飲食店の開業を計画する中で、厨房設備の費用と入手手段について、悩まれているオーナーの方は多いのではないでしょうか。飲食店の心臓となる厨房設備の適当に揃えてしまうと、設備の不足や不調などで開業後に後悔することになってしまう可能性があります。
この記事では、厨房設備の費用相場から、厨房設備の最適な入手方法を解説していきます。万全な状態でお店を開業し、開業後に後悔しないためにも、ポイントをしっかり抑えましょう。
また、こちらの記事では飲食店の内装工事費用の相場観を詳しく解説しています。厨房だけではなく、全体の費用感を抑えるためにもぜひこちらも合わせてご参照ください。
飲食店の厨房設備にかかる費用相場
飲食店の厨房設備にかかる費用相場は、業態やお店の大きさ、メーカーによって大きく変わります。一般的な費用相場は以下のとおりです。
全て新品で揃えた場合 | 500万円以上 |
中古品や居抜き物件の備え付けを活用する場合 | 100万円〜300万円程度 |
リースを組み合わせて揃える場合 | 100万円程度 |
ただし、前述の通り、実際の相場は、皆様が開業やリニューアルを予定されている飲食店の業態、建物の状態など様々な要素により大きく異なります。実際の費用感を知るには、お店の構想段階からデザイン設計事務所に相談しましょう。もちろん、私たちTOにもお気軽にご相談ください。
開業資金に余裕がない場合、厨房設備を全て新品で揃えることは難しいと思います。新品で揃える場合、20坪・スケルトン物件のレストランの厨房設備にかかる費用が300万前後になりますので、飲食店全体の相場感は、300万円〜500万円ほどと、見積もっておくといいかもしれません。(ただし、こだわり方によってかなりの差が生まれます。)
初期費用を最大限に抑えたいのであれば、居抜き物件の備え付けを活用する、中古品を使う、リースを使うなどの工夫が必要です。しかし、居抜き物件の備え付けと中古品、リースを使用する際は、気をつけなければならないポイントがあります。次章以降で詳しく解説して参ります。
飲食店に必要な厨房設備
飲食店に必要な厨房機器は、主に「機械系の厨房設備」と「その他厨房設備」に分かれます。それでは、詳しくみていきましょう。
機械系の厨房設備
機械系の厨房設備は、業務用冷凍庫や業務用冷蔵庫、スチコン、製氷機、オーブン、電子レンジなど電気を使用して動かす設備機器になります。基本的には、機械系の厨房設備が費用の大部分を占めます。また、初期導入費用だけではなく、定期的なメンテナンスや故障の修繕などでランディングコストがかかります。
その他厨房設備
その他厨房設備は、シンクや調理台、戸棚、調理器具など電気を必要としないモノのことを指します。基本的には素材はステンレスで、金額もそれほどかかりません。実際新品と中古も大きく差が出るというわけではないので、そこまで気にしなくてもいいと思います。ただし、予算がタイトだという方は極力中古で探されてもいいと思います。
飲食店の厨房設備の入手方法
飲食店の厨房設備の入手方法は以下の4つです。
- 新品を購入する
- 中古品を購入する
- 居抜き物件を活用する
- リースを活用する
上記4つの入手方法は、それぞれメリット・デメリットと注意点があります。それでは、これから詳しく解説していきます。
①新品を購入する
新品を購入するメリットは、メーカーのアフターフォローと保証がしっかりしていることでしょう。万が一故障の対応にも困ることがありません。価格が高いことがデメリットとして挙げられますが、よく使用する重要な厨房設備を新品にするのは、長期的に考えると安心です。ただし、新品を購入する際は、メンテナンスと保証期間を確認することが重要です。
②中古を購入する
いいモノを安く揃えるには、中古品もおすすめです。厨房屋(業務用品の専門店)やリサイクルショップ、オークションなど購入できる場所は多く存在します。ただし、優良な専門店やリサイクルショップを見極めることは非常に重要です。故障していないか、どの程度の期間使用されていたのか、保証期間はあるのか、など入念に確認しましょう。
③居抜き物件を活用する
