【リピーター増加】居心地をよくする「壁」素材一覧。店舗内装デザインでは「壁」にこだわりましょう!

建築設計デザインの基礎知識

壁の素材選びについて悩んでいる飲食店のオーナーの方は、多いのではないでしょうか。店舗の壁の素材は、お店の雰囲気やお客さまの印象を左右する重要な部分です。

壁の素材選びを失敗してしまうと、安っぽく見えたりお店で提供する料理と合わず、集客やリピーターが増えないなんてことに繋がってしまう可能性があります。

そこで、この記事では、店舗の壁に使用される素材の一覧を紹介し、飲食店の雰囲気別にどの素材がピッタリなのかを解説していきます。

飲食店のデザインは細部、特にあまり意識しない部分にも力を入れましょう。こちらの記事では飲食店の床の素材について詳しくまとめています。ぜひ合わせてご参照下さい。

店舗の壁の素材を意識するべき理由

おしゃれな壁素材

店舗の壁の素材が重要な理由は「お客さまの印象・居心地」「お店の雰囲気」の2つのポイントに関わるためです。壁に高級な素材を使用すれば、高級感のある雰囲気の飲食店を、木材などを使用すると和の雰囲気の飲食店を作り出すことができます。適切な素材選びを心がけてください。

居心地をよくする店舗の壁に使われる素材一覧

飲食店でよく使用される、壁の素材それぞれのメリット・デメリットを含めて、解説していきます。これからオープンする飲食店の雰囲気に、どの壁の素材がマッチするかを見極めてみてください。

①クロス類(壁紙)

クロス類の最大のメリットは、価格が安いこと。他の壁の素材と比べて、壁の素材にかける費用を抑えることができます。選べるデザインの種類が豊富なため、コーディネートがしやすく、飲食店の業態を選びません。

値段が少し上がりますが、紙クロス織物クロスを使用すると高級感のある雰囲気を出すことができます。しかし、飲食店の規模にもよりますが、防火認定を受けているクロスなのかのチェックをしなければなりません。

また、クロスはモノによって水や油、湿気に弱く、接着剤に有害物資が含まれるデメリットがあります。

②塗り壁

和の雰囲気を出したい飲食店の壁に適しているのが塗り壁。主に、漆喰珪藻土じゅらくが使用されているため、高温多湿な日本の気候に適している壁の素材です。

調湿性や断熱性、防火性、防音性に優れており、温もりのある静かな空間を作り出すことができます。その反面、素材自体が硬いため、長年使用すると経年劣化による剥離やひび割れを、起こす可能が高いです。

そのため、定期的なメンテナンスを施す必要があります。クロス素材と比較すると、施工時間が多くかかり、費用も高くなりますが、しっかりとメンテナンスをしていくことで、長期的に使用することができる壁の素材です。

③タイル壁

デザイン性に優れているため、おしゃれな雰囲気を出したいお店に向いている壁の素材。汚れやキズがつきにくく、水拭きで掃除ができるため、管理が楽です。

耐久性や防火性にも優れているため、飲食店の壁の素材として、申し分ないメリットを持ち合わせています。しかし、地震などによって剥離やひび割れを起こしやすい性質があります。

また、防水性には優れていますが、カビが生えやすいデメリットもあるため、日々のお手入れが必要です。抗菌や防汚などの加工が施されている種類もあるため、デザイン・機能面の両方を考慮して選ぶのがいいでしょう。

費用が高くついてしまうので、アクセントなどで壁の一部などに使用すると、お客さまから好印象をもたれるかもしれません。

④木材

温もりがあり、お客さまに安心感を与えられるのが木材の壁の素材です。調湿性や断熱性、保温性に優れているため、居心地いい空間を作り出すのに、適している壁の素材になります。

木材は種類が豊富で、高級な天然の木材から合板などの安価な木材があります。理想のお店の雰囲気に対して、色味や材質を選ぶことができるのは、飲食店の壁の素材選びには、嬉しいポイントです。

また、経年変化を楽しむことができるため、お店が年数を重ねる毎に、壁の素材も味のある雰囲気を醸し出してくれます。

しかし、木材の壁の素材は、経年劣化や湿気に弱いため、保護塗料を塗るなどの日々のメンテナンスが欠かせません。飲食店の規模によっては、防火材料に認定されている木材を、使用しなければならない場合があるため、注意が必要です。

