【業種別】飲食店の内装工事と主な設備工事の費用相場|見積もり時のポイントを徹底解説します。

店舗テーブルデザイン 飲食店の店舗デザイン
飲食店の店舗デザイン

飲食店の開業、リニューアルをする際の内装工事や設備工事の費用相場は、同じ飲食店でも業種によって大きく変わってきます。この記事では業種ごとの費用相場や見積もりをする時のポイントを解説します。

また、基礎となる坪単価や施工費など店舗設計の費用区分に関しましては、こちらの記事でも詳しく解説しています。費用相場と合わせて、ぜひこちらもご参照ください。

飲食店の内装工事費用の内訳

まずは大まかな内訳から解説いたします。飲食店の内装工事にかかる費用の内訳は以下のとおりです。ただし、こちらでご紹介している相場観はあくまで一般的な目安をもとにした大まかな相場になります。

実際の相場は、皆様が開業やリニューアルを予定されている飲食店の業態、建物の状態、立地など様々な要素により大きく異なります。現実的な費用感を知るには、まずはデザイン設計事務所に相談しましょう。

デザイン設計事務所のデザイナーは、皆様のお店に合わせたプランをいくつか提示してくれます。もちろん、私たちTOにもお気軽にご相談ください。まずはじっくりヒアリングさせて頂いた上で、施主様にご満足いただけるプランをご提案させていただきます。

デザイン・設計費用

デザイン・設計費用

店舗設計では、デザイン設計と工事(施工)を別々の会社に依頼する場合と、同一の会社に依頼する場合があります。別々に依頼する場合、デザイン設計費用の費用相場は工事総費用の10~15%ほどになります。

ただし、たいていの設計事務所は、案件の最小費用として、数十万と設定しているところがほとんどです。小規模案件に対して、各設計事務所はたいてい物件規模にかかわらず最小設計料を決めているところが多いので、事前にその確認を取ることをお勧めします。

内装工事費用

内装工事費用

飲食店の場合、空きテナントを利用する場合の内装工事費用は、坪単価で30~80万円が相場です。振り幅が大きく相場を提示することが難しいですね。中央値は坪単価55万円になります。ただし、前述のとおり業種ごとによっても変わりますので、後ほど詳しく解説します。

厨房工事費用

厨房工事費用

飲食店の場合、内装工事費用の中でも、厨房工事費用が極めて大きな割合を占めますので、分けて解説します。厨房の工事費用は、総費用の40%ほどを占める場合もあります。業種によって設備が変わるので、おおまかに30~300万円が相場です。(案件の規模によって、桁が変わる場合があります。ただし、通常20坪から40坪以内であれば、特別なことをしない限り、この金額程度だと思います。)

以下、厨房工事費用に関わる主な設備工事の費用相場を解説します。

ガス工事

飲食店用にガスが引かれている店舗の場合、ガス工事の費用相場は30~40万円程度です。一方でテナントビルの場合、1本の供給管から各テナントにガスが割り当てられています。この割り当てで容量が足りない場合、本管からの引き込み管を交換する工事が必要になるので工事費用が高額になることがあります。

電気工事

電気工事の費用相場は80~120万円程度です。工事内容としては、配線工事や容量が足りないときの幹線引き込み工事などがあります。幹線引き込み工事は上記の相場とは別途費用が必要になります。焼肉店や居酒屋など大量に電力を必要とする店舗の場合幹線引き込み工事が必要のなることがあります。(ただし、これに照明器具は含みません)

給排水工事

スケルトン物件の場合、新たに水道管や排水設備を整える必要があります。水道工事の費用相場は、60~120万円程度です。水道管や排水設備を厨房に引き入れるためにかかる費用になります。飲食店では水回りが必ず必要なので、どうしても費用が高くかかってしまう部分になります。

空調換気工事

ダクト工事の費用相場は80万円~120万円程度になります。(規模と業態により大幅に変わりますので、ご注意を)ダクトには「空調ダクト」「排気/換気ダクト」「厨房ダクト」「排煙ダクト」があります。厨房の換気だけでなく、お客様が食事をする場所の換気も大切です。特に焼肉店やラーメン店、中華料理店などの業態では強い匂いがこもりやすいので、業種転換の際などに改めてダクトを整備する必要があります。

飲食店の内装工事の費用相場

飲食店の内装工事の費用相場

先程申し上げたとおり、飲食店の内装工事の費用相場は坪単価30~80万円ほどです。しかし、物件の状態や業種によってその費用は変わってきます。ここからは費用が変動する要因と業種ごとの主な相場を解説します。

