和釘は古くから日本で愛用されていた釘です。また洋釘とは異なる特徴があるため、さまざまな場所で使われてきました。この記事では、和釘と洋釘の違いをはじめ、和釘の特徴、歴史などを詳しく解説します。また、和釘を使って変化をもたらす新しい工技術なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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和釘の歴史とその変遷
和釘の歴史は古く、13世紀には部材の固定など実用的な目的で使用されていました。当初は鉄製で、釘の頭は四角く、先端は平らで、軸は短いものであったとされています。
その後、日本の大工たちは釘づくりの限界に挑戦し、平らな刃に釘を打ち込んで作る「たこ楔」(八角釘)が登場しました。八角釘の登場により、竹や材木などの素材の端を打ち込むことで、簡単に固定できるようになりました。このおかげで釘は材料にしっかりと固定され、「和釘」と呼ばれるようにり現在に至ります。
技術の進歩とともに和釘の形状は進化し、頭部は楕円形、軸は両刃、先端は矢のような形状に変化しました。このように近代化された和釘は耐久性や効率性が向上していますが、「和釘」の特徴はそのまま受け継がれています。現在の和釘は、ステンレス製から銅製まで、さまざまな素材やサイズ、形状がそろっています。
和釘と洋釘との違いと特徴
和釘と洋釘の大きな違いは形状です。一般的な釘である洋釘は、軸が丸く先が尖っており、表面を貫通させるために作られています。
しかし和釘は、釘が木の繊維に食い込むというより、木を彫るために作られたノミ先のような頭のデザインが主な特徴です。また、日本の釘は一般的に西洋の釘よりはるかに小さく、より細かく正確に打つことができます。
和釘と洋釘の違いは形状だけではありません。和釘は洋釘よりも軽く、材質も柔らかいのが特徴。そのため、打ち込んだときに木が割れにくく、必要なときに簡単に曲げたり取り外したりできます。
おもに使われる3種類の和釘
切り釘 | 帯状の鋼材を切断して釘の形に打ち付けたもので、両端が鋭利になっている |
頭付き釘 | 平らな帯状の鋼材を釘の形に成形し、頭を丸くして尖らせたもの |
波型釘 | 側面に畝(うね)があり、薄い鋼帯を波型に絞ったもの |
切り釘は、木材をつなぎ合わせるときによく使われています。頭付き釘は丸くぎとも呼ばれており、頭が丸いのが特徴。釘のなかでもいちばんポピュラーなもので、さまざまな素材で作られています。波型釘も木材をつなぎ合わせるときに使われますが、建築現場の足場板としても利用。ほかの釘にくらべ、特殊な用途で使われているのが特徴です。
まとめ
和釘は日本の伝統的な大工仕事には欠かせないものであり、長い歴史と伝統を持っています。和釘と洋釘の違いは形状や大きさ、使い方に表れています。古くから日常的に使われていた和釘ですが、伝統的なものから近代的なものへと変化しているのも和釘らしさが出ているでしょう。
和釘の活躍は日本だけではありません。世界中でも認知されており、その使いやすさから世界中の大工仕事で重要な役割を担っています。
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