⑤コンクリート

オシャレな空間

最近、飲食店や小売店などの壁の素材で、人気が高まっているのがコンクリート。あえてなにもデザインしない素朴さが、近代的なオシャレな空間を作り出してくれます。防音性防火性に優れているため、飲食店で使用する壁の素材としてピッタリです。

コンクリートを使用する際は「配線を隠す工事費」「空調コスト」「ひび割れ時の修理」の3つに注意しなければなりません。

全面がコンクリートの場合、配線を隠すことが難しいです。そのため、業者を手配して後付けで配線を目立たせないようにする器具を取り付けることが必要です。

また、内外壁をコンクリートにすると、断熱材を使用することができないため、夏は暑い・冬は寒い空間を作り出してしまいます。居心地のいい空間を作り出すために、空調でカバーすると必然的に空調コストが高くなります。

さらに、なにかの衝撃で、コンクリートにひび割れが生じた場合、補修するのが難しいため、専門の業者に修理依頼をするのが一般的です。

専門業者を頼む費用もかかる可能性があることも、頭に入れておく必要があります。コンクリートに壁は、安そうに感じられますが、トータルで考えると安く費用がすまないので注意しましょう。

飲食店の雰囲気別にオススメな壁の素材を解説

先程までは、居心地をよくする壁の素材を紹介してきました。あくまで一例となりますが、先程の素材を元に、飲食店の雰囲気別にオススメな壁の素材を解説していきます。

①落ち着いた雰囲気の店舗

落ち着いた雰囲気のカフェやバーなどの飲食店を考えている場合は「木材」「塗壁」「タイル壁」を使用するといいでしょう。タイル壁は種類を選ぶことにより、欧米風のカフェやバーの雰囲気を作り出すことができます。

木材は、品のあるチーク材やオーク材などを使用することで、ビンテージ感のある落ち着いた雰囲気の空間を作り出すことができます。また、価格を抑えたい場合は、タイルや木材風の「クロス」を使用することで落ち着いた雰囲気を演出することができるでしょう。

②和風な雰囲気の店舗

和食料理やお寿司屋などの和風な雰囲気を出したい飲食店は「塗り壁」「木材」がピッタリです。壁の素材を塗り壁にした場合、高級感を残しつつも、掛け軸や生け花などが合う、和の空間を作り出すことができます。

また、日本ならではの、スギやヒノキなど明るめな色の木材を壁に使用すると、和の雰囲気を出しつつ、お客さまが安心してくつろぐことができる空間を作り出すことができます。和の雰囲気は、さまざまな種類が存在するため、理想のイメージに沿った素材選びをしてみてください。

③高級感のある店舗

高級感のある店舗にするには「木材」「コンクリート」「塗壁」を使用するといいでしょう。例えば、アメ色の木材を壁の素材にすることで、温もりがありつつも、少し緊張感のある高級な空間を作り出すことができます。

コンクリートは、高級感のある雰囲気を出したいイタリアンやフレンチ、鉄板焼きなどを提供するお店にピッタリです。コンクリートの素朴な内装が、高級な料理やお皿などを引き立てます。

以下の記事では、和モダンな飲食店でよく使われる「土壁」について解説しています。こちらも合わせてご参照ください。

まとめ

この記事では、店舗の壁に使用される素材の一覧を紹介し、飲食店の雰囲気別にどの素材が、ピッタリなのかについて解説してきました。

飲食店の壁の素材をしっかり考えることで、理想の店舗のイメージに近づけることができるようになります。また、お客さまの集客にも繋がります。

お店の壁の素材にこだわり、これから開業するお店でいいスタートを切りましょう!

株式会社TO(ティーオー)は、店舗設計を得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。

親しみやすい店舗作りから気が引き締まるような高級店まで、様々な店舗設計に携わっております。私たちの経験・実績に基づいた提案は、皆様の店舗をさらに素敵な空間へと変化させるでしょう。まずはお気軽にご相談くださいませ。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

また、店舗のデザインを依頼するとき、伝え方を誤ると、自分の思い通りのデザインにならない場合があります。こちらの記事では店舗デザインのイメージの伝え方を詳しく解説しています。

これからデザイナーを探される方は、こちらの記事も合わせてご参照ください。を詳しく解説しています。これからデザイナーを探される方は、こちらの記事も合わせてご参照ください。