飲食店の中でも特に店舗数が多く競争が激しいラーメン店。人が集まるラーメン店を作るためには、味はもちろんですが、店舗デザインにも気を配る必要性があります。
本記事では、競合が多い中でも店舗デザインとコンセプト設計によってお店に付加価値を付け、集客力を上げるコツを解説します。
ラーメン店の集客力を上げるポイント
最初にラーメン店の集客率を上げるポイントを3つご紹介します。これからご紹介する3つのポイントはラーメン店を設計する中で最重要ポイントとなります。建築デザイナーに任せきりにするのではなく、デザインを依頼する依頼主様もしっかり抑えておきましょう。
コンセプト
お店の内装を考えていく上でとても大事なのはコンセプトを初めに明確にしておくことです。ターゲットは誰なのか、価格帯はどのくらいなのか、どんな雰囲気を出したいのかなどのコンセプトに合わせてお店の内装デザインを考えましょう。
回転率
お店の集客力を上げるためのポイントは、味以外に「回転率」を上げることがとても大切です。お店の回転率を上げることで得られる効果はたくさんあります。単純に売り上げが伸びること、口コミが増えること、ファンができることなどがあります。
快適性
集客率を上げるポイントとして大切なのは、お客様にとって快適性を感じられる空間にすることです。先程述べましたが、回転率を上げるために、従業員が働きやすい空間作りに力を入れてしまいがちですが、絶対に忘れてはいけないことは、お客様にとってもお店が快適であることです。
ラーメン店の店舗デザインポイント
ラーメン店で大切なのは先ほども述べましたが、概念的な考え方であるコンセプト以外で重要なポイントは「回転率」と「快適性」です。回転率を上げるためには従業員が働きやすい空間の使い方、客席の数、そして調理しやすいキッチンであることが重要です。以下一つずつポイントを解説していきます。
ラーメン店の客席
お客様の数を増やすために、客席をできるだけ多く設置すればいいと考えてしまいがちですが、客席の数を増やせばお客様も増えて売上に繋がるとは限りません。では、具体的にどのような客席がいいのでしょうか。
ゆとりのある座席
全体の客席の数ですが、多ければ多いほど売り上げが伸びるとは限りません。その分ホールスタッフの人員も増やす必要があり、お店の空間としても窮屈に感じてしまうこともあります。目安としては1坪あたり2席を設置しましょう。
また、席のタイプですが、ターゲットが誰かによって変える必要があります。ファミリーをターゲットにするのであれば4人掛けテーブル席を多めに設置し、反対に会社員などの一人客、二人客をターゲットにするのであればカウンター席を増やすなど工夫しましょう。
カウンターの設置
カウンターは多くのラーメン店で使用されています。カウンターを設置することで、お客様への料理提供や食べ終わった後のお皿の片付けに時間をかけず厨房から行うことができます。
つまりカウンターの設置が回転率の速さに繋がるということです。また、ラーメン店には一人で来るお客様も多いため、カウンター席があることで無駄な空席を減らすことができます。
ラーメン店のキッチン
スピードが求められるラーメン店の内装デザインではキッチンの作りも重要です。調理がしやすいキッチンの作りとはどのようなキッチンなのでしょうか。
ゆとりのある厨房
ゆとりのある厨房とは、従業員が動きやすい十分なスペース、水回りなど十分に整備されている状態であることが望ましいです。ラーメン店を含む飲食店では特に水を使うことが多いので、水回りの動きやすさを考えてレイアウトを考えましょう。
特にラーメン店だと、麺を茹でてスープを入れる、最後にトッピングをするというように調理の流れが同じパターンであるので、流れにそった厨房内のレイアウトにしておくとスムーズに調理ができます。その他別のメニュー提供があれば、上の動線とは別の部分で調理ができるようにスペースを使いましょう。
オープンキッチン
キッチンの種類は2パターンあって、客席から見える「オープンキッチン」と客席から見えない「クローズドキッチン」です。ラーメン店では多くの場合、オープンキッチンが使われています。
熱々のラーメンをゆで上げて水を切る様子や、スープの香りをよりお客様に近い所で魅せることで、視覚的にお客様を楽しませることができます。しかし、オープンキッチンはいい匂いだけでなく生ごみの異臭なども客席にまわりやすくなってしまうので、ゴミ箱の位置やお皿洗いの位置は客席から離すなどの工夫をしましょう。
ラーメン店で快適性を保つコツ
従業員だけでなくお店に訪れたお客様にとって快適な空間を保つためのコツを解説します。快適な空間をつくことでお客様の満足度があがりリピーターに繋がります。お客様の数が勝負のラーメン店では、リピーター(目的客)の確保も非常に重要です。
床の素材
ラーメン店では、お湯や油が散ることによって床が滑りやすく汚れもたまりやすくなってしまいます。そのため、店舗デザインを考える時には防水性が高く掃除をしやすい床の素材を選びましょう。
ラーメン店におすすめの床材は「ウレタン樹脂系床材」か「無機質系硬質塗床材」です。こういった素材はフラットで滑りにくく、また防水性や耐酸性も高いことが特徴です。
券売機の設置
ラーメン店に券売機を設置することで得られるメリットは様々です。
最も大きなメリットと言えることが、券売機を設置することで忙しい時間に一人スタッフが会計に回らなくてもいいということがあります。先に食券を購入しておくことで、お客様も食事を終えてお店をスムーズに出ることができます。
券売機を設置することで従業員が直接お金に触れることがなくなります。特に現在は新型コロナウイルスの蔓延により、お客様と従業員が直接お金を手で渡すことは、感染を防ぐためにはあまりよくないことです。お客様にとっても券売機で食券を購入することは衛生面への安心感に繋がります。
ランチ時間などの忙しい時間帯の会計時には、お客様からの預かり金を間違えたり、お釣りの額を間違えることも増えてしまいます。しかし、券売機を設置することで忙しい時間帯でもそういったミスはゼロになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ラーメン店の集客力を上げるコツ、店舗デザインのポイントを紹介しました。ラーメン店の集客率を上げるためのポイントは、コンセプトを明確にすること、回転率を上げること、快適性を保つことです。
株式会社TO(ティーオー)は、飲食店の店舗デザインを得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。
ご相談いただくお客様の中には、店舗デザインに関わったことがない方も多くいらっしゃいますので、「要望の伝え方がわからない」という方も安心してご相談ください。みなさまからのお問い合わせを、心よりお待ちしております。