お店の売上につながる動線のポイントとは?効率のいい動線を店舗デザインで実現させましょう!

違い棚 飲食店の店舗デザイン
飲食店の店舗デザイン
「店舗デザインを考える際にどのように動線設計すればいいかわからない」
「売上につながる動線設計のポイントを詳しく知りたい」

このように、お店の開業に伴い、店舗デザインの動線設計について悩まれている、オーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、お店の売上につながる、効率のいい動線設計の方法を詳しく解説していきます。

お店の動線は、お客さまへ快適な空間を提供することや、スタッフの生産性を上げるなどに関わる重要な部分です。雑に動線を決めてしまうと、お客様の居心地が悪くなるどころか、働くスタッフがストレスを抱えやすい環境になってしまう可能性があります。

お客様の居心地がよく、スタッフ働きやすい環境を作るためにも、動線設計の導線設計のポイントを抑えましょう。

店舗の動線設計の前提として考えるべきこと

店舗の動線設計の前提として考えるべきこと

店舗デザインの動線を考える際、「お客さま目線」と「スタッフ目線」の両方を考える必要があります。2つの目線では、徹底的に違うポイントがありますので、これから紹介していきます。

お客さま目線の動線

お客さま目線の動線を考える際は、「どれだけ滞在時間を長くさせられるか」(回転率重視の飲食店は除きます)に焦点を当てて考えるといいでしょう。滞在時間が長くなる程、お客さまが商品を購入されたり、追加で料理や飲み物を注文される可能性が高まります。

「お客さまが求めている商品や空間に誘導する動線」と「購買意欲が高まる動線」の2つを考えることが、重要なポイントです。2つのポイントが確立されていると、自然とお客さまの滞在時間が長くなります。

スタッフ目線の動線

スタッフの動線は、できるだけ短くするのが原則です。在庫の確認や料理の提供など、作業効率を考えると、無駄のない動線が重要になります。また、お客さまの動線とスタッフの動線が重なり合わないことも大切です。

お客さまとスタッフの動線が交わっていると、お客さまは不快感を抱き、スタッフは作業効率が下がってしまいます。生産性が上がる、お客さまに迷惑がかからない動線をスタッフ目線で、考える必要があります。

飲食店の動線設計のポイント

飲食店の動線設計のポイント

飲食店の動線を考える際は「客動線」と「作業動線」を綿密に考える必要があります。また、ホールと厨房では求められる動線に違いがでます。適切な動線を考えることが重要です。それでは、ホールと厨房の動線に分けて詳しく解説していきます。

ホールの動線

ホールの動線は、お客さまとスタッフ両方の動線を、上手く組み合わせて考える必要があります。お客さまとスタッフの動線は、以下の動線で考えるといいでしょう。

  • お客さま:入口から客席→客席からトイレ→客席からレジ(入口)
  • スタッフ:オーダー→配膳→下膳→片付け

上記の動線を参考して考えると、お客さまとスタッフがすれ違うことを前提として、通路幅を確保する必要があります。基本的に、メインの通路幅は、1200mm以上が望ましいです。最低でも900mm〜1000mmは欲しいところです。

また、オーダー・配膳・下膳の際に、スタッフ同士が道の譲り合いをしないようにするため、一方向に回ったり配膳・下膳置き場を作るなどの工夫をするといいでしょう。

厨房の動線

厨房の動線を考える際は、最短でオーダーから料理の完成ができる動線設計に焦点を当てて、考えてみてください。通路幅と厨房機器のレイアウトがキーポイントになります。

通路幅

厨房の人数にもよりますが、基本的には700mm前後を確保できればいいでしょう。人数が多い場合は、最低でも800mm以上は確保したいです。

厨房機器のレイアウト

厨房機器のレイアウトこそが、料理提供の早さを決める重要なポイント。移動が最短距離(数歩)で済むような、無駄のないレイアウトを心がけましょう。

食材を保管しておく冷蔵庫や冷凍庫は隣同士に、加熱や加工をおこなう機器類は、近くに配置するのが理想です。加えて、冷蔵庫と冷凍庫の近くに水道があるとよりいいでしょう。下処理がスムーズにできます。作業効率を重視して配置場所を考えてみてください。

