店舗物件の選び方と契約までの基本的な流れを徹底解説。これだけは抑えておきたいポイントを集めました。

店舗物件の選び方 店舗独立開業のポイント
店舗独立開業のポイント

飲食店など新しくお店をオープンする際に最も重要なのが物件選びです。物件選びは物件の面積、立地、賃料、設備など様々な面で、自分のお店に合った物件を選ぶ必要があります。

この記事では、物件の選び方から契約までの基本的な流れなど、最低限知識として抑えておくべきポイントを簡単に解説します。

まずは店舗コンセプトを明確にする

店舗コンセプトの明確化

物件選びをしていく前にまずは自分のお店のコンセプトを明確にしましょう。具体的には以下のようなポイントを意識してコンセプトを定めてみてください。

  • ターゲットは誰なのか
  • 価格設定はどのくらいなのか
  • ターゲットが集まるエリアはどこなのか
  • どのような雰囲気を作り出したいのか

これらの内容を事前に明確にして外せない物件の条件などを考えておきましょう。そうすることで物件選びがスムーズに進みます。店舗のコンセプトに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。

店舗物件を選ぶ時のチェックポイント

コンセプトを明確にしたら物件選びに移ります。実際に物件を探す際にチェックしておくべきポイントを以下で解説します。

店舗物件の立地

物件選びをする中で最も重要になってくるのが「立地」です。物件の立地はさらにいくつか判断ポイントがあります。物件の立地エリアとして「オフィス街」「住宅街」「商店街」の3つがあります。

オフィス街
会社員のランチタイムや仕事終わりの夜ご飯・居酒屋として需要が高くなります。しかし、休日や大きな連休の時などはなかなかお客様の集客が難しくなります。
住宅街
住民の方々に時期関係なく選んでもらうことができます。しかし、ビジネスマンやOLのランチ、観光客の集客と言う面では集客が難しいです。
商店街
商業施設が集まっているため平日、休日ともに観光客が訪れます。しかし、多くのお店が集まっているため多店舗との競争が激しくなってしまいます。

またエリアだけでなく、店舗の立地には路面店空中店舗があります。「路面店」とは道路に面している店舗で、1階部分にあるので、お客様がお店の外からでも中の様子を見ることができます。

一方「空中店舗」とは2階より上の階にある、もしくは地下にある店舗で、路面店とは違ってお客様が外から中の様子を見ることはできません。どちらの立地にするのかは、自分のお店のコンセプトに合わせて選びましょう。

店舗物件の広さ

物件の広さ

店舗がどれくらいの広さであればいいのかは、どれくらいの客席を設置したいのか、スペースの使い方をどうしたいのかによって考えましょう。お客様を多くいれなくても、少ない客席で広々とスペースを使うことで高級感を出すこともできます。

店舗物件の設備

店舗がスケルトン状態なのか、居抜き状態なのかも物件選びで大切なチェックポイントです。スケルトンの場合、内装などを全て解体した状態なので、1から自分の理想の店舗を作り上げていくことができますが、その分費用も掛かります。

居抜きの場合、内装や設備などを残したままの状態なので内装工事費や設備に費用を掛けなくても済みますが、お店のコンセプトに合わせた内装やレイアウトを作ることが難しくなります。

店舗物件の費用(初期費用)

物件を選ぶ際に一番気になる部分が「費用」だと思います。月々の賃料だけでなく、初期費用についても考慮して選びましょう。店舗物件の初期費用は敷金(保証金)礼金、仲介手数料などが賃貸住宅の費用より高いのが一般的です。

目安として、初期費用は家賃の半年~1年分ほど掛かることがあります。また、立地が好条件であるほど、賃料も高くなります。自分のお店売上目安を考えて、費用を考慮しましょう。

店舗契約までの基本的な流れ

店舗契約までの基本的な流れ

希望に合った物件を見つける

インターネットや出店エリアの不動産会社から希望にあった物件を見つけて問合せをしましょう。問合せをして内見へ進みます。またこの時点で設計事務所やデザイナーと相談しておくことが重要です。可能であれば、内見も一緒に行けたらベストです。

