こんにちは、TOの西口です。今回は、店舗計画を進める際によく起こるトラブルや、注意すべきポイントについてお話しします。計画を進める上で、まず重要なのは全体のスケジュール管理です。
施主様、施工会社、そしてデザイン設計者の3者がしっかりと調整・共有しながら進めることが大切です。これらのポイントを踏まえ、本日は出店や改装をお考えの皆様に役立つ内容をお届けします。
トラブルを防ぐために確認しておくこと3つ
まずは、トラブルを防ぐために事前にしっかり確認しておきたい3つのポイントを解説します。
①全体スケジュール感の共有を徹底する
②出店時の優先順位(予算、イメージ、時間)を明確にする
③完成後の追加項目や補修項目を事前に明確化する
①全体のスケジュール感の共有
計画を進める中で、施主様の希望する日程と、設計・施工に必要な現実的な期間とのすり合わせが重要です。
施工業者が未決定の場合は、施主様とデザイナーが協力してプロジェクトの始まりと終わりについてしっかり認識を共有しておくことが必要です。
施工業者がすでに決まっている場合は、施工業者も含めてスケジュール感を共有することで、関係者全員の足並みがそろい、プロジェクトを円滑に進めることができます。
②出店の際、優先順位(予算、イメージ、時間)の共有
お店を開く際には、予算、時間、そして見た目が大きく関わってきます。
施主様は「予算内で見た目の良いものを早く作りたい」と考えることが多いですが、実際にやりたいことを形にする際、イメージや予想以上にコストがかかるケースがあります。
また、特に改装の場合、テナント側の条件によって予想以上の金額が必要になることや、見た目が希望通りに仕上がらない場合があることも珍しくありません。
こうした問題は、新築の商業施設への出店以外では、ほとんどの案件で大小問わず発生する可能性があることを、事前に理解しておくことが重要です。
このような判断をする際には、 「何を最優先すべきか」 を施主様とデザイナーが明確に共有し、その時点で調整しておく必要があります。
このプロセスを踏むことで、予算、時間、そして仕上がりに関して、完成後にお互いが納得できる結果を得ることができます。
③完成後の追加項目と補修項目の明確化
1つ目と2つ目でしっかりとコミュニケーションが取れていれば、この段階で内容を明確化するのは比較的スムーズです。
しかし、これらのコミュニケーションが不足している場合、この時点でトラブルにつながることもあります。
弊社では、竣工引き渡し時にデザイナー(設計者)と施工業者が施主様へ確認を行い、完成の報告をいたします。その際、以下の項目について内容を報告します:
残工事:事情により未完了となっている工事
補修工事:確認後に手直しが必要な工事
追加工事:計画にない工事が発生し、追加で対応した工事
特に追加工事に関しては、発生したタイミングや内容によっては開店までに急ぎ対応する必要があり、時にはこの段階で金額が未確定の場合もあります。ただし、基本的には金額を確認後に進める工事であり、工事開始時の決定金額から変更が生じた場合に増加する内容です。
追加金額については、施工業者の見積もり内容を基に、施主様、デザイナー(設計者)、施工業者の3者で協議を行い、調整の上で進めます。
店舗計画時にやっておくべきこと5つ
次に、店舗計画時にやっておくといい事を5つ解説します。
①やりたいこと、やろうとしていることを明確に伝える
②テナントを決める前にデザイナーに相談する
③分からないことは気軽に質問する
④デザイナー(設計者)にできるだけ多くの情報を伝える
⑤発言には責任を持つ
①やりたい事、やろうとしている事をはっきり伝える
まず最初に、やりたいことややろうとしていることを、できるだけ具体的に私たちに伝えていただけると良いです。
もちろん、具体的なイメージやターゲットがすでに明確であれば理想的ですが、もしまだ決まっていなくても、大まかな方向性だけでもお聞かせいただければ問題ありません。
私たちは、打ち合わせを通じてその方向性をさらに明確にしていくお手伝いをします。すべてを最初から決めた状態で相談や問い合わせをするのは、なかなか難しいことですので、その点は安心して私たちに頼っていただければと思います。
②テナントを決める前にデザイナーに相談する
店舗出店に慣れていない方は、テナントの場所を決める前にデザイナーに相談されることをおすすめします。
契約後に「なぜこの場所に決めたのですか?」と施主様が疑問を持たれるケースも時々見受けられます。もちろん、しっかりとした考えがあっての決定であれば問題ありませんが、やりたいことよりも条件を優先して場所を選んでしまうと、うまくいかないことが多いです。
そのため、場所決定の際には、ぜひ私たちを活用していただくことが安全で確実な選択です。
また、私が路面店の場合に必ず行うのは、その物件の前に立ち、道路側を数分間観察することです。
通行人と目が合う頻度を確認することで、その物件がどれだけの存在感を持っているかを見極めることができます。興味がある方は、一度試してみると面白い発見があるかもしれません。
③分からないことは聞く
特に初めて出店される方は、分からないことが多いかと思います。もちろん、ネットで調べることもできますが、情報には限界があります。そこで、同業者や関連業者、そして私たちデザイナーにどんどん質問してください。
分からないことを解決することで、成功の確率は大きく高まります。大切なのは、一人で悩まず、無理に進めないこと。ぜひ私たちを頼りにしてください。
④デザイナー(設計者)にできるだけ情報を伝える
やりたいこと、イメージ、予算、使いたい業者、出店に関する悩みなど、何でも気軽にお伝えください。出店に直接関係することでも、そうでないことでも構いません。
正解や不正解を気にする必要はありません。私たちは、施主様の「やりたい」を形にするためにいます。情報が多ければ多いほど、私たちもより良い提案やサポートができるのです。
お問い合わせの中で、話が進むうちに身の上相談のようになってしまうこともありますが、それも大歓迎です。そんなやり取りを重ねることで、お互いの信頼関係が深まると思いますので、ぜひ気軽に相談してください。
⑤発言には責任を持つ
計画を進める上で、最終的な決断を下すのは施主様である「あなた」の役割です。私たちデザイナー(設計者)は、施主様から委託を受け、プロジェクトを進行させますが、施主様の確認と承認がなければ次の段階に進むことはできません。
そのため、決断する際には責任を持ってください。それは経験の有無や知識の多寡に関わらず、施主様という立場をしっかり理解し、自覚を持っていただくことが大切です。
時々、私たちに責任を転嫁される施主様もいらっしゃいます。しかし、私たちは施主様のご期待以上の成果を提供するために、全力を尽くしています。責任を持ってプロジェクトを進めるのはもちろんですが、私たちが動けるのは施主様がいてこそです。
お店の計画は、施主様の発信、発言、そして承認によってのみ進行します。この「覚悟」を持っていただくことで、プロジェクトは必ず成功へと向かうと信じています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回お伝えしたトラブルになりやすい部分や注意点について、参考になる箇所はありましたか?
私たちは施主様とのお店づくりにおいて、デザインや機能を徹底的に考え抜き、一つひとつの案件にストーリーを込めています。一緒に皆様に愛され、長く続くお店を作っていきましょう!
ご相談は無料ですので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。