物件名 : 大銀杏名駅店【ooicho meieki】
面積 : 141.92㎡
客席 : 全62席/21組(カウンター8席・テーブル18席・ベンチ22席・個室6名+8名)
工期 : 計画期間 45日 施工期間60日
請負業務: デザイン設計業務、デザイン製造業務
躯体構造: RC造7階 改装
竣工 : 2026.02
店舗情報: URL https://ooicho.com/access/meieki/
備考 :
大銀杏のオーナー・I氏とは、これまで三つの店舗を共につくってきた間柄です。 今回のご相談は、その柳橋の店が「ビル側の都合で、急に移転することになった」 という思いがけない知らせから始まりました。 慣れ親しんだ店を手放し、あらためて場所を探す――物件探しは難航し、 けっして平坦な道のりではありませんでした。 それでもようやくたどり着いたのが、この名