10坪以下の狭小店舗は、はじめて店舗を構える人にもおすすめのコンパクトな空間です。その小ささゆえに「窮屈に見えてしまいそう」「やりたいことができなさそう」と考える人もいるのではないでしょうか。
10坪以下の狭小店舗にはメリットもたくさんあります。小さな店舗を構えるメリットやデザインのコツなどを紹介するので、ぜひ店舗づくりの参考にしてみてください。
10坪以下の狭小店舗のメリット
10坪以下の狭小空間で店舗を構えるメリットを紹介します。狭いことはデメリットと捉えられがちですが、小さい店舗にはその小ささならではの良さや特徴があります。自分の業態などに合うか考えてみましょう。
コストを抑えて開業できる
狭小空間では、コストを抑えて開業できることが一番のメリットといえます。広くなればなるほど内装工事費や設備費はかさみますが、コンパクトな空間であれば工事の規模も小さくなるでしょう。什器などの個数も抑えられるため、ぐっとコストがダウンします。
また、コストを抑えるだけでなく、浮いた分のお金をこだわりたい部分に補填するなどの工夫ができます。どこにお金をかけるかを明確にしやすい点も狭小店舗のいいところといえるでしょう。
少ない従業員で運営できる
コンパクトな店舗の方が、開店後の従業員数が少なく済みます。店が小さいので、お客様一人ひとりを少ない従業員でフォローできるのがメリットです。まずは自分一人で店を切り盛りしたいという場合にも、10坪以下の小さな間取りを選ぶといいでしょう。
このように、初期費用だけでなく経営のコストも下げられるのがうれしいポイントです。従業員が少ないほど事業計画も立てやすくなるので、気楽に店舗を構えたい人にも向いています。
アットホームな雰囲気をつくりやすい
小さな空間では必然的にお客様との距離が近くなります。そのため、アットホームな雰囲気をつくりやすいこともメリットです。とくに飲食店の場合、味の感想などをその場で聞けることはもちろん、常連客の好みなどを会話から探ることもできます。
小さな店舗は収容人数に限りがある分、お客様一人ひとりの雰囲気を素早く察知できることも利点です。その場その場でお客様に合った対応ができるので、お店の評価や評判にもつながりやすくなります。
狭小店舗のデザインをするコツ
小さな空間にはデザインのコツがあります。限られた空間だからできるターゲットの絞り込みやレイアウトの工夫で、ほかにはない空間をつくります。狭小空間の魅力を引き出し、窮屈と思わせないようなデザインに仕上げることがコツです
ターゲットを明確に絞る
来店が見込めるお客様の年齢層や性別、趣向などを明確に絞ってターゲットを決めましょう。ターゲットを絞り込むことで必要なデザインが見えてくるので、無駄のない洗練された内装に仕上げられます。
狭小空間の場合、収容人数も限られるので不特定多数に向けた営業には向かないこともあります。少し絞りすぎるくらい明確にしても問題ありません。
広さのある店舗とは違うコンセプトを打ち出す
狭小店舗は、広さのある店舗を同じ土俵で戦おうとしても負けてしまいます。そのため狭小店舗ならではのコンセプトを打ち出す必要があります。狭小店舗にぴったりのコンセプトには以下のようなものがあります。
- アットホーム
- 隠れ家
- 実家のような安心感
- 帰ってきたくなるような店
このように、狭い空間だからこそ提示できるコンセプトを発案して、店舗の特色をアピールしていきます。コンセプトとお店の雰囲気が合致していれば、つい足を運びたくなる店舗に成長していくでしょう。
入りやすいファサードや看板をつくる
狭小な間取りの物件は入り口がわかりにくい場合もあります。収容人数が少ない上に入り口がわかりにくいと集客に影響が出てしまいます。ファサードを入りやすい雰囲気のデザインにしたり、見つけやすいサインや看板をつくることが大切です。
コンセプトを隠れ家にした場合、入り口を目立たせたくないこともあるでしょう。そのときは、目立つデザインではないにしろ周りの景観と差別化できるようなデザインを目指すと、そこが店舗であると認識しやすくなります。より集客を望む場合は、SNSでアクセス方法を動画に撮って投稿するなどの工夫も効果的です。
無駄のない動線とレイアウトを心がける
お客様の動線とスタッフの動線や、お客様同士の動線が重なりすぎると窮屈な印象を与えかねません。できる限り動線が被らないような工夫をしましょう。細い通路は一方通行になるように工夫するなど、什器などを使った誘導も効果的です。
また、小さなバックヤードをつくると店内の印象がスッキリして見えます。見せたくないものはしまっておけるレイアウトを考えてみましょう。
狭小空間を魅力的にするポイント
小さな店舗がさらに魅力的な空間にするためのポイントを3つ解説します。店舗を選ぶ基準として、この店でしか体験できないことがあるかを判断することもあります。特別な体験に比重を置くのも狭小空間にとって大切なポイントです。
内装も運営も必要最小限にする
内装はもちろん、サービス内容も必要最小限のシンプルなものにするのもひとつの方法です。たとえば飲食店であれば、内装はキッチンを隔てるカウンターのみでシンプルにして、提供する料理のは数を絞ってこだわりのものを提供するなど、要素を極端に絞ることもこの店舗でしか体験できない特別感を演出できます。
広い店舗では要素を絞ることが難しくなります。空間も広い上、収容数も多くなるのでターゲットを極端に絞ることができず、広範囲をカバーしなくてはなりません。反対に、狭小空間ではしっかりとターゲットを絞ることができるので、内装や運営も必要最低限の要素に絞れます。これが狭小空間の魅力を引き出すポイントとなります。
コンセプトをしっかりと反映する
小さな空間だからこそ、入った瞬間にコンセプトが明確に伝わるようなつくりにしましょう。コンセプトを固めないまま進めてしまうと、ただの狭い店になってしまいます。「狭いのにはワケがある」と思わせるようなデザインに仕上げられれば、狭小店舗の魅力が引き出せたと考えていいでしょう。
そのためには、しっかりとコンセプトを固めることが大切です。入った瞬間に非日常が体験できるような空間を考案しましょう。
コミュニケーション重視のサービスを考案する
狭小空間では、広い店舗では生まれないようなコミュニケーションが発生し、それが特別な体験につながることがあります。店主だけでなく、お客様同士のコミュニケーションが生まれやすいのも狭小店舗の特徴です。気さくに話せるような空間にするのも狭小空間の魅力を引き出すポイントでうs
ただし、コンセプトによってはコミュニケーションが必要ない場合もあります。無理に会話をするのではなく、コンセプトを優先して雰囲気づくりをすると混乱しません。
まとめ
10坪以下の狭小店舗をデザインするコツやポイントを紹介しました。狭小空間は、狭いだけでなくたくさんの魅力が詰まっています。その魅力を最大限に引き出せるような店舗デザインを考えてみましょう。
私たちTOは、10坪以下の狭小店舗のデザインも承っております。どんな物件でもぜひ一度ご相談ください。