店舗を開業する上でトイレの内装に悩まれているオーナーの方は多いのではないでしょうか。
飲食店の中で、トイレを一番重要視しているお客さまは多いです。トイレが使いにくかったり、居心地が悪かったりすると、新規のお客さまがリピーターになる確率を下げてしまう可能性があります。
そこで今回は、お客さまに好感をもたれるトイレを作る、店舗トイレの内装の決め方について解説していきます。
店舗のトイレの内装は居心地の良さを重視する
トイレの内装でお客さまの居心地の良さを考える上で重要なのは「照明の明るさ」「空間の色」「清潔感」です。この3つを意識することで、お客さまに安心感を与えられる空間を提供することができます。
照明の明るさ
トレイの照明の明るさを決めるポイントは「お店の雰囲気に合わせる」「お客さまに不快感を与えない」の2つです。お店の雰囲気とトイレの明るさがマッチしていないと、お客さまは違和感を感じます。
そのため、お店が暗めで落ち着いている雰囲気の場合、トイレの照明も薄暗くするなど、お店の明るさとトイレの明るさに統一感を持たせることが重要です。
空間の色
居心地の良い空間を作るには、落ち着いた暖色系の色を使うといいでしょう。暖色系の色は、人に安心感やリラックスを与える効果があるため、トイレの内装にピッタリな色味になります。
反対に、トイレの内装の色が派手だとお客さまに不快感を与えてしまいます。目がチカチカしてしまったり、胸がソワソワする可能性が高いからです。
トイレは、飲食店の中で安心できるスポットである必要があります。そのため、暖色系を中心に使ったトイレの空間を作ると、お客さまからの評価が上がります。
また、店舗設計に関するもっとも基本的な基礎知識は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらの記事も合わせてご参照ください。
何よりも重要なのは「清潔感」
居心地のいいトイレを作る上では、清潔感を意識することが必要です。こまめな掃除の徹底は必ず必要です。また手を洗う水道の自動化や、ハンドドライヤーの設置もおすすめです。
お客さまは、他の人が触った水道の取っ手やタオルに汚い印象を持っています。そのため、水道の取っ手やタオルを使用するのを嫌がります。
衛生面から考えても、多くの人が触る部分は、できるだけなくすほうがいいです。清潔感のあるトイレの印象をお客さまに与えるには、自動化というポイントも考慮してもいいかも知れません。
店舗のトイレの内装は素材選びが大事
トイレの内装の素材選びは「お客さまが不快に思わない素材」「従業員が掃除をしやすい素材」の2つを意識して選ぶことが重要です。
2つのポイントを抑えることにより、お客さまと従業員の両方から支持を得られるトイレを、作り出すことができます。それでは、壁の素材と床の素材に分けて解説していきます。
壁の素材
おすすめするトイレの壁の素材は以下です。
・メラミン(フラッシュ)
・木材(羽目板、突板など)
・タイル
一般的なトイレの壁紙は、価格が安いクロスを貼っている場合が多いです。しかし、クロスは劣化が早く、汚れがついてしまうと落ちにくい特性を持っています。
したがって、お手入れのしさすやを考えると「ダイノックシート」「メラミン」などの塩化ビニール素材を使用するといいでしょう。塩化ビニールは水が染み込みにくいため、特に水が飛び散りやすいトイレの壁に適している素材になります。
また「ダイノックシート」「メラミン」は、種類が豊富で、さまざまな雰囲気を作り出すことができます。そのため、お客さまに好感をもたれるトイレの空間を作り出すことができるでしょう。高級感や遊び心をトイレに入れたい場合は、木材やタイルなどを使用してみるのも、いいかもしれません。
床の素材
おすすめするトイレの床の素材は以下です。ただし、床の素材は、トイレの使い勝手で使用する素材が異なります。トイレのつくり方には大きく分けて、
・湿式:水洗いできる
・乾式(ドライ):拭き掃除のみ
の2つがあるため、それに合わせた床材選びをしましょう。
・フロアタイル
・フローリング
・クッションフロア
・モルタル
・大理石
・磁器タイル
・石
床の素材は、壁の素材とお店の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。和食屋などの「和」を基調としたお店の場合、フローリングや石の床材を使用することで、トレイに「和」の空間を作り出すことができます。
高級感のある雰囲気を出したい場合は、「磁器タイル」「モルタル」「大理石」を使用するといいでしょう。高級感が出る素材は、綺麗という印象をお客さまに与えられます。
その反面、素材自体が硬く底冷えを引き起こす素材であるため、注意が必要です。素材のメリット・デメリットを比較しながら、お店の雰囲気にマッチする床材を選びましょう。
リピーターを獲得するためには細部のこだわりは必須です。こちらの記事では「壁」の素材について詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
店舗のトイレは使い勝手を考える
店舗のトイレの内装は、家庭用のトイレと違い、使い勝手も考える必要があります。誰もが使いやすい・不自由ないトイレの内装を意識するようにしましょう。「使いやすい・不自由ない」を意識してトイレの内装を作ることで、お客さまの好感を得ることができるでしょう。
ウォシュレットの設置
ウォシュレットの設置は、賛否両論分かれますが、設置したほうがいいです。ウォシュレットを日々使用しているお客さまは、ウォシュレットがないとがっかりします。
最近では、ウォシュレットの普及が家庭でも増えています。ウォシュレットに慣れているお客さまに好印象を与えるためにも、ウォシュレットの設置は重要です。
小便器の設置
トイレに広さを取れる飲食店の場合は、トイレに小便器を設置しましょう。お客さまにとってトイレに並ぶ時間や、トイレにいきたいときにいけないのは、ストレスに繋がります。
トイレに小便器を設置することで、トイレの回転率を上げることができるため、トイレに並ぶのを防ぐことができます。トイレでお客さまにストレスを与えないためにも、小便器を設置を考えてみてください。
手すりの設置
年齢層が高いお客さまをターゲットとしている飲食店は、トイレに手すりを設置しましょう。足腰が悪いお客さまはトイレの後、立ち上がるために、つかまる手すりが必要になります。
手すりがないと、トイレを使用するのが不安に感じる可能性が高いです。年配の方でも、不自由ないトイレにするためには、手すりの設置が重要項目の一つになります。
ベビーチェアの設置
ファミリーをターゲットとしてる飲食店のトイレに取り入れるべきは、ベビーチェアです。ベビーチェアがあると、小さなお子さんがいるお客さまが、安心してトレイを使用することができます。
ベビーチェアを取り入れている飲食店は少ないです。差別化という意味でも、ベビーチェアの導入を考えてみてください。
まとめ
この記事では、お客さまに好感をもたれるトイレを作るための、店舗トイレの内装の決め方について解説してきました。
・お店とトイレの照明に統一感を持たせる
・トイレの色は暖色系をメインに使う
・清潔感あるトイレはこまめな清掃の徹底と自動化がポイント
・お客さまと従業員の両方から支持を得られるトイレの内装の素材を選ぶ
・誰もが使いやすい・不自由ないトイレにすることでお客さまからの第一印象がよくなる
トイレは、店舗の一部にすぎませんが、手を抜かずお客さまの使用を考えた内装作が必要です。この記事で紹介したポイントを抑えて、お客さまに好感をもたれるトイレを作りましょう。
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デザイン事務所と相談して店内レイアウトを決めたい場合は、どの様なデザイン事務所を選んだら良いのでしょうか。こちらの記事で解説しておりますので、ぜひご参照ください。