「飲食店を開業したい」そんな思いを抱いている方も多いと思います。
しかし、飲食店は開業から2年以内には多くのお店が閉店すると言われている実態があります。長く営業を続けるためにも、下準備はとても重要です。
この記事では飲食店の開業に関する大まかな流れと、基本的に必要となる申請作業をわかりやすく端的に紹介します。開業の流れは、順番が重要なのでぜひ押さえておきましょう。
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飲食店開業の流れ
飲食店の開業は、営業したいと思ってすぐ始められるものではありません。ここで重要なのは下準備です。開業するまでには、下準備にしっかり時間をかけていきましょう。
それでは飲食店開業までの流れを説明していきます。
コンセプトを設計する
店舗開業でもっとも重要だといわれるのがコンセプトです。このコンセプトがズレていると、将来営業を続けていくことは難しくなります。
コンセプト作りで大切なのは、個人の感覚だけで決めないことです。7W2Hを使って、細かく設定していきましょう。7W2Hは、以下の表を参考にしてみてください。
Why | 理由や目的 | 何のために開業するのか |
When | 時期やタイミング | いつまでに開業するのか |
Where | 立地 | どのエリア、どんな立地で開業するのか |
Who | 携わる関係者 | 誰がどんな人と開業するのか |
Whom | ターゲット層 | どんなお客様を狙うのか |
What | メニューやサービス | どんなメニュー構成をするのか |
Which | おすすめ商品 | イチ押し、おすすめ商品をどれにするのか |
How | 方法 | どんな営業方法で拡散していくのか |
How much | 予算 | 時間とお金をどのくらいかけるのか |
事業計画を立てる
コンセプトが固まったら、その次は事業計画を立てます。事業計画は事業をどのように運営し、具体的な内容を示す計画書のことです。
事業計画は後ほど紹介する開業資金の調達にも必要なものなので、具体的な数字をしっかり落とし込んでいきましょう。大切なのは売上計画と収支計画です。
売上は
売上を上げるためには、集約、客単価、回転率、稼働率を上げる必要があります。収支計画は収入と支出、借入と返済などを長期的に予測していくもの。飲食店にかかる必要な経費も頭に入れておかなければいけません。
物件を探す
次は飲食店を開業する物件探しです。物件を借りる前に資金調達する方もおられますが、資金調達には物件の情報がないと融資につながりにくくなります。そのため、先に物件を仮押さえをしておく方が有利です。
物件探しは1人で行うこともできますが、可能であれば施工業者と一緒に探す方がいいでしょう。施工業者と同伴すれば、内装工事の度合いもその場で判断できます。メリットも大きいので、施工業者に相談してみるといいでしょう。
開業資金を調達する
物件が決まったら、いよいよ開業資金の調達に入ります。飲食店の開業資金は、約1,000万円かかるともいわれており、莫大な費用が必要です。
ここで重要になってくるのが、下準備で作成した事業計画書。融資元はこの事業計画書を元に融資します。飲食店の開業は、初めのうちは黒字にならないケースもあります。そのため、自己資金として約300万円用意しておくと安心です。
開業資金をなるべく抑えたいという方は、厨房機器をリースや中古品で利用したり、居抜き物件を探したりしてみるといいでしょう。
開業に伴う届出を申請する
最後は、各所に開業に伴う届出を行います。飲食店の業種や雇用体系によっても、必要な届出は異なります。また届出はそれぞれ期限が設けられているので、事前に準備しておくといいでしょう。
飲食店を開業するにあたり必要な申請
飲食店の開業では、さまざまなところに届出を提出しなければいけません。今回ここで挙げている申請は、飲食店の開業に必要なものばかりです。漏れがないようしっかりチェックしていきましょう。
開業届:税務署
個人事業主が開業するときに必要なのが開業届です。開業届は、管轄の税務署に提出します。提出期限は開業日から1ヵ月以内と猶予があるので、忘れないよう提出してください。
飲食店営業許可:保健所
飲食店を開業するときに必ず用意するのが飲食店営業許可書です。飲食店営業許可書は、管轄の保健所で手続き申請をし発行していもらいます。気を付けたいのが届出期間です。店舗が完成する10日前には届出が必要。開業日ではないので注意してください。
防火管理者選任届:消防署
防火管理選任届は、消防署で申請します。こちらの届出は、店舗の収容人数が30人以上の店舗が対象です。届出は、開業日までに行う必要があります
深夜酒類提供飲食店営業開始届書:警察署
飲食店でお酒の提供を考えている方は、深夜酒類提供飲食店営業開始届書の申請も必要になってきます。ただし、深夜0時以降もお酒を提供する場合に限ります。
また、飲食店の開業の中には、お客様を接待するお店を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、風俗営業許可申請の提出も必要です。
いずれも申請場所は警察署です。深夜酒類提供飲食店営業開始届書は営業開始の10日前まで、風俗営業許可申請は約2ヶ月前に提出してください。
従業員を雇う場合は…?
お店の規模や業態によっては、従業員を雇う方もいらっしゃるでしょう。その場合には、3つの手続きが必要になります。
申請手続き | 届出先 | 届出期間 |
労災保険加入 | 労働基準監督署 | 雇用日の翌日~10日以内 |
雇用保険加入 | 公共職業安定所 | |
社会保険加入 | 社会保険事務所 | できるだけ早く |
社会保険加入の手続きは、法人の場合は強制加入になります。個人の場合は任意です。いずれの申請手続きも届出期間が短いので注意してください。
まとめ
飲食店を長く営業するためにも、開業にあてる下準備には十分時間を割いてください。
とくにコンセプト作りと事業計画は、お店を左右する大切なものです。コンセプト作りと事業計画がしっかりしていれば、きっと営業も右肩上がりになるでしょう。
また必要な届出は、各所で期限が異なります。開業日直前はバタバタしますので、事前に準備してスムーズな申請を心がけてください。
株式会社TOでは、店舗の開業・改装・運営に関する補助金の取得補助を行っております。開業・リニューアルの際には、補助金の申請から建物の完成、受給までを一貫してサポートいたします。補助金取得の流れや過去の採択事例に関してはこちらのページをご参照ください。