物件を内見する

問合せをしたら、実際に物件の内見(下見)をしましょう。内見の際には、テナント内の様子を確認することはもちろん、建物全体の管理状況などあらかじめチェックすべきことを整理して行きましょう。さらに、設備の配置を想定し採寸や具体的な店舗営業のイメージをしてみることも大切です。

入居の申込み手続き

内見後、物件に問題がなければ、入居の申込み手続きに進みます。物件の立地条件が良いと、他にも同じ店舗を検討している人がいるかもしれません。ですので、じっくり考えることも大切ですが、申し込みまではできるだけスピーディーに行うことをオススメします。

入居審査

入居申込書を預かった不動産業者は貸主に報告を行い、申込書を見て「申込者に物件を貸しても大丈夫かどうか」の入居審査をします。貸主に信頼してもらえるように、十分な資料を提出することをオススメします。ここでも設計事務所やデザイナーと連携して進めましょう

賃貸契約を結ぶ

審査を経て審査合格の連絡を頂いたら、いよいよ賃貸借契約を交わします。契約を交わすまでに、初期費用の準備をし、必ず契約書を隅々まで確認して最終的に署名・捺印をしましょう。

契約書のチェックポイント

テナントの賃貸物件の契約書

契約期間

契約期間は様々で、2年や3年、5年の場合もあります。契約期間が近づいて更新をする時期になると、更新料が発生します

手付金(申込金)保証金の償却

手付金(申込金)保証金の償却とは、解約をする時に保証金がどのくらい返って来るのかという意味です。帰ってくる比率や金額は契約内容は退去時の原状回復の内容によって変わります。

更新手続き、更新の条件、解約事前予告

契約期間の終了が近づいたときに、更新をするかしないかをいつ決めるのか、更新の場合どれくらいの費用がかかるのか、解約をする場合いつまでに報告しておかなければいけないのかという意味です。解約事前予告は半年前が一般的です。

トラブル発生時の対処

雨漏りや害虫など、物件そのものに対処が必要になった場合はどのようにすればいいのか確認しておきましょう。地震、火事が起きた時の対処も確認しておきましょう。

保証人について

物件を契約する際には保証人が必要です。保証人は誰でもいいというわけではなく、保証人が信用できるかどうかによって審査の結果を左右します。

賃貸契約書の専門用語集

賃貸契約書の専門用語集

最後に契約書でよく使われる専門用語について簡単に解説します。店舗物件選びの際にはこれらの用語が頻発します。不動産会社や建築デザイナーとスムーズにやり取りをするためにもこれだけは覚えておきましょう。

敷金(保証金)

賃貸物件を契約する際に貸主に預けるお金で、家賃を滞納していた場合はその補てんに使われたり、原状回復に使われることもあります。保証金は契約終了時に返金されます。

償却

入居の際に支払った敷金や保証金といった初期費用のうち、賃貸物件の退去時に返却されない金銭のことです。ちなみに関西地方では「敷引」とも呼ばれます。

共益費・管理費

家賃とは別に払わなければならない費用で、エレベーターや共有スペースの電気代など、共有部分にかかる費用のことです。

定期借家契約

契約の更新ができない物件のことで、途中で解約することもできません。

手付金(てつけきん)

契約を交わす際に、借主が貸主に保証として渡すお金のことです。

礼金

大家さんに対して、お礼の意味として支払うお金のことです。敷金とは違って退去時に返金されることはありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。店舗物件を契約して、お店を開業するまでには最低限でも今回紹介したことが必要になってきます。契約までスムーズに行うためにはあらかじめしておくべきこと、必要な準備、契約までの流れをしっかり理解しておきましょう。

株式会社TO(ティーオー)は、愛知県に拠点をおくデザイン設計事務所です。物件の契約に関してご不明点があるかたは、一度ご連絡下さい。ご相談いただくお客様の中には、店舗デザインに関わったことがない方もいらっしゃいます。「何から決めればいいか分からない」という方もどうぞご安心ください。

また、物件の契約後の内装デザインの決め方に関してはこちらも記事で詳しく解説しております。こちらの記事もぜひご参照ください。