小料理屋をオープンする予定で、準備をしたいんだけど色々と悩みの種が。。。
私たちTO(ティーオー)は、店舗・オフィスなど商業施設の設計を得意とするデザイン設計事務所です。店舗デザインに対して真摯に向き合い、無理のない最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。
長く愛される店舗づくりのコツをYouTubeでもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
小料理屋とは
そもそも小料理屋には明確な定義はありませんが、一般的には家庭料理とお酒を提供する小規模な飲食店のことを指します。高級料亭のような格式ばった雰囲気で緊張することなく、やすらぎと癒しを感じながら食事を楽しめる店舗がよろこばれます。そのため、小料理屋の店舗デザインもそのような目的に沿って作り上げる必要があります。
居酒屋との違い
小料理屋に似た形式の飲食店には「居酒屋」があります。居酒屋は小料理屋に比べて、アルコールの種類が豊富で規模も大きいといった特徴があります。大勢で賑やかに飲食ができるのは、居酒屋のほうが向いているでしょう。
小料理屋の店舗デザインにはコンセプトが大切
小料理屋の店舗デザインを考えるのに、コンセプトはかかせません。コンセプトとは、店舗全体にわたって統一された考え方・方向性のことです。
オーナーとして、お客様にどのような価値を提供したいのか。コンセプトは店舗の在り方の基盤となるので、しっかり作りこみましょう。
・どんな客層を狙っているのか
・どんな料理を提供したいのか
・独自性をどのように出していくのか
例えば、コンセプトのなかに
「30~40代のサラリーマンが一人でも気軽に立ち寄れる店」
「オーナーの地元の高知県が由来の素材を使った家庭料理を」
といった要素があるのなら、店舗デザインにもそれを盛り込んでいくことができます。コンセプトがないとお客様の印象に残りづらく、集客・宣伝や再来店の施策に苦しむことになりかねません。たくさんある飲食店の中でお客様に選ばれる店舗になるよう、まずコンセプトを練るということを忘れないようにしてください。
店舗デザインのポイントとは
さて、小料理屋の店舗デザインで気を付けるポイントにはどんなものがあるのでしょうか。このようなポイントを抑えておくとよいでしょう。
内装材の統一感
お客様が小料理屋に求める雰囲気は「和風」で「落ち着き」があるイメージが一般的。なぜなら提供される料理が日本の家庭料理だからです。提供される料理を引き立たせるような内装にするとよいでしょう。
そのため、内装材は日本を連想させるスギやヒノキなどの木材を使用したり、障子を思わせる和紙などを使用するのがおすすめ。壁を砂壁にしたり、天井は竹で編まれた網代(あじろ)天井にすることも、小料理屋の店舗デザインを上質なものにしてくれます。小料理屋ですから、主役である料理のイメージとマッチした内装材を採用しましょう。
フォーカルポイント
入店のタイミングに、お客様が無意識に視線をおくる場所。それはフォーカルポイントと呼ばれ、店舗デザインで大切な要素となります。
来店された瞬間、お客様は無意識のうちに店内の対角線上(フォーカルポイント)を見ます。そうすることによって、ここが安心できる空間かどうかを判断しています。店内の第一印象を良くするため、フォーカルポイントにはこだわりましょう。たとえば和風のアートを飾ったり、季節の花を飾ったりするのもおすすめ。
はじめて来店されるお客様の緊張をほぐすためにも、フォーカルポイントにはお店のコンセプトに沿った空間演出をすることを忘れないでください。
カウンターテーブル
カウンター席を設置する予定であれば、カウンターテーブルのデザインにはこだわることもおすすめです。カウンターテーブルは店内の家具の中で、一番面積の大きいものになることが多く、店舗デザインの重要なポイントになるからです。
また小料理屋は1名〜2名で利用されるお客様は、カウンター席に案内されることでしょう。気持ちよく過ごしていただくためにも、カウンターテーブルにはぜひ良い素材を選ぶようにしてください。例えば、厚みのあるヒノキ材のカウンターであれば、提供される料理を格上げしてくれるでしょう。
店舗の外観デザイン
出入口のデザインは店舗の「顔」です。つい内装のデザインに注目してしまいますが、外観デザインは絶対に軽視できない要素です。外観デザインは認知・集客ツールです。内装と統一感が出るような素材をつかい、和風で落ち着きを演出する外観にしましょう。暖簾(のれん)や、灯りも効果的につかうことで来店をうながすことができます。
居心地のポイントとは
「なんだか、この店は居心地がいいなあ」常連客を増やすためにも、居心地の良さを意識することは大切。では居心地の良さには、どのようなポイントがあるのでしょうか。
照明
照明計画は小料理屋の店舗デザインに欠かせないポイントです。なぜならバランスのとれた照明計画は居心地が良くなることに加えて、料理を美味しく見せることができるからです。
キャンドルや、焚き火のようなオレンジ色の光の色は、料理を美味しそうに見せる効果があるので、ぜひ客席側に採用しましょう。反対に青白い光は作業場に向いています。素材本来の色味がわかりやすいので調理には適しているでしょう。
和紙や木材を使用したものなど、小料理屋に適した照明器具はたくさんあります。店舗のコンセプトに沿った照明を選びましょう。
チェア
カウンターチェアや座椅子など、お客様が座るイスは居心地に直結します。おしゃれなイスであっても、1時間程度座っただけで痛みを感じるようなら小料理屋に適したイスとは言えません。
腰への負担、立ち座りの動きやすさ、テーブルと高さが合うのかなど、小料理屋でイスを選ぶ条件はいくつかあります。仮に1脚5万円のイスで、客席が15席だった場合、購入費用は75万円になります。決して安くない出費になりますので、実際に試してみることをおすすめします。
空調
設備の話にもなりますが、空調の快適さは居心地の要素として不可欠です。広さに適した台数、室温にムラのある場所はないか、配線が店舗デザインに悪影響をあたえないかというポイントをおさえましょう。
特に配線やダクトが悪目立ちしてしまうと、せっかくこだわった内装デザインが台無しになります。空調システムは長期的に使用しますのでメンテナンスのことも視野にいれておきましょう。
動線
「動線」とは建物の内部で人がどのように動くかということです。店舗デザインにおいて、動線も欠かせない要素です。お客様が席につくまでの動線、トイレに行く動線、従業員が厨房からレジに向かう動線など、移動が快適にできることは居心地の良さにつながります。
店舗デザインの見栄えも大切ですが、お客様が不便に感じることのないように動線は配慮すべきです。また経営目線から見ても動線を良くすることは、接客効率がアップします。
最後に
小料理屋の店舗デザインにおいて、気をつけてほしいポイントをお伝えしました。ただ、コンセプトを決めるところから悩んでしまう人のほうが多いでしょう。初めの段階からデザイン設計のプロに相談することで、「わからない」という悩みが解決します。
少しハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、より良い小料理屋をオープンさせるためにもぜひ相談してみましょう。もちろん、私たちTOにまずはお気軽にご相談ください。
こちらの記事で掲載している店舗の画像は、すべて私たち株式会社TOでデザインいたしました。気になるデザインがございましたら、お気軽にお問い合わせください。