居抜き物件は、前の所有者が置いていった厨房設備を基本的にそのまま使用することができます(所有権は物件のオーナーにあるので、確認と交渉が必要です)開業する飲食店の業態が以前あった飲食店と同じ場合は、厨房設備をそのまま使用でき、初期費用を最低限に抑えることができます。
ただし、居抜き物件に備わっている設備機器を活用する際は、故障・トラブルの対策を事前に練っておくことが重要です。物件のオーナーにどのくらい使用されていたかを確認し、説明書やメーカーの連絡先を聞いておきましょう。また、修理やメンテナンスは借主負担で費用がかかる場合が殆どです。
④リースを活用する
リースを活用するメリットは、なんといっても初期費用がかからず最新機種が使用できることです。リース契約は、月々決まったリース料金を支払うため、最初の購入資金を用意する必要がありません。また、メンテナンス・修理費用も含まれているため、安心して営業するすることができます。加えて、閉店時の厨房設備の処分も必要ありません。
しかし、リース契約には「長期で契約した場合、購入より支払い金額が割高になる」「契約途中での解約ができない」「厨房設備が自分のものにならない」というデメリットがあります。リース契約は、リース会社によって契約内容が変わってきますので、お店に合った契約内容のリース会社を選ぶようにしましょう。
飲食店の厨房設備を揃えるのにおすすめの方法
おすすめの方法は、厨房設備を購入する依頼する依頼先によって、別れます。各依頼先ごとのメリットを解説します。
■メーカー
- 基本的には新品
- メンテナンスがしっかりしている
- リースも可
■厨房屋
厨房器具の仲介業者です。この人たちがお店を作るのに一番メリットがあります。
- どのメーカーのモノも扱っている
- 金額も安く仕入れらる
- 中古も扱える
- 親身になってくれる
- 融通が利く
- アフターフォローもしっかりできる
■中古専門店
中古の種類は豊富です。担当者によってはいい時もありますが、基本的に、製品を現場に届けて終わりという業者が多いので、関係者がみんな苦労することが多いです。計画段階でもあまり親身にはなってくれません。そのため、初出店の方にはあまりお勧めはできません。
まずはデザイン会社に相談がおすすめ
こういった経緯から、ひとまず計画段階で、弊社のようなデザイン設計事務所にご相談をいただき、どの業者が自分にとって合うのかということも含めご相談されることをお勧めいたします。
もちろん、私たちTOにもご相談していただければ、あなたにとって、どの業者の方々がベストなのかアドバイスさせていただくことは可能です。お気軽にご相談ください。
厨房の設計・デザインはTOにおまかせください
この記事では、飲食店を開業する際にかかる厨房設備の費用相場から厨房設備の最適な入手方法を解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 厨房設備機器をゼロから揃える場合は、300万円〜500万円を見積もっておく
- 機械系の厨房設備は定期メンテナンスの有無・保証期間を事前に確認しておく
- その他厨房設備は業務用中古専門業者やリサイクルショップ等で揃えると安く済む
- 新品はメーカーのフォローがしっかりしているため頻繁に使用する厨房設備に最適
- 中古で購入する場合は優良な中古専門店かリサイクルショップを見極めて購入する
- 居抜き物件に備わっている厨房設備を活用する場合は使用されていた期間を確認し故障・トラブル対策を練っておく
- リース契約は初期費用がかからず最新機種を使用できるのがメリット。ただし支払いが割高になり途中解約ができななどのデメリットを理解した上で契約する
厨房設備を揃える手段は、さまざまな方法があるということがご理解いただけたのでは無いでしょうか。
私たちTO(ティーオー)は、飲食店の設計を得意とするデザイン設計事務所です。お客様にと、お店で働く従業員様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、皆様が心地よい空間を作ることをミッションとしています。
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