剛床(ごうしょう)工法とは?丈夫な作りで30年後に違いがわかります

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建築設計デザインの基礎知識

今回は、床の工法で注目されている剛床工法に焦点を当ててみました。床の工法にはおもに2種類使われていますが、なぜ剛床工法が人気なのでしょう。その理由と剛床工法のメリットやデメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてみださい。

なお、建築用語でよく使われるRC造や木造の違いを知って、建物を作る際に適当な判断をしましょう。こちらの記事でRC造や木造の違いについて詳しく解説しています。ぜひご参照ください。

床組みで人気の剛床工法とは

床組みで人気の剛床工法とは

剛床工法

近年、人気で主流の床組みといえば剛床工法です。剛床工法とは、床板を支える直角の水平材を使わず合板を床に貼る方法。別名「根太レス工法」とも呼ばれています。

剛床工法は、水平材を使わない代わりに床下地合材の厚みを厚くし、梁材を直接留める仕組みです。今までの工法より材料も少ないことから、剛床工法は素早い施工が可能。また施工過程でのムラも生じにくいのが特徴です。

剛床工法と根太工法との違い

剛床工法と根太工法との違い

根太工法

剛床工法が適用される前は、根太工法というものが一般的に使われていました。根太工法とは、幅45㎜×高さ60㎜の水平材を303㎜の間隔を作りながら床組みしていく方法です。この水平材は根太と呼ばれ、根太工法という名前が知れ渡りました。

根太工法は、等間隔に並べられた根太の上に合板を貼ることで、水平な床を保てられます。一方、剛床工法は根太工法とは違い、根太を使いません。その代わり、床下地合材を厚くします。

剛床工法のメリット

剛床工法が主流で使われているのは、現代に見合ったメリットがあるからです。そのメリットは大きくわけて2つあります。それでは、それぞれのメリットを簡単に紹介します。

仕上がりのムラが少なく広い空間が作れる

剛床工法は根太工法とは違い、簡単な工法で施工できます。その分、工期にかかる時間も少なく、仕上がりにムラが起きにくいのが特徴。また根太や火打ち梁を使っていない工法なので床の位置も下げられ、部屋の空間を広くさせられるメリットがあります。

地震や台風などの災害に強い

剛床工法は、横揺れや歪みに強い工法です。そのため災害の多い日本にはピッタリ。特に近年では、地震や台風が頻発しています。そのような災害にも強いことから、剛床工法は多く取り入れられるようになりました。

剛床工法のデメリット

剛床工法のデメリットとして挙げられるのが、以下の2つです。建てる物件によっては、使いにくい工法かもしれません。

水平の調整が難しい

剛床工法は水平の調整が難しいため、基盤が水平ではないとおすすめできない工法です。新しく建築する場合、基盤が大きくゆがんでいると剛床工法は使えない可能性が高いため注意してください。

使う場所によって音が響きやすい

剛床工法は、床下が空洞になる。そのため2階以上に剛床工法を使うと、下の階に音が響きやすくなるデメリットがあります。使う場所によっては、剛床方法が適さないということも知っておいてください。

剛床工法を用いるには対策が必要

剛床工法を用いるには対策が必要

剛床工法を取り入れるには、業者選びを慎重にしなければ失敗する可能性があります。これから紹介する対策がしっかり取られているか、業者とよく相談してみてください。

カビ・腐敗対策

剛床工法は柱や梁、床を一本化させる工法のため、通気性が悪くなります。そのためカビの発生や木材の腐敗が進みがち。剛床工法と用いるときは、防カビ・腐敗対策を取っている業者を選ぶと間違いありません。

養生処理

剛床工法で欠かせない合板は、雨に弱い性質を持っています。雨に濡れた合板はしなったり膨れたりするため、一般的には合板の上に養正処理を施します。業者によっては養正処理を行わないところも。施工が完成した後に後悔しないためにも、養正処理を行う業者か事前に確認しておきましょう。

防音材の導入

デメリットの部分でも説明したように、剛床工法は音が響きやすいことから場所によっては不向きです。しかし簡単な工法と工期が短いことから、剛床工法を取り入れる業者も少なくありません。万が一剛床工法を用いる場合は、あらかじめ防音材を使ってもらうよう業者に相談してみるのもいいでしょう。

店舗や家づくりをするなら基礎工事は欠かせません。こちらの記事では基礎工事の流れを徹底解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。また、店舗や家づくりをするなら基礎工事は欠かせません。こちらの記事では基礎工事の流れを徹底解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。

まとめ

剛床工法は、災害の多い日本に向いている工法

剛床工法は、災害の多い日本に向いている工法だといえます。また工法が簡単なことや工期が短く済むのも大きなメリットでしょう。しかし、対策をしっかり取らなければ、剛床工法のよさも台無しになります。まずは業者選びを慎重にすること、そしてどこまで対策が取られるのか依頼前に確認してみてください。

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