店舗デザインを計画するとき、店舗のコンセプトや商材によっては「自然素材を取り入れてみたい」と考える人もいるでしょう。店舗デザインの内装材、インテリアに自然素材を取り入れることによって顧客に心地よい空間を提供し、エコフレンドリーな印象を与えることができます。
今回は店舗デザインにぜひ活用してほしい自然素材として木材、石材、竹、土の5つを紹介し、それぞれの取り入れ方やポイントについて詳しく解説します。自然素材の特徴をよく知ることによって、失敗なく適切な内装材を選ぶことができますよ。
1. 木材
オーク(ナラ)、ウォールナット(クルミ)、ビーチ(ブナ)など、家具でも人気の木材は店舗デザインの内装材としても有効です。どのような特徴があるのでしょうか。
木材の特徴と利点
木材は温かみがあり、自然な風合いを持つ素材です。さまざまな色や木目があり、加工がしやすいため、どのようなデザインスタイルにも適応できる柔軟さもあります。また、再生可能な資源として環境に優しい点も魅力です。
木材の取り入れ方
- 床材: 木のフローリングは、温かみがあり、家にいるようなリラックスした雰囲気を作り出します。特にカフェ、小売店に適しています。
- 壁面装飾: 木のパネルやスラットを使った壁面は、視覚的に魅力的で、高級感のある雰囲気を演出します。
- 家具・照明器具: 木製の家具は耐久性が高く、長く使うことができるため、経済的です。飲食店のテーブルに採用する場合は、傷やシミに強いコーティング方法にするのがおすすめです。
木材を取り入れるポイント
- メンテナンス: 木材は湿気や傷に弱いため、定期的なメンテナンスが必要です。特に湿気の多い場所や水場では腐食対策が必要になります。
- 適切な用途の選択: 店舗の用途に合わせて、硬さや耐久性の異なる木材を選ぶことが大切です。天然木は経年変化で色が変化します。特に紫外線の影響を受けやすいので、直射日光に注意しましょう。
2. 石材
御影石、大理石、大谷石など、石材は多くの建築物に使用されている天然素材です。複雑な模様と高級感は他の素材では再現できません。ここでは石材について解説します。
石材の特徴と利点
石材は耐久性が高く、洗練された高級感を持つ素材です。硬さの種類も豊富で、色柄や光沢感はさまざまな店舗デザインに対応できるでしょう。
石材の取り入れ方
- カウンタートップ: 大理石や御影石のカウンターは高級感を演出し、ラグジュアリーなブランドイメージを強調します。
- 床材: 石材の床は耐久性が高く、長期間にわたって美しさを保ちます。色も豊富なので、さまざまなインテリアに対応できます。
- 壁面のアクセント: 石材の壁は、空間に重厚感と独特の風合いを加えます。圧迫感を感じさせないように、壁面の一部に使用するのがおすすめです。
石材を取り入れるポイント
- 施工と重量: 石材は重いため、施工には専門的な知識と技術が必要です。建物の構造を熟知した施工業者に依頼しましょう。
- コスト: 高品質の石材は高価ですが、長期的には耐久性が高く、コストパフォーマンスが良いです。床材に採用した場合は、コーティングの定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。
3. 竹
しなやかで丈夫な竹は、近年人気の内装材として採用される天然素材です。すっきりとシンプルな見た目も人気の理由です。
竹の特徴と利点
竹は成長が早く、軽量かつ強靭です。自然な風合いとオリエンタルな雰囲気を持ち、店舗デザインにユニークなタッチを加えます。竹の外側と内側のどちらを使用するかで、見た目の印象が大きく変わることも特徴です。
竹の取り入れ方
- 壁面装飾: 竹を使った壁面パネルは、視覚的にインパクトがあり、自然でオリエンタルな風合いを強調します。またその細さが繊細さを演出します。
- パーテーション: 竹素材のパーテーションは、スペースを区切りながらも明るい開放感を維持します。古くから日本家屋で取りれられている定番の家具です。
竹材を取りれるポイント
- 湿気と割れに注意する: 竹は湿気に弱いため、適切な処理が必要です。繊維方向に割れやすいため配置に注意しましょう。
- メンテナンス: 竹はカビに弱いというデメリットがあります。特に屋外で使用する場合は、劣化を防ぐための対策が必要です。
4. 土(漆喰・左官)
土も店舗デザインに取り入れたいポイントです。土壁や漆喰などは、粘土、砂、藁、石灰などの自然素材を主成分とし、日本の伝統的な建築方法で、古くから住宅や寺院、城郭などに使用されてきました。
特徴と利点
自然素材であるため、環境にも優しく、近年ではエコ建材としても注目されています。また、日本の伝統技術である「左官」と組み合わせることでデザイン性もあります。
取り入れ方
- 土壁: 土は熱を通しにくく、夏は涼しく冬は暖かい環境を作ることができます。
- 左官アート: 職人の技術によって、凝ったデザインも表現できます。独特の美しい質感が生み出されます。
ポイント
- 耐久性とメンテナンス: 土壁は定期的なメンテナンスが必要です。修復においても、左官技術が必要とされます。
- 適切な使用場所: 土は基本的に壁材として使用しましょう。伝統的な土壁や上品な白さがある漆喰壁はお店の雰囲気をぐっとラグジュアリーな雰囲気に変えます。
まとめ
自然素材を上手に取り入れた店舗デザインは、エコフレンドリーで顧客に心地よい空間を提供することができます。木材、石材、竹、土という5つの素材の活用ポイントを知り、用途に応じて適切に選ぶことで、店舗の雰囲気を魅力的に変えることができます。
自然素材の内装材はメンテナンス次第で味わいが増し、長期的に美しい店舗空間を維持することができるでしょう。自然素材を使ったデザインはTOにお任せください。