【店舗デザインの流れ】ゼロから店舗ができるまでのスケジュールを徹底解説します

店舗独立開業のポイント
店舗独立開業のポイント

舗の開店を考える際に、どのような流れで店舗設計を進めて行けばいいかわからない人も多いのでは無いのでしょうか。店舗デザインの流れを把握せずにスケジュールを設定することは困難であり、店舗デザインの流れを把握する必要があります。本記事では、そんな店舗デザインの流れについて解説致します。

また、店舗開業時の行政手続きはこちらのカテゴリーで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

店舗デザインの流れ

1.デザイン設計事務所に相談(数日〜数週間)

店舗を設計する際は、まずはそのプロであるデザイン設計事務所や建築設計事務所に相談をするところからはじまります。どの事務所も初回の相談は無料となっているところが多いので気軽な気持ちで問い合わせてみましょう。

店舗デザイナーは施主様の理想の店舗像、こだわり、コンセプトなどをヒアリングしていきます。さらに立地の選定や従業員の人数、ターゲティング、資金計画、調達の補助を行います。この相談時に親身に対応してくれる事務所を選びましょう。もちろん、私たち株式会社TOにお気軽にご連絡ください。

建築デザイン事務所に依頼する前に施主ご自身で店舗の構想やコンセプトを考えておくと、その後の打ち合わせをスムーズに進めることができます。そして考えた構想が建築設計として実現できるかどうかの判断をご自身で行ってしまう前に、まずはデザイナーに想いの丈をそのままお話してみてください。

2.物件探し・現地調査(数週間)

物件探し・現地調査

ヒアリングした内容をもとに、デザイナーと一緒に現地調査を行います。デザイナーは実際に物件を確認させていただくことで、施主様のイメージと現地の状況を総合的に判断し、 より戦略的な店舗設計ができるようになります。

物件が決まっている場合は現地調査を行い、基本構想及び企画立案に入ります。物件が決まっていない場合は、デザイナーも候補物件の内覧に同行し、その物件の出店に際してのメリットデメリットを現地にてアドバイスさせていただきます。

物件そのももの造りも大事ですが、店舗を設計する際は、それと同じくらい店舗のロケーションも重要です。物件の周りにメインターゲットとなる客層はいるか、人通りは十分か、混雑する時間帯は何時か、周辺に競合店はどれくらいいるか、など妥協せずに時間をかけて調査しましょう。

3.構想・コンセプト設計(2週間〜数週間)

現地調査が終わったあとは、さらに詳細にデザイナーと打ち合わせ、施主へのヒアリングを通して本格的な店舗の構想やコンセプトを練っていきます。施主の頭の中のイメージを店舗として形にしていく際には、金銭面や法律など様々な条件の下で考えていかなければなりません。それらのヒアリング内容をもとにデザイナーは企画提案をプレゼンテーションさせていただきます。

思うように伝わらなかったことや異なった認識になってしまったことから、後々のトラブルが生じてしまうことも少なくありません。ここでデザイナーと徹底的にすり合わせをしておきましょう。店舗デザインのイメージとなる事例の写真やお客様のターゲット等を事前に整理し、共有すると円滑な認識合わせが可能です。

4.重要説明事項の説明・設計監理契約(数日)

基本構想、物件が固まった段階で、重要説明及び設計監理契約を行います。重要説明事項とは、建築士法第24条で義務付けられているもので、受託業務の内容、設計報酬について説明します。施主がそれに合意した場合、設計監理契約を結びます。この契約を行ったということは、依頼を確定したということです。

設計事務所のなかには、基本設計・見積もりの後に設計管理契約を行う事務所もあります。デザイン事務所に依頼を検討する際には、各順序を最初に確認しておきましょう。

5.基本設計・見積もり(数週間)

契約後は、基本構想をもとに基本設計に入ります。何回も打合せを行い検討をを重ねて、納得いくまで基本設計を練ります。 プラン・デザイン・色・素材などこの段階で十分に時間をかけて検討します。基本となるレイアウトを決めた後は、CGパースなどでデザイン案を作成します。

基本設計では、依頼主とデザイナーの間で何度も検討を重ねて、色や素材、配置などを十分時間をかけて決めていきます。基本設計を繰り返し検討していく際に、その都度設計料が加算されることがありますので、意図を性格に伝えるよう意識する必要があります。

6.実施設計(2週間)

確定した基本設計をもとに工事の発注ができる図面(構造・設備図面等)をデザイナーが制作します。新築の場合には、さらに各種確認申請書類が必要となり、それらに関しての実施設計図と並行して作成し、諸官庁へ提出するという流れとなります。

