このように、飲食店を運営していて、坪月商に焦点を当てず売上の獲得に悩んでいる、オーナーの方は多いのではないでしょうか。今回は飲食店の経営で重要な坪月商について解説し、坪月商を上げるポイント・コツを紹介していきます。
飲食店の運営では、坪月商の額で、売上が取れているお店なのか、取れていないお店なのかがわかります。坪月商が低い場合は、店舗の運営の仕方や店舗デザインの改善が必要です。坪月商が低いまま運営していると、後に赤字になってしまう可能性が。売上を獲得して、坪月商を高い水準で保つためにも、参考にしてみてください。
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運営で重要な坪月商とはなにか?
坪月商とは、一坪当たり月にいくら売上ているかの指標です。店舗の広さに対して、どのくらい効率よく売上を取れているかがわかります。
坪月商の求め方は「月間の売上÷坪数」で表します。例えば、月間の売上が400万でお店の坪数が20坪だった場合、坪月商は20万です。坪月商に焦点を当てることで、一月の総売上だけではわからない、飲食店の運営での改善点を探ることができます。
【飲食店】坪月商で繁盛店と呼ばれる基準とは?
飲食店を経営する上では、繁盛店と呼ばれる坪月商にすることが望ましいでしょう。坪月商の平均は、15万前後です。飲食店は、最低でも坪月商10万は欲しいです。10万を下回るとなると、かなり経営的にはまずい店舗になります。
一方、繁盛店と呼ばれる店舗の坪月商は、20万〜30万といったところ。30万を超えてくると、かなりの繁盛店と考えていいでしょう。ここで重要なのは、坪月商からみる繁盛店と一般店はなにが違うのか。どのようにすれば、坪月商を上げることができるのかに焦点を当てて考えることでしょう。
坪月商が高い店舗と低い店舗の違い
坪月商の高い店舗と低い店舗の違いは、経営陣が店舗の特性を理解しているかどうかです。立地から考えるターゲットの選定や、店舗デザインから考えるお客さまの居心地の良さ、スタッフの働きやすさなどが当てはまります。
イベントなどの小手先のテクニックは、一時的に坪月商を上げるだけになるため、あまり意味がないでしょう。長期的に坪月商を上げていくためには、店舗の特性を理解し見つめ直すことが、重要なポイントなります。
【居酒屋】坪月商を上げるコツ・ポイント
長期的にみる坪月商を上げるコツ・ポイントは、以下5つです。
- ターゲットを明確化する
- 他店舗との差別化をする
- 無駄を省く
- セルフサービスの導入
- 席数を増やす
上記のコツ・ポイントについてしっかりと考えることで、繁盛店への土台を作ることができるでしょう。
ターゲットを明確化する
飲食店の経営で重要なのは、ターゲットを明確にすること。ターゲットが明確になると、お客さまへのアプローチ方法も変わってきます。間違ったアプローチを続けていても、集客や売上には繋がりません。適切な方向にアプローチをかけることが重要です。
ターゲットを明確化するには、5W2H(何を、なぜ、いつ、どこで、だれに、どのように、いくらで)を用いて考えましょう。
5W2Hを深掘りしていくことで、今運営している飲食店の足りない部分が見えてきます。お店の方針も明確化されるので、坪月商を上げる土台作りとして、最も適しているでしょう。
他店舗との差別化をする
おつまみメニューをメインに据えるため、居酒屋業態はどうしても、似たり寄ったりになってしまいます。集客を増やし売上を上げていくためには、他店舗との差別化が重要なポイントです。他店舗との差別化を内装からの視点と外装からの視点で考えてみましょう。
内装での差別化
内装の差別化で重要なポイントは、坪月商を上げるための雰囲気作りです。たとえば、平均単価が高いお店では、お店のテーマを決めて、テーマに合った高級な素材や照明、色などを使用し、独特な雰囲気作りをすると差別化できるでしょう。新規客の獲得やリピーター客の獲得につながります。
一方、平均単価が低いお店では、お客さまの回転率が重要となるので、イスの高さや席と席の幅、照明の明るさなどを意識するといいでしょう。繁盛しているお店は食事の味だけでなく、内装にも秘密があります。いい部分を取り入れ、独自の部分をプラスして差別化するといいでしょう。
外装での差別化
外装で差別化をおこなうためには、外観の素材や色、照明の使い方、字体がポイントになります。外観は、全体的に統一感を持たせて、目立たせることはもちろんのこと、近隣の店舗と同じにならない素材や色を使用すると、通行人にインパクトを与えることができるでしょう。また、照明の照らし方や字体によって、店舗の独自性を表すことができます。
無駄を省く
坪月商を上げるためには、厨房設備の配置や客動線、従業員の動線などの、無駄を省くことも大切です。厨房設備と客動線、従業員動線の動線設計を見直すようにしましょう。特に、回転率を重要視している店舗では、動線設計の見直しが坪月商を上げるきっかけとなります。
また、効率の良い動線が、お客さま・従業員のストレスを軽減し、居心地の良い環境・働きやすい環境を作りだすでしょう。坪月商を上げるためには、お客さま・従業員の満足度を上げることにも焦点を当ててください。
セルフサービスの導入
セルフセービスの導入も坪月商を上げる施策の一つ。飲み物やご飯などをセルフサービスにすることで、他店舗と価格面での差別化を図ることができるでしょう。
セルフサービスを導入し価格を抑えることで、集客が容易になります。また、お客さまに自分自身でお酒などの飲み物を作る楽しさや、目新しさを提供することができます。他店舗との差別化という面でも、セルフサービスの導入は一端を担うでしょう。
席数を増やす
集客力がある店舗の場合、坪月商を上げる手っ取り早い方法は、客席数を増やすこと。ただ単に席数を増やすだけでなく、2人掛けや4人掛け席、カウンター席などの配分をどのようにするかを決めることがポイントです。
4人掛けの席に2人しか座らない場合は、2人分の席がロスになってしまいます。ロスを作らないためには、普段の来店客の人数から逆算して、何人席を増やすかを考えるべきでしょう。日頃のグループ客の人数を統計して、席数の増減に活かしてみてください。
まとめ
今回のブログでは、飲食店の経営で重要な坪月商について解説し、坪月商を上げるポイント・コツを紹介してきました。改めて重要ポイントは以下になります。
- 坪月商とは一坪当たり月にいくら売上ているかの指標
- 坪月商の平均は一坪当たり15万ほど。最低でも10万は欲しい
- 繁盛店の坪月商は、一坪当たり20万〜30万ほど
- 坪月商を上げるためには、店舗の特性を理解することが重要なポイント
- 5W2Hを用いて、ターゲットとお店の方針を明確にする
- 店舗の内装と外装を使用する素材や照明、色などで他店舗と差別化する
- 動線設計の見直しをおこない、効率のいい動線設計を構築する
- セルフサービスを導入して、価格面での差別化や自分で飲み物を作る楽しさを提供する
- グループ客の人数を統計して、何人掛け席を増やした方がいいかに活かす
坪月商を上げることが全ててではありませんが、店舗を運営する上で大事な指標になります。坪月商を上げられるように、上記のポイントを参考にして、店舗作りをしてみてください。
坪月商と同時に考えなければならない要素として「回転率」があります。「坪月商」を考えると同時に、ぜひこちらも合わせてご参照ください。