店舗設計において建具枠や窓枠の納まり(部材同士の構成や位置を整えること)はつきものです。納まりで使われる建築用語はいくつも存在します。建築用語は主に現場の職人さんや監督、設計士、デザイナーなど建築に携わる仕事をされている方が使うことが多いですが、場合によっては施主様との打合せで登場してくる場合も多々あります。
今回は主に建具の枠で用いられる建築用語で知っておくと便利な建築用語をまとめて厳選して解説いたします。「建築用語に興味がある」「現場の打合せでわからない言葉があって困っている」といったオーナー様は是非最後までご覧ください。
木材に対する想い・木を使用したデザインの強みはこちらの特集ページでも詳しくご紹介しています。建材としての木材には、デザイン性の他にも様々なメリットがあります。木がお店に与えるデザイン的な効果と、部材としてのメリットを解説します。
建具枠や窓枠の納まりでよく使われる建築用語を解説!
今回は店舗設計でよく使用される建具枠や窓枠の納まりで頻繁に登場する建築用語を厳選して「見付」「見込み」「散り」「小口」の4つを解説いたします。
見付(みつけ)とは
見付(みつけ)とはサッシ枠を正面から見た時の幅の寸法のことです。主に仕上げ材・化粧材や、窓枠などの建具枠の納まりで使用される言葉です。また、同義語で「見え掛かり(みえがかり)」とも言われることがあります。使い分け方としては正面から見た時を「見付(みつけ)」、斜めや下から見た時を「見え掛かり(みえがかり)」と言われています。
見付寸法の標準寸法について
見付寸法は建具(扉)のデザインによっても異なります。たとえば框戸の場合、基本となる框の見付寸法は和風の場合75㎜。洋風の場合100~120㎜とされています。また、その框(かまち)の見付寸法をAとし、その他の見付寸法は框を基準として考えることができます。
上桟見付寸法=A(框見付寸法)×1.25
下桟見付寸法=A(框見付寸法)×1.5
中桟は上桟(12.5A)と同じもしくは少し大きめ
上記の寸法で扉のデザインをするとバランスがよく見えます。こちらの寸法を参考に框戸などの扉の納まりを検討してみてください。
見込み(みこみ)とは
見込みとは見付けを見た時にみえてくる奥行きもしくは厚みのことを「見込み」と呼びます。こちらも見付と同様、仕上げ材・化粧材や、窓枠などの建具枠の納まりの建築用語として用いられることが多いです。見込み寸法は建具の耐久性や耐風性に関係しています。
建具が高くなれば強風などの対策やゆがみやたわみを防ぐために見込み寸法は大きくなります。見込み寸法を考えると最初のイメージとは違った扉や窓サッシが出来てしますので、どちらを優先すべきかを考えて見込み寸法を検討しましょう。
散り(ちり)とは
散り(ちり)とは、平面(壁面)と平面(枠面)の間の差のことです。主に建具枠や窓枠に見られるものです。垂直に交わる部材のずれを表す言葉として使われます。木製のチリの場合は10~15㎜が基本の寸法とされています。
小口(こぐち)とは
小口(こぐち)とは部材の横断面の切り口を示しています。同じく「木口(こぐち)」という単語も木材の小口のことで意味は同じです。また、小口を見たときに長手方向の狭い面が存在してきます。こちらを小端(こば)と呼びます。
まとめ
今回は納まりで使われる建築用語をまとめて解説いたしました。「見付」「見込み」「散り」「小口」の4つの建築用語について詳しく知ることができたかと思います。ぜひ本記事を参考に着工中の現場で活かしていただき、実物でもご確認頂けたらと思います。
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