実施設計図書は、諸官庁への入念な確認、手続きが必要です。ここで入念に確認しておかないと、万が一完成してからの不備があった場合、リカバリーに大変な手間がかかります。特に地域ならではのルールとなる条例などは気をつけましょう。

7.施工業者に見積もり依頼

実施設計図書をもとに施工会社に見積を依頼します。施工業者の選定は、設計事務所との相談の元に行うことで、信頼できる業者に依頼することができます。設計事務所と施工業者、依頼主の間で施工料の調整を行うことや、工事請負契約の監理を設計事務所が請け負うことなど、三者の関係性が築かれる場合がほとんどです。

施工業者に見積を依頼→業者選定→見積調整→工事請負契約という流れになります。工事請負契約は施工業者と施主との契約となります。

8.着工

着工

施工業者との契約が決まると、いよいよ着工です。工事の間、建築デザイン事務所は工事の管理者として立ち会いをします。施主の代理として図面の通りに工事が行われているかを管理し、現場での調整なども行います。通常、週一回程度の定例会議を施工期間中は行い、各施工業者との意思疎通を図ります。

工事が進み、お店の完成が近づくに連れ、施主サイドの開店準備も本格的に忙しくなっていきます。メニュー選定、什器の手配、印刷物やロゴのデザイン、スタッフの雇用、ユニフォーム…これらのこともデザイナーに相談しましょう。的確なアドバイスをもらえるはずです。

9.竣工(竣工検査)

竣工

建築の工事が完了することを竣工といいます。店舗が竣工した段階では、施主となる依頼主立ち会いのもと、保健所の竣工検査が必須です。竣工検査では、法令上、内装などの違反がないか、不具合がないかなどを確認します。さらに施主サイドが建具や設備の動作や収まりを隈なく確認していきます。竣工検査が終わったあとはいよいよ引き渡しです。

引き渡し後は開業準備期間が設けられます。期間は1週間から3週間ほどで、オペレーションの確認や設備の動作確認を入念に行います。ここで不具合があった場合はデザイナーに相談しましょう。

10.開業

開業

竣工検査が終わり是正工事が施された後、ついに開業となります。一番最初の問い合わせから開業までは、6ヶ月程度みておくと安心です。さらに開業以降に不具合箇所が生じた場合には、店舗デザインを依頼した業者に対して再度連絡し、メンテナンス対応をしてもらう流れとなります。

店舗ができるまでだけでなく、できた後にもデザイナーは重要なパートナーであり続けます。継続的な関係性を築くことができると、様々な不具合が生じた際に円滑に対応することが可能です。さらに販促プロモーションやリニューアルイベントなども継続して相談しましょう。

店舗設計のスケジュール感

店舗デザインの設計スケジュール

店舗ができるまでのスケジュールは6ヶ月程度、少なくとも3か月の期間を要することとなります。物件選びや基本設計の期間、店舗デザインを依頼する業者によって、その期間は大きく異なりますので、最初に述べたとおり、まずは依頼予定の事務所や業者に期間のご相談をしていただくことを推奨します。

設計スケジュール

店舗デザインの設計にかかる期間は約3か月です。店舗選びが約2週間、構想や店舗が依頼主と設計事務所の話し合いの元決まった後、基本設計を形にすることが約1~2週間、その後、工事が可能となるまでの実施設計に1か月程度の期間を要します。物件選びに要する期間や構想・基本設計の検討の繰り返しなどによって、より多くの期間が必要となります。

施工スケジュール

店舗デザインの施工にかかる期間は、その大きさによって異なります。店舗の大きさが100坪以下の物販店は約1か月、飲食店の工事は約1.5か月となります。この期間はいわゆる居ぬき工事と呼ばれる、建物の構造がむき出し状態のテナントの改修工事に要する期間です。スケルトン物件(躯体のみのコンクリむき出し物件)や、新築の場合はより多くの期間が必要となります。

おわりに

店舗デザインの流れ、店舗ができるまでのスケジュールに関して解説致しました。依頼先との円滑な意思疎通を実現するためには、イメージを具体的に示すことやこまめな連絡を行うなどの工夫が重要となります。

株式会社TO(ティーオー)は、店舗の内装設計を得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。

弊社では、拘りぬいた店舗デザインを多数ご依頼頂いております。「店舗デザインを拘りたい」「競合他社に負けない、おしゃれな空間にしたい」とお考えのお客様は、「要望の伝え方がわからない」という方でも安心してご相談ください。

デザイナーと相談する上での要望やデザインイメージの伝え方に関してはこちらの記事一覧で詳しく解説しています。ぜひこちらもご参照ください。