「飲食店を開業しようと考えているけど空調はどれを選べばいいんだろう」
「飲食店に使用される空調のメリット・デメリットなどを知りたい」
このように、飲食店の空調の選び方について、詳しく知りたいと考えているオーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、飲食店の店舗デザインで使用される空調の種類からメリット・デメリットまでを詳しく解説していきます。
空調は、お店を運営する上で欠かせない重要な部分。なにも考えずに空調を設置してしまうと、居心地の悪いお店になってしまう可能性があります。快適な空間を作り出すためにも、ポイントをしっかり抑えましょう。
こちらの記事では、店舗の居心地について詳しく解説しています。快適な空間を作り出すために、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
なぜ店舗デザインで空調の種類にこだわるべきなのか
店舗デザインで空調の種類にこだわるべき理由は以下3つです。
- お店の集客を左右するため
- お店の印象に関わるため
- スタッフの生産性に関わるため
上記3つの理由を理解することで、飲食店での空調の重要さが見えてきます。それでは、詳しく解説していきます。
お店の集客を左右するため
お店で利益を出していくには、集客力が重要なポイントです。店内の温度が快適でないと、リピーターのお客さまが付かず、集客に苦しむ可能性が高くなります。また、近年では感染防止対策で、換気能力が高い空調設備が求められています。集客力をあげていくには、適切な種類の空調を設置する必要があります。
お店の印象に関わるため
業務用の空調はさまざまな種類があり、空調の種類によってお店の印象が大きく変わります。天井や壁から出っ張っているタイプの空調は、内装のデザインに合っていないと、浮いてしまうでしょう。内装に統一感を持たせるためにも、空調を考慮した店舗デザインを考える必要があります。
スタッフの生産性に関わるため
店内の温度は、働くスタッフの生産性にも影響します。店内が暑すぎたり寒すぎたりすると、集中力に影響を及ぼします。業務ひとつひとつがおろそかになってしまい、料理のクオリティーが下がったり、効率のよい業務の進め方ができない、なんてことにつながる可能性があります。従業員がベストパフォーマンスを発揮するためにも、最適な空調を選ぶ必要があります。
業務用の空調の種類
業務用の空調の種類は主に以下4つです。
- 天井埋め込み形の空調
- ダクト型・ビルトイン型の空調
- 簡易取り付け形の空調
- 床置形の空調
業務用の空調の種類とメリット・デメリットを知ることにより、どの空調が開業する店舗のデザインに合致するかが、わかるようになるでしょう。これから解説していく内容を参考にして、候補を絞ってみてください。
①天井埋め込み形の空調(天カセ)
業務用で一番使用されているのが、天井埋め込み形の空調。天井に埋め込まれているため、スッキリとした印象を与え、内装のデザインに影響を及ぼしにくいのが特徴です。天井埋め込み形の空調は、これから紹介する3種類に分けられます。
4方向吹出型
四角形の4辺に吹出し口がついてるタイプ。小型なので天井の照明やデザインでスペースがない飲食店に向いています。天井埋め込みタイプの中では、一番の空調効率を誇ります。購入費用と修理費用が高くついてしまうのが、デメリットでしょう。
2方向吹出型
吹出し口が前後に2つついてるタイプ。蛍光灯などの照明のラインときれいに調和し、間取りが細長い飲食店に向いています。4方向形と比べて風力に劣り、メーカーによって大きさが異なるため、事前の確認が必要です。
1方向形
吹出し口が1つのタイプ。下り天井や隅にしか空調を配置できない厨房などに向いています。風力は4方向・2方向より劣り風が偏りやすいです。2方向と同じくメーカーによって大きさが異なるため、注意が必要です。
②ダクト形・ビルトイン形の空調
室内機を天井内に収め、ダクトで吹出し口を分岐するタイプ。吹出し口を自由に設置できるため、店舗デザインに合わせた最適な空調環境を作り出すことができます。部材や工事費用が比較的高めで、天井の内部の状態によっては施工不可能な場合があります。
③簡易取り付け形の空調
一般的な多くの家庭に使用されているのが、簡易取り付け型の空調。空調機器が出っ張るため、内装デザインに影響を及ぼしやすいです。価格が比較的安く、設置やメンテナンスが簡単なのがメリットでしょう。簡易取り付け形の空調は「壁掛け形」と「天井吊り形」の2つに分けられます。
壁掛け型
一般的な家庭で多く設置されているのが、壁掛け形。いわゆるエアコンです。工事費用やランニングコストも安価で、メンテナンスも簡単なためコストパフォーマンスが高いです。天井に設置するタイプより温度にムラが出やすく、配管が露出されるので隠す必要があります。
天井吊り型
天井に本体を設置するたタイプ。天井埋め込みができない飲食店に向いています。高天井などの空間にも対応できる製品が多いのも特徴です。設置工事やメンテナンスも簡単ですが、配管が露出されるので、店舗デザインに影響を及ぼしやすいでしょう。
④床置型の空調
床に置いて設置するのが床置型タイプ。間取りが広く暖房効果を高めたい飲食店に向いているでしょう。設置がどの空調よりも簡単で工事費用が安く、メンテナンスもしやすいです。床置きになるため、ある程度のスペースをが必要になり、メーカーによって大きさが異なるので、事前に確認しておく必要があります。
店舗デザインで空調を選ぶ際のポイント
業務用の空調を選ぶ際のポイントは以下3つです。
- 空調の馬力
- 空調の省エネ効果
- 内装デザインと合っているか
上記3つのポイントを必ず考慮して空調を選ぶようにしましょう。空調選びでの失敗を防ぐための重要なポイントです。それでは、詳しくみていきましょう。
空調の馬力
店内の全体をカバーできる威力があるかどうかが重要です。店内の広さに対して、威力が弱いと最大の出力で稼働し続けることになり、電気代がかさんでしまいまいます。また、店舗のデザイン(窓が多い・大きいや入口が開放されているなど)によっても、必要な空調の馬力は変わってきます。
店舗の広さとデザインを考慮して、空調の馬力を決める必要があるでしょう。わからない場合は、デザイン事務所のデザイナーに相談してみてください。
空調の省エネ効果
電気代を抑えるためには、空調の省エネ性に焦点を当てる必要があります。最近の空調は、省エネ効果を高める機能が備わっているため、安心して設置できるでしょう。
しかし、居抜き物件で、元から設置されていた空調は注意が必要です。設置から10年以上経っている空調は、劣化していたり省エネ機能がない場合があります。事前に確認をして、買い替えも視野に入れておくといいでしょう。
内装デザインと合っているか
例えば、内装の壁に絵を描いているデザインに対して、壁掛け形の空調が設置されていると、違和感をお客さまに与えてしまうでしょう。
違和感を与えないためにも、内装のデザインに対して、最適な種類の空調を選ぶ必要があります。店舗デザインのデザイナーと相談しながら、どの空調が理想の内装デザインに影響しないかを考えて、選んでみるといいでしょう。
株式会社TO(ティーオー)は、これまで様々な業態の飲食店様のデザインを承って参りました。私たちのデザインしたデザイン事例はこちらのページをご参照ください。
まとめ
この記事では、飲食店の店舗デザインで使用される空調の種類からメリット・デメリットまでを詳しく解説してきました。飲食店の空調は、さまざまな事情を考慮して選ぶ必要があります。空調選びで失敗しないためにも、ポイントを参考にして店舗デザインに活かしてみてください。
私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。私たちTOのデザインの強みに関しましては、こちらのページにて詳しく解説しています。ぜひこちらもわせてご参照ください。