物件名 : 神楽坂 うなぎの萬助(kagurazaka unagi no mansuke)
面積 : 25 ㎡
客席 : カウンター3席、テーブル席8席
工期 : 計画期間 45日 施工期間30日
請負業務: デザイン設計業務、デザイン製造業務 、ロゴデザイン
躯体構造: RC造7階 改装
竣工 : 2026.06
店舗情報:
備考 :
神楽坂を拠点に、5店舗の飲食店を営む施主から一通の問い合わせが届いた。長く親しまれてきたグルメバーガー店を、鰻の専門店へと生まれ変わらせたい——業態を大きく変える、思い切った挑戦だった。内装だけでなく、ロゴやPOPまで含めて一貫して任せられる相手を探しているという。街の一角で続いてきた店を、次の物語へとつないでいく。その想いに応えるところから、私たちの仕事は始まった。
施主から託されたキーワードは「和モダン」。
私たちはそこに、TOらしい表現として角麻柄の格子を重ねた。
この柄の元にある麻の葉文様は、まっすぐ丈夫に伸びる麻の姿にあやかり、健やかな成長と魔除けを願って古くから受け継がれてきた吉祥の意匠だ。バーガー店から鰻屋へと業態を変え、新たに歩み出すこの店にとって、その意味は単なる装飾を超えて重なっていく。連続する幾何のリズムは、和の気配をまといながらも現代的な軽やかさを生み、これから神楽坂に根を張り育っていく一軒を、格子越しに静かに見守っている。
もうひとつの課題は、既存店を受け継ぐ超狭小の空間だった。
狭さを感じさせず、それでいて鰻屋にふさわしい清潔感を保つこと。そのために、素材の選び方と照明計画に徹底してこだわった。
視線が奥へ抜ける構成、光の当て方ひとつで、限られた広さは驚くほどゆったりと、そして凛と映る。
格子が生む陰影が、鰻を待つひとときさえも、心地よい風景に変えていく。
完成した店を前に、施主はまずそのデザインに深く満足してくれた。
「和モダン」という言葉に託した期待を、角麻柄の格子と、狭さを感じさせない光の計画がしっかりと形にしていた、と。
内装からロゴ、POPまで一貫した佇まいが、鰻屋としての新しい”顔”を静かに立ち上げている。街に長く続いてきた一軒が、また次の物語へと歩き出した。
ありがとうございました。
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