飲食店のテーブルと椅子は、お客様の居心地に関係し、リピーターの増加に繋がる大事な部分です。テーブルと椅子のバランスが悪いと「また来ることはないわね」なんて、お客様が思ってしまう可能性があります。
そこでこの記事では、飲食店のテーブルと椅子の適切なバランスについて解説していきます。ぜひ最後までお読みください。
飲食店に最適なテーブルと椅子の高さとは
飲食店では、テーブルと椅子に推奨されている高さ基準があります。基本的には、基準の高さに合わせて、テーブルと椅子を選べば大丈夫です。
テーブルと椅子のバランスや飲食店の業態によって、適宜高さを調節する必要があります。それでは、座席の種類別に最適なテーブルと椅子の高さを解説していきます。
一般的なテーブルと椅子の席
一般的に居酒屋やレストランなどでよく使用されるテーブルと椅子の最適なバランスは以下とされています。下記の高さに設定し、提供する料理によって、選ぶテーブル・椅子の高さを微調整してみてください。
一般的にレストランよく採用される高さ
テーブルの高さ | 70cm前後(床からテーブルの天板まで) |
椅子の高さ | 40cm前後(床から椅子の座面まで) |
椅子の座面からテーブルの天板までの高さ | 28cm程度 |
例えば、どんぶりをよく使用するラーメン店や、テーブルに高い機器を乗せて食事をする、焼肉店や鍋料理店は、椅子の高さを3cm程上げるといいでしょう。
反対に、カフェやタピオカ屋などドリンク主体のお店は、椅子の高さを3cm程下げると、お客さまが、快適に過ごせる空間を作り出すことができます。
お座敷の席
一般的なお座敷の席の最適なテーブルの高さです。
テーブルの高さ | 30cm程(座布団の座面からテーブルの天板まで) |
お座敷席で忘れてはならないのが、座布団の高さ。座布団を敷いた高さで計算をしないと、食事がしにくいお座敷席になってしまいます。基本的に、お座敷席では座布団を敷くことが多いため、使用する座布団の高さを必ず入れて計算してください。適切なテーブルの高さは30cm程ですが、提供する料理によって±3cm程調整するといいでしょう。
掘りごたつ席
一般的な掘りごたつ席の最適なテーブルの高さです。
テーブルの高さ | 70cm前後(掘りごたつの床からテーブルの天板まで) |
座布団の座面からテーブルの天板までの高さ | 30cm程 |
掘りごたつの床から座布団の座面までの高さ | 40cm程 |
※テーブルが掘りごたつの上にある場合、お座敷席と同じ30cm程の高さが最適
大部分は、お座敷席と一緒の高さが適切です。掘りごたつ席もお座敷席と同様に、座布団の高さを考慮することが重要なポイントです。また、掘りごたつ席は、掘りごたつの床から、座布団の座面までの高さを考える必要があります。最適な高さは40cm程。40cm程の深さを目安にして掘りごたつを作ると、不自由ない空間を作り出すことができます。
ソファー席
一般的なソファー席の最適なテーブルとソファーの高さです。
料理を提供する飲食店の場合
テーブルの高さ | 60cm前後 |
床からソファーの座面までの高さ | 35cm前後 |
ソファーの座面からテーブルの天板までの高さ | 20cm〜25cm程 |
飲み物主体の飲食店の場合
テーブルの高さ | 35cm前後 |
床からソファーの座面までの高さ | 35cm前後 |
ソファーの座面からテーブルの天板までの高さ | 20cm程 |
テーブルと椅子の距離 | 25cm〜30cm程度 |
ソファー席は、料理を提供するかしないかで、テーブルの高さを変えるといいでしょう。テーブルの高さが低すぎると食事がしにくくなるため、食事を提供する場合は、テーブルの高さを60cm前後に設定してみてください。
反対に、飲み物の提供が中心の場合、リラックスできる空間を作ることが、ポイントになります。テーブルとソファーの距離感を重要視するといいでしょう。
また、ソファーの座面が沈み込むタイプなのか、硬い反発性の高いタイプなのかを必ずチェックしてください。ソファーの座面のタイプに沿って、テーブルの高さ選びをしましょう。
カウンター席
一般的にカウンター席の最適なカウンターと椅子の高さは以下がよいとされています。
一般的なカウンター(居酒屋や小料理屋など)
カウンターの高さ | 70cm前後 |
椅子の座面からカウンターの天板までの高さ | 25cm〜30cm程 |
ハイカウンター(バーなど)
カウンターの高さ | 90cm〜100cm程 |
椅子の座面からカウンターの天板までの高さ | 25cm〜30cm程 |
カウンターは席の場合は、飲食店の業態によって、カウンターの高さを変える必要があります。カウンター席は、お店のコンセプトに合った高さのカウンターと椅子を、導入するようにしましょう。
飲食店のテーブルを選ぶ際に意識すべきポイント
飲食店のテーブルを選ぶ際、意識するべきポイントは以下の3つです。この3つのポイントは、お客さまの居心地だけでなく、売上にも影響しますので、必ず抑えておきましょう。
①4人がけと2人がけテーブルの2種類を作る
飲食店のテーブルは、基本的に4人掛けテーブルと2人掛けテーブルを作りましょう。4人掛けテーブルに2人しか座らない場合は、客席の稼働率が50%になり、売上に伸び悩む可能性が高くなります。4人掛けと2人掛けテーブルを用意しておくことで、客席の稼働率を、効率よく上げることができるようになります。
②テーブルの高さを統一する
テーブルの高さを統一することで、宴会など、大人数で来店されたお客さまの席の対応が、容易になります。また、統一感があると、店内の見栄えがよくなるため、お客さまからの第一印象がよくなるでしょう。
④安定感のあるテーブルを選ぶ
安定感のあるテーブルを選ぶことも重要。グラつくテーブルは、お客さまにストレスを与えてしまいます。反対に、安定感のあるテーブルは、ケガを予防し、お客さまに安心感を与えることができます。
インテリアの使い心地やリラックスできる高さなど、店舗の什器に関しましては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
飲食店の椅子で意識すべきポイント
飲食店の椅子を選ぶ際、意識すべきポイントは以下4つです。
- 椅子の高さを統一する
- 音がしない安定感のある椅子を選ぶ
- 回転率を重視する場合は、背もたれなしで小さめの椅子を選ぶ
- リラックス重視のお店は、背もたれありで幅広の椅子を選ぶ
テーブルと同様に宴会などの大人数の来店に備え、椅子の高さも統一しましょう。椅子の高さがバラバラだと、テーブルとのバランスが悪く、食事がしにくくなってしまうので、注意が必要です。
また、音がしない安定感のある椅子を選ぶことも重要。座るごとにギシギシ音がする椅子は、お客さまを不安にさせてしまいます。
安定感のある素材で作られた、しっかりとした椅子を選びましょう。飲食店の業態やお店のコンセプトに沿った椅子を、取り入れることを意識してみてください。
まとめ
この記事では、飲食店のテーブルと椅子の適切なバランスについて解説してきました。飲食店のテーブルと椅子のバランスを考えるのは、簡単なようで難しいポイントです。上記の重要ポイントを意識して、開業するお店にピッタリのテーブルと椅子を選んでみてください。
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今回解説したことを踏まえて、店舗デザインを行いましょう。店舗デザインに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。