  • 建築物の形態意匠の制限
  • 建築物の高さの最高限度又は最低限度
  • 壁面の位置の制限
  • 建築物の敷地面積の最低限度

具体的には

  • 景観地区内の建築物の形態意匠は、都市計画に定められた建築物の形態意匠の制限に適合するものでなければならない。(景観法第63条)
  • 景観地区内の工作物について、政令で定める基準に従い、条例でその形態意匠の制限、その高さの最高限度若しくは最低限度又は壁面後退区域における工作物の設置の制限を定めることができる。(景観法第72条)
  • 景観地区内における、開発行為その他政令で定める行為について、政令で定める基準に従い、条例で良好な景観を形成するため必要な規制をすることができる。(景観法第73条)

参照:G-GOV法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000110

景観地区は建物だけでなく工作物や意匠、屋外広告なども規制に含まれます。景観地区では、建物に勝手にキャラクターを付けたり、飲食店でよくみられるカニなどの工作物も取り付けると違反対象となるということですね。届出を出して許可を得られればいいので、事前に届出を出すのを忘れないようにしましょう。

まとめ

この記事では、店舗のデザインに関わる景観法についてわかりやすく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。

  • 景観法は、良好な景観作りを促進するために、景観計画とその他の施策をまとめた法律
  • 京都市の全てのコンビニエンスストアなどが茶色看板になっているのが景観法
  • 景観法は各都道府県や市町村などによって規制が異なる
  • 景観計画を定めるのが主に政令指定都市や中核市の景観行政団体
  • 景観行政団体は、良好な景観作りで重要となる建造物を景観重要建造物、景観作りで重要となる樹木を景観重要樹木として指定できる
  • 景観計画区域より強制力のあるのが景観地区
  • 景観計画地域や景観地区では、事前に行為の種類や場所、設計、または施工方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届出なければならない

景観法は店舗を開業する際に必ず気にしなければならない重要事項です。最悪の場合、罰金対象となったり、建物自体を作り替えなければならなくなる可能性がありでしょう。景観法で罰則や罰金を受けないようにするためにも、上記のポイントを参考にしてみてください。

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