このように、飲食店の店舗デザインを決めるさい、開放感のある空間にすべきなのか迷われている、オーナーの方は多いのではないでしょうか。飲食店で開放感があることは、お客さまに非日常感の空間を提供でき、一般的な飲食店と比べて高級感のあるイメージを与えることができます。
しかし、開放感の出し方を間違えてしまうと、ただなにもない広い空間になってしまう可能性が。そこで、この記事では、飲食店の店舗デザインで重要な開放感を出すポイントから心得ておくことまでを詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
飲食店の店舗デザインで求められる開放感とは
お客さまに「ストレスを感じさせない空間作り」が求められます。お客さまが入店した瞬間に感じる店舗のイメージに着目し、広々とした空間にするためのテクニックを導入することがポイントです。
家具やインテリアがあふれていて圧迫感のある空間や、客席同士が近く身動きが取りにくい空間は、お店が安っぽく見えてしまい、居心地の悪さをお客さまに与えかねません。お店のコンセプトを明確にした上で、店内に開放感を生み出すテクニックを取り入れましょう。
飲食店の店舗デザインで開放感を出すテクニック
店舗デザインで開放感を出すには、人の心理を上手く利用するといいでしょう。使用すべき心理効果は、フォーカルポイント。意識的に視線を誘導させます。
私たちは、無意識に輝いているモノや明るいモノ、特徴的な形や色をしているモノに目がいく癖を持っています。このフォーカルポイントを利用して、無意識に目がいってしまうモノを遠くに配置することで、店内を広く見せることができるでしょう。
飲食店では、明るい照明や派手な絵画などをフォーカルポイントとして使用するといいかもしれません。店舗のコンセプトと照らし合わせながら、フォーカルポイントとなる素材を取り入れてみてください。
飲食店の店舗デザインで開放感を出すポイント
飲食店の店舗デザインで開放感を出すテクニックは以下の5つです。5つを上手く活用することで、店内を開放感のある空間にすることができます。全てを取り入れる必要はありませんが、できるだけ多くを組み合わせるといいでしょう。
①天井を高くする
視界に天井が入ってくると、人は圧迫感を感じてしまいます。そのため、天井を高くすることによって、お店が広くなったように見せることができます。一般的な住宅の天井高が2m20cm〜2m40cmほどです。
開放感のある空間にするには、天井高を3m以上にするといいでしょう。加えて、天井を吹き抜けにするなどの工夫をすると、より広々とした空間を演出できます。
②家具・インテリアを低くする
テーブルやイス、棚などの家具やインテリアはできるだけ背丈が低いものにしましょう。できるだけ遠くを見渡せるようにすることで、広々とした空間に感じられます。天井からテーブルとイス、インテリアまでの距離を離すことを心がけるといいでしょう。
③白や寒色系の色を使用する
基本的に、白ベースで店舗デザインの配色を考えるといいでしょう。内装や家具に白やナチュラル系の色味を使用することで、空間を広く見せることができます。加えて、色がもたらす目の錯覚を利用するもポイントです。色には「進出色(暖色)」と「後退色(寒色)」があります。
空間に奥行きを出すには「後退色」を活用しましょう。内装の色を白×寒色系の配色でまとめると、広々とした空間を演出できます。飲食店の内装の色選びに関してはこちらの記事で詳しく解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。
④座席数を減らす
客席同士の距離を広く取ることも重要なポイントの一つ。間隔を広く取ることで、お客さまに広々とした空間のイメージを与えることができます。客席同士の距離を広く取るには、単純に座席数を減らすといいでしょう。座席数を減らすことで、広々とした空間を生み出すことはもちろんのこと、高級感も演出できます。
⑤全面ガラス張りの窓を使用する
透き通ったガラス張りの窓を全面に使用することで、店内を広々と見せることができます。ポイントは、透き通った窓ガラスを使用すること。外の景観が見れることにより、壁で囲まれている圧迫感を取り払えます。
反対に外の見えない窓ガラスを使用してしまうと、壁と変わらなくなるため注意が必要です。こちらの記事ではガラスを使用した店舗の外観デザインについて詳しく解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。
飲食店の店舗デザインで開放感を出す際の心構え
店舗デザインで開放感を出すさいは以下の3つを心得ておきましょう。開放感のある店舗デザインにする場合は、上記3つに該当する可能性があります。事前に知識として頭に入れておき、対処法を考えておきましょう。
①施工費が上がる可能性
開放感を出そうとあれこれと内装に手を加えてしまうと、施工費が高くなってしまう可能性があります。たとえば、開放感を出そうとして、居抜き物件の天井を吹き抜けにする場合は、吹き抜けにする工事費がかかってしまいます。
特に、特殊な天井の設計だった場合は、工事費用が高額になるので注意が必要です。開放感を出す店舗デザインに注力する場合は、内装費用と相談しながら慎重に決めてみてください。施工費用の削減方法ついてはこちらの記事で詳しく解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。
②掃除が大変になる可能性
ガラス張りの窓を全面に使用したり、白をベースにした内装にすると掃除が大変になります。清潔感のある店内を保つためには、頻繁に掃除をおこない、定期的なメンテナンスが必要です。
汚れているとお店のイメージが悪くなり、開放感のある空間が上手く演出できなくなってしまいます。開放感のある空間を作り出すには、掃除を念入りにおこなう必要があることを頭に入れておいてください。
③光熱費が上がる可能性
天井を高くしたり全面ガラス張りの窓にすると、一般的な飲食店と比べて光熱費が高くつく可能性があります。天井を高くした場合は、空間が広くなるため冷暖房が効くまでに時間がかかり、電気代が高くなってしまいます。
床暖房やサーキュレターで対処する方法もありますが、店舗の広さによって余計に電気代がかかる可能性があるので注意が必要です。全面ガラス張りの窓の導入も外の気温に左右されやすく、冷暖房の効きもよくないので注意しましょう。
まとめ
この記事では、飲食店の店舗デザインで重要な開放感を出すポイントから心得ておくことまでを詳しく解説してきました。
株式会社TO(ティーオー)は、店舗デザインを得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。
弊社TOではこれまで飲食店の実績が多数あり、大衆店から高級店の設計も担当させていただきました。開放感のある内装デザインはもちろん、お客様のご要望にピッタリな空間設計をいたしますので、お気軽に我々にご相談ください。
開放感のある飲食店は、お客さまから好まれること間違いありません。しかし、開放感の演出だけにとらわれないことも大切です。上記のポイントを抑えて、開放感のある空間を上手く作り出してみてください。