スケルトンか居抜きかで費用は大きく変わる

まず抑えておかなければならないポイントは、内装工事費用は、居抜き物件かスケルトン物件かで大きく変わるということです。

居抜き物件とは、以前の借主が退去時に家具などの内装や設備を残してそのまま退去した状態の物件です。そのため、大きな工事を行う必要がなく、比較的費用を抑えることができます。ただし、以前のテナントから業種が変わる場合や建物が老朽化している場合などは、リニューアルの費用が必要になります。

一方、スケルトン物件とは、退去時に店内設備や内装を除去し、天井・壁・床を全てはがした状態の物件です。そのため、居抜き物件より内装工事にかかる費用は高くなります。しかし、ゼロから店舗設計をすることで、設計の自由度が高く、理想に近い店舗作りを実現することができます。

業種別の費用相場

実際に業種ごとの費用相場をご紹介します。繰り返しになりますが、あくまで大まかな相場観となります。一つの目安として、コスト重視でとにかく安く納めたい費用感と、デザイン性と機能性を兼ね備えたこだわりのお店の店舗の間くらいの金額をご紹介します。

他のサイトによっては、こちらでご紹介している相場よりも安くしているサイトもありますが、店舗デザインに長年関わってきた観点からすると、坪単価20万以下で店舗を計画された場合、高い確率で満足がいく店舗はできない、といっても過言では無いでしょう。

居抜き物件の場合(高級ではない)

業種 費用相場(坪単価)
カフェ 15~25万
レストラン 20~40万
和食店 30~50万
焼肉店 50万~

スケルトン物件の場合(高級ではない)

業種 費用相場(坪単価)
カフェ 30~50万
レストラン 50~80万
和食店 60~80万
焼肉店 80万~

飲食店の内装工事見積もり時のポイント

飲食店の内装工事見積もり時のポイント

最後に、飲食店の内装工事の見積もりの際のポイントをいくつか解説します。見積もりの前にこれらの知識を抑えておけば、スムーズに設計事務所とご相談いただけると思います。

ある程度の予算を決めておく

自分のお店の設備や内装工事にどのくらい費用がかかるのか、ある程度予測して予算も決めておきましょう。また、決めた予算をお店のどの部分に費用をかけるべきか考えておきましょう。また、ターゲットとする客層や客単価を決めて、予算とともにデザイナーに伝えましょう。

デザイナーは予算を聞いて、実現可能なプランを提案します。また、予算を増やせるように補助金や融資などの資金繰りのアドバイスもしてくれます。予算や資金繰りに関しても真摯に対応してくれるデザイナーを選ぶようにしましょう。

株式会社TOでは、店舗の開業・改装・運営に関する補助金の取得補助を行っております。開業・リニューアルの際には、補助金の申請から建物の完成、受給までを一貫してサポートいたします。補助金取得の流れや過去の採択事例に関してはこちらのページをご参照ください。

ローンを組めないことが多い

内装工事費用は、基本的にローンを組むことができず、現金払いになることが多いです。現金払いが厳しい場合は、日本政策金融公庫や金融機関から融資を受けることができます。また、銀行から融資を受ける場合には事業計画も重視されるので、売上計画や返済計画も示しておくと良いでしょう。

分業と一貫対応の最終的な予算はあまり変わらない

一貫対応より分業のほうが高くなると思われがちですが、一部の設計施工会社で謳われている「設計施工の一貫対応は無駄がコストや手間がかからない」という考えは必ずしも正しいとは言えません。

一貫体制の会社では、デザイン費用を施工費用の中に加算して提示していることが多く、最終的な費用はあまり変わりません。分業の場合、デザイナーが施工業者を「入札」という手法で選ぶため、結果的にコストを抑えられる場合もあります。

デザインと施工の分業、一貫体制の違いについては、こちらのページでも詳しく解説しています。ぜひこちらもわせてご参照ください。

まとめ

内装工事の費用

いかがでしたでしょうか。内装工事の費用は、物件の状態や業種によって大きく変わってきます。また店舗の内装工事には高い費用がかかるため、相場を知っておくことがとても大切です。自分のお店の予算に合わせて工事内容、予算の配分を考えましょう。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。お客様と「持続可能なお店」を作り上げることをミッションとして、店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。

私たちのデザインしたデザイン事例はこちらのページをご参照ください。