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古民家を店舗にリノベする際の注意点|抑えておきたい建築基準法について解説します

店舗独立開業のポイント
店舗独立開業のポイント

古民家をリノベーションした店舗は、希少性があり、それだけでブランディングになります。歴史や伝統を感じさせる建物は、独特の雰囲気を醸し出し、お客様の来店動機につながるでしょう。しかし、古民家を店舗にリノベーションするには、法的な手続きや建物の状態による制約が多く存在します。

特に、現代の建築基準法に基づいて安全性や快適性を確保するための対応が求められます。今回は古民家をリノベする際に注意すべきポイントと、建築基準法に関する基本的な知識について詳しく解説します。

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古民家リノベのメリットと課題

古民家を店舗にするメリット

古民家を店舗にするメリット

古民家は、長い年月を経て築かれた歴史と文化を感じさせる空間です。独特の風合いや木材の質感、純和風や近代西洋建築のスタイルは、他にない特別な雰囲気を醸し出します。ビンテージ家具のように「経年劣化」ではなく、「経年変化」という考え方が当てはまるので、古くなるごとにさらに魅力が増すでしょう。

こうした特徴を活かしながらカフェやレストラン、雑貨店などの店舗にリノベーションすることで、他とは違った魅力的な空間を作り上げることができます。また、地域の文化や歴史を尊重する姿勢が地元住民や観光客から支持され、集客力の向上にもつながります。

また固定資産税が安価になりやすいというメリットもあります。建物は、築年数が経つほど固定資産税の金額が下がっていくのが一般的です。そのため古民家の場合、新築にくらべ固定資産税が安くなることがあります。

古民家リノベの課題

古民家リノベの課題

一方で、古民家をリノベする際にはいくつかの課題が存在します。古い建物であるため、断熱性・気密性が現代の建築物に比べて不十分で、冷暖房効率が悪くなりがちです。

また、長い年月が経過しているため、構造内部では劣化が進んでいる部分が多く、修繕費用が高額になることも少なくありません。加えて、古民家はもともと住宅として建てられているため、商業施設に適した構造にするためには、追加の工事や手続きが必要となるでしょう。

建築基準法と古民家リノベの関係

建築基準法と古民家リノベの関係

建築基準法とは?

建築基準法は、建物の安全性や快適性を確保するために定められた法律で、日本全国で適用されています。建物を建築する際の最低限のルールが定められており、1950年に制定されました。その後、何度も改正されており、特に1981年の大改正では、耐震基準が強化されました。

この改正前の基準を「旧耐震基準」、改正後を「新耐震基準」と呼びます。旧基準で建てられた建物は耐震性が弱い可能性があるため、現在の基準に適合しない建物は「既存不適格建築物」とされます。「不適格」と名前がついていますが、違法建築とは違いますので安心してください。

古民家とされる建物の多くは「既存不適格建築物」となるため、リノベーションして店舗にする際にも、この法律に基づいて様々な基準をクリアする必要があります。特に、耐震性や防火性に関する規制は厳しく、古民家の場合、現代の基準に達していないことが多いため、補強工事が必要となります。

耐震性と補強工事

古民家は、現代の建築物と比べて耐震性が低い場合が多く、地震に対する対策が十分でないことが一般的です。建築基準法では、耐震性能を確保することが求められているため、補強工事が必要になることがあります。

特に、柱や梁、基礎部分が老朽化している場合は、建物全体の強度を高めるための工事が避けられません。これには、かなりの費用がかかることが予想されますが、安全性を確保するためには必須な投資となります。

古民家リノベの費用と法規制の影響

古民家リノベの費用と法規制の影響

リノベーション費用が高額になる場合も

古民家リノベーションの費用は、建物の状態や必要な工事の内容によって大きく変わります。例えば、耐震補強や断熱・気密性の向上を図るための工事が必要になるでしょう。さらに水回りや電気設備の更新、内装の補修なども含めると、リノベーション全体の費用が膨らむ可能性があります。そのため事前に十分な予算を確保しておくことが重要です。

工事項目 費用の目安 補足
耐震補強 100万~500万円 建物の状態に依存
断熱・気密工事 50万~300万円 地域や古民家の構造により異なる
水回り・電気工事 100万~400万円 交換が必要な場合が多い

※工事費用の参考例。地域や施工会社、時期によって費用は変動します。

法規制と用途変更手続き

古民家は住宅として建てられているため、店舗として利用する場合は用途変更の手続きが必要になることがあります。これは、建物の使用目的を変更するための法的な手続きで、建物が商業利用に適した状態かどうかを確認するために行われます。

さらに、地域によっては都市計画法や景観法などの規制が適用されることがあり、建物の外観や周辺環境との調和が求められます。これらの規制に従わなければならないため、事前に地元の自治体や専門家に相談して、適切な対応を行うことが重要です。

古民家リノベにおける断熱性と気密性の改善

古民家リノベにおける断熱性

断熱性と気密性の向上が重要

古民家は、現代の住宅と比較して断熱性や気密性が低いため、冷暖房効率が悪く、夏は暑く冬は寒いといった問題が生じやすいです。そのため、店舗として快適な空間を提供するためには、これらの性能を向上させる工事が不可欠です。断熱材を追加したり、窓やドアの交換を行うことで、室内の温度を一定に保つことができ、光熱費の削減にもつながります。

エコや省エネにも配慮

近年、環境への配慮や省エネが重要視されており、古民家リノベーションにおいてもエコな設計が求められています。断熱性能や節水機能を向上させることで、エネルギーや資源の消費を抑え、環境に優しい店舗運営が可能になります。こうした取り組みは光熱費の節約だけでなく、お客様へアピールすることで評価を高め、地域社会に貢献することにもつながるため、積極的に取り入れていくことが推奨されます。

専門家への相談が成功のカギ

専門家への相談が成功のカギ

建築士やリノベーション専門の業者に相談

古民家をリノベーションする際には専門家からのアドバイスが欠かせません。なぜなら建物の現状や法的な問題は複雑で、適切に把握するためには、経験豊富な建築士やリノベーション専門の業者の知見が必要になるからです。特に、建築基準法や用途変更に関する手続きは専門知識が求められるため、プロのサポートを受けることでスムーズに進めることができるでしょう。

リノベーション計画を成功させるためのコツ

和モダンな照明

計画段階から建築士や施工業者と密に連携し、予算や工期をしっかりと管理することが、古民家リノベーション成功の秘訣です。特に古民家リノベーションの場合、建物の設計図や増改築の履歴、リフォームの記録が残っていないことが多く、想定外のことが起こりやすいです。

定期的な打ち合わせを通じて、予定通りに進められているかを確認し、トラブルが発生した場合には迅速に対応することがリノベーション成功のコツです。

まとめ

古民家リノベーションの専門

古民家を店舗にリノベーションするには、現代の建築基準法や都市計画法などの法規制に従い、安全性や快適性を確保することが求められます。また古民家独自の魅力を活かす一方で、断熱性・気密性の向上や用途変更手続きなど、さまざまな法的および技術的な課題に対処する必要があります。

古民家の店舗リノベーションを検討している方は経験豊富な私たちにぜひご相談ください!

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