倉庫をリノベーションしてお店を開業しようか悩んでいるオーナーの方はいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、倉庫リノベーションのメリット・デメリットや費用相場、倉庫のリノベーションする際の注意点を詳しく解説していきます。
倉庫リノベーションは、倉庫ならではの特性を活かして優れたデザイン性を実現できます。しかし、倉庫の特性を理解せずにリノベーションしてお店を開業してしまうと、ランニングコストが余計にかかってしまったり、さまざまな問題を引き起こしてしまう可能性があります。
お店の開業後に後悔をしないためにも、ぜひご参照ください。また、こちらの記事では実際のリノベーションの流れについて解説しております。こちらも合わせてご参照下さい。
長く愛される店舗づくりのコツをYouTubeでもご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
倉庫リノベーションのメリット
①内装デザインが自在
倉庫の内装は、なにもないスケルトン状態であることが多いです。スケルトン状態である場合、コンクリートの打ちっぱなしを活かしてデザインしたりモルタルを使用したりと、内装デザインに幅を持たせることができます。また、室内を区切る仕切りなどもない場合が多いので、内装デザインに制限が少ないのも特徴です。
②開放感ある空間を作りやすい
倉庫の特徴は床面積が広く天井が高いことです。開放感のある空間を作り出すのに必要な2つのポイントを、合わせ持っています。開放感のある空間を作りやすいので、高級志向や落ち着いた雰囲気の飲食店や美容院などは、特に向いているでしょう。
③耐久性・耐震性に優れている
鉄骨造で建てられている倉庫は、耐久性や耐震性に優れています。台風や地震に強いというのは、お店を運営する側からすると、安心感に繋がるでしょう。(※古い倉庫などは鉄骨造で建てられていない場合があるので注意が必要です。)
④解体費用を抑えられる
一般的な物件のリノベーションの場合は、壁や柱、扉、押し入れなどを取り除く必要があるので、解体費用がかかってしまいます。しかし、倉庫の場合は、空間の仕切りなどがないことが多いため、解体費用を抑えることができます。解体費用を抑えられることで、デザインや備品など他の部分に費用を回すことができるでしょう。
⑤購入・賃貸費用が安い
倉庫物件の賃貸料や販売価格は、一般的な物件と比べて安いです。初期費用を抑えることができるので、その分の費用をほかに回すことができます。内装のデザインにこだわりたいと考えているお店にはピッタリでしょう。
倉庫リノベーションのデメリット
①インフラの整備が必要
基本的に倉庫は、電気・ガス・水道などのインフラ整備が整っていないと考えておいてください。開業する業種によって必要なインフラの容量を把握した上で、インフラ整備の工事が可能かどうかを確認しましょう。
②通気性が悪い
倉庫は窓が少ないため、通気性の悪い場合が多いです。ホコリが溜まりやすく、湿気が多い時期などはカビが発生しやすくなります。窓を作ることも候補として上がりますが、倉庫自体の耐久性・耐震性が落ちてしまうので、現実的ではないでしょう。
③断熱性が劣る
倉庫は断熱性に劣るため、空調効率が悪く冬に底冷えしやすいのが特徴です。倉庫物件を探す際は、断熱リフォームが可能かどうかを必ず確認しましょう。快適な空間を作るための重要なポイントになります。
④場合によっては耐震補強が必要
1981年以前に建てられた倉庫は、旧耐震性基準で作られているので現代の倉庫より耐震性が劣ります。古い倉庫は、場合によって耐震補強工事が必要になるでしょう。古い倉庫をリノベーションする際は、費用・工事期間を多めに見積もっておいてください。
⑤固定資産税や都市計画税が上がる
倉庫の用途変更と内装をリノベーションすることにより、建物としての価値が上がります。比例して、固定資産税や都市計画税も上がる可能性が高いです。これらは毎年の固定費となるので心得ておいてください。
倉庫リノベーションの費用相場
業種によって変わってきますので、あくまで大まかな目安となりますが、倉庫リノベーションの費用相場は基本的に500万〜1000万程度はかかると考えておいて間違いは無いでしょう。
倉庫の場合、ほとんど設備が整っておらず、店舗に必要な設備を増設する必要があります。
倉庫リノベーションをする際に注意すべきポイント
①用途変更をしなければならない
倉庫をリノベーションして店舗を開業する場合、建築基準法に定められている用途変更を行わなければなりません。用途変更をおこなわないと、開業後に営業停止になってしまう可能性があります。倉庫からオフィスにする際は用途変更が必要ありませんが、飲食店や美容室などにする場合は必要です。デザイン設計事務所やリノベーション業者に必ず相談しましょう。
②インフラ整備ができるか
インフラ整備ができない倉庫があります。電気のみで運営できる小売店であれば問題ありませんが、水道・ガスが必要な飲食店や美容室などは、インフラ整備をきちんと行えているかが重要です。倉庫の契約後に後悔しないためにも、倉庫選びの際に必ず確認しましょう。
③倉庫の広さがお店のコンセプトに適しているか
倉庫の広さがリノベーション費用に直接影響するため、適切な広さの倉庫を選ぶようにしましょう。また、倉庫の間取りもさまざまなので、お店のコンセプトにできるだけ近い要素を持った間取りを選ぶことが重要です。
まとめ
この記事では、倉庫リノベーションのメリット・デメリットや費用相場、倉庫リノベーションする際の注意点を詳しく解説してきました。
倉庫リノベーションは、内外装のデザイン性を高められ、他の店舗と差別化を図ることができるでしょう。上記のポイントを参考にし、倉庫のデメリットを上手く活かして、倉庫リノベーションを成功させましょう。
株式会社TO(ティーオー)は、店舗デザイン設計を得意とするデザイン設計事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。
ご相談いただくお客様の中には、倉庫をリノベーションして、お店を開業することに対して悩まれている方もいらっしゃいます。「どのような手順で進めていいかわからない」という方も安心してご相談ください。