【お店を長く続ける】店舗の電気代を節約!ランディングコストを抑えるための設計ポイントを店舗デザインの視点から解説します

飲食店の店舗デザイン
飲食店の店舗デザイン

物価高の高騰により、飲食店は頭を悩ませている方も多いでしょう。そんな中、追い打ちをかけるように経営を負担させているのが電気代です。

世界的にエネルギーが高騰し、日本の電気代も過去に例を見ないほど上昇しています。少しでも経営の負担を抑えるためには、電気代の節約にも取り組まなければいけません。

お店を長く続けるために必要なランニングコストを抑えるポイントを紹介します。電気代の削減は工夫次第で大幅に減少できるので、ぜひ参考にしてみてください。

私達の照明に対する想いと設計のポイントはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。実際の事例(店舗やオフィスの照明設計)をもとに、解説していますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。

飲食店にかかるコストと理想的なバランス

店舗の電気代を節約

まずは飲食店にかかるコストを軽く見ていきましょう。コストには大きくわけて、固定費と変動費にわかれます。それぞれのコストをどこまで抑えられるかによって、経常利益にも大きな違いが出てきます。電気代の理想的なバランスと合わせて、自社のコストと見比べてみてください。

固定費

固定費とは、家賃や機材リース代など、毎月決まったお金が発生する費用のこと。固定費は支出の中でも大きな割合を占めるため、定期的に見直すことが理想です。場合によってはコスト削減も可能です。

変動費

反対に変動費は、毎月支払いはあるものの、決まった金額で支出されていない費用を指します。飲食店でいえば、材料費や人件費などが変動費にあたります。

気になる水道光熱費ですが、業種により固定費に割り当てられます。ただし、飲食店の場合は変動費にあてるのが妥当でしょう。変動費は毎月見えない支出ということもあり、削減を意識しても思うようにコスト削減にはつながりません。

電気代の理想的なバランス

一般的に、飲食店の経常利益は10%が理想。売上からコストを引いた金額が経常利益に値します。

固定費や変動費の中でも適切な割合が決められており、水道光熱費でいうと全体の5%に抑えるのが理想です。飲食店の提供メニューによっても異なりますが、水道光熱費の中で電気代が高いと感じているなら、削減に向けて対策をする必要があります。

飲食店で電気代を削減する方法4選

飲食店で電気代を削減する方法

水道光熱費の中でも、電気代の高騰に不安を抱えている飲食店もあるでしょう。実は、ちょっとした工夫で、電気代は大幅に削減できます。長い目で見るとコストを抑えられるというメリットがあるので、取り入れられるものから始めてみてください。

照明をLEDへ取り換える

白熱電球と比べ、消費電力が約半分に抑えられるといわれているLED。LEDの耐久年数も、白熱電球よりも20〜40倍と想像を超える長さなので、トータルで見るとグッとコストを抑えられます。

しかし、店舗によってはLEDの設置に高額な費用がかかってしまうというデメリットも。白熱電球よりもLEDは割高なので、一気に替えてしまうのは躊躇するかもしれません。

そんなときは、LEDのレンタルサービスを利用してみましょう。レンタルサービスなら初期投資も不要です。毎月の固定費でレンタル可能なので、規模問わず、飲食店でも取り入れやすいです。

エアコンクリーニングは定期的に行う

夏と冬に電気代の大きなウエイトを占めるエアコン。エアコンの掃除は定期的に行うに越したことはありません。

とくに飲食店では思いのほか、フィルターにほこりが溜まりやすいです。フィルターのほこりは自分でも取り除けるので、最低でも月2回掃除をするのがおすすめ。ほこりを除去するだけで、消費電力も20%削減できます。

大掛かりな掃除は業者に依頼してきれいに掃除をしてもらいましょう。エアコンの空調と合わせて、プロペラファンを取り付けるのも電気代削減に役立ちます。プロペラファンは店舗全体に空調を行き渡らせるので、場所による温度差が減少します。

省電力タイプの機器に替える

省電力タイプの機器に替える

古い機器を使っている飲食店は、早めに省電力タイプの機器に取り替えましょう。とくに冷蔵庫は要注意。冷蔵庫の寿命は一般的に9年といわれており、9年前と今の冷蔵庫では、年間約3万円も電気代を削減できます。

とはいえ、業務用機器は高額のため、すぐに取り替えが難しいという飲食店もあるでしょう。その場合、レンタルサービスを検討してみてください。

契約している電力会社を見直す

2016年から始まった電気の自由化。今は顧客が電力会社を選べる時代になりました。民間企業も参入しており、実は電気代の価格競争が激しく行われている。まず、今契約しているプランが店舗に合ったものなのか、シミュレーションしてみましょう。

その上で、複数の電力会社に見積もりを依頼してみてください。電力会社を見直すことで、今よりもお得な契約が見つかる可能性があります。

電気代を削減する飲食店のデザインポイント

電気代を削減する飲食店のデザインポイント

電気代の削減は、飲食店のデザインも関係します。これから店舗を開業する方、また改築を検討されている方は、どんな点に気をつければよいかポイントを確認してみましょう。

店内のレイアウト

飲食店の店内には、さまざまなスタイルがあります。お客様に快適に過ごしてもらうためには、店内の空調を一定に保つことが求められます。

そこで注意してほしいのが店内のレイアウトです。空調のことも考慮するなら、レイアウトよりも先に空調の設置場所を考えるようにしましょう。

空調から考える大きなメリットは、店内の温度差を最小限に抑えられること。また余計な冷暖房を設置する必要がなくなります。

壁の素材

店内のデザインは壁の素材にも注意が必要です。自然光が入り開放的な雰囲気のスケルトンは、おしゃれな店舗として人気を集めています。おしゃれさだけを求めるならスケルトンでも問題ありません。

ただし電気代の削減を考えると、スケルトンはおすすめできません。その大きな理由は、外気の影響を受けやすいこと。夏の猛暑は冷房が効きにくく、冬は暖房で温まらないので、余分な電気代を使わなければいけません。

飲食店が電気代削減するために気をつけること

飲食店が電気代削減するために気をつけること

夏や冬にとくに高騰する電気代。節電のために、エアコンの設定温度を調整している店舗も少なくありません。環境のことを考えると節電が望ましいですが、場合によっては顧客満足度の低下につながってしまいます。

お客様が「暑い」「寒い」と感じる店内は、次第に客足が遠のく原因になるので、設定温度にも注意が必要です。

エアコンの温度を調整するなら、小型のサーキュレーターやプロペラファンを利用して、店内の温度を一定に保つよう心がけてください。

まとめ

電気代削減に向けて

水道光熱費の中でも、大きな支出となる電気代。エネルギー高騰で経営の圧迫が免れなくなった今、少しでも電気代削減に向けて取り組んでみましょう。

電気代は、今回紹介した4つだけでも大幅に削減できます。最近ではレンタルサービスも活発になっているので、資金調達の難しい飲食店はレンタルサービスを活用してみるのもおすすめです。

いつまでも飲食店を続けられるよう、できることから始めていきましょう。

私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。