販売店の導線設計のポイント

販売店の導線設計のポイント

販売店は飲食店と違い、お客さま目線がメインの動線設計になります。どのようにしたら、購買率を高められるかに焦点を当てることが重要です。基本的には、これから紹介する3つのポイントを意識するといいでしょう。

回遊性を意識したレイアウト

お客さまに店舗を一周させるレイアウトを心がけてください。コンビニエンスストアをイメージするとわかりやすいかもしれません。まずは、入口に目を引くデザイン・レイアウトを施し、入店を促します。次に、お店の奥に注目商品や人気商品のスポットを作り、お客さまにお店の奥まで誘導する動線を確立してください。

間取りが四角の場合は、奥2つの角に注目商品や人気商品のスポットを作るのもいいでしょう。お客さまを奥まで誘導できると、自然に回遊性が高まります。デザイナーに相談しながら、回遊性を高められるレイアウトを考えてみてください。

左回りになるレイアウト

人間に心理的な習性である、「左回り」を利用したレイアウトにしてください。左回りの店舗にすることで、お客さまは快適に買い物を楽しむことができ、回遊性が高まります。右利きの人が多いた、左回りだと商品が取りやすいからと言われています。お店の真ん中を中心として、左回りになるように棚やインテリアの配置をしてみてください。

入口・レジ前の通路を広く取る

入口とレジ前は人の流動性が一番多い場所です。お客さま同士が、余裕を持ってすれ違える通路幅を確保する必要があります。最低でも1500mm以上あるといいでしょう。車いすを使用する方などのユニバーサルデザインを考慮するなら、2000mm程度は必要です。快適に買い物を楽しんでもらうためにも、入口とレジ前の通路幅は、広めに確保しておきましょう。

店舗の動線を考える際の注意点

店舗の動線を考える際の注意点

店舗デザインで動線を考える際に注意するポイントは、様々ありますが、もっとも重要なことは「死角と作らない」と「避難動線を作る」です。お店のデザインだけにこだわると忘れやすいポイントなので、必ず押さえておきましょう。

死角を作らない

死角を作ってしまうと、お客様に狭いお店と感じさせてしまい、スタッフの作業効率を悪くしかねません。

たとえば、飲食店の奥の席が死角になっている場合、お客さまはお店が狭いと感じ入店しづらくなります。また、スタッフは、死角の客席の注文を取りに行く必要があるため、作業の手間が増えることになります。VIPルームなどであえて死角を作る場合を除き、お客様とスタッフの両方に悪影響を及ぼす可能性があるので、注意しましょう。

避難動線を作る

火災や地震が発生した際に、スムーズに避難できる動線を作ることも重要です。事前に避難の動線を確保しておくことで、万が一の際も冷静に対応することができます。売上を上げる動線に固執しすぎず、お客さまとスタッフの命を守る避難の動線も、デザイナーに相談しながら確保するようにしましょう。

店舗の導線設計は私たちTOにおまかせください

効率のいい動線設計の方法

この記事では、お店の売上につながる、効率のいい動線設計の方法を詳しく解説してきました。この記事の重要なポイントは以下です。

  • お客様をどれだけ長く滞在させられるかの動線設計を考える
  • スタッフの作業の無駄を省く、作業効率の上がる動線設計を考える
  • 飲食店のホールのメイン通路は1200mm以上を確保する
  • 飲食店の厨房の通路は700mm以上(複数人は800mm以上)確保し、移動が最短距離ですむようなレイアウトにする
  • 販売店ではお店の奥に誘導する動線設計をし、左回りになるレイアウトにする
  • 入口・レジ前の通路は最低でも1500mm以上を確保する
  • 避難動線も事前に設計しておく

動線設計は、開業してからだと変更が難しい部分です。失敗を防ぐためにも、上記のポイントを参考にして、店舗の動線設計をしてみてください。

私たちTO(ティーオー)は、商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。お客様とスタッフ様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、持続可能な店舗をデザインをしております。

私たちTOのデザインの強みに関しましては、こちらのページにて詳しく解説しています。ぜひこちらもわせてご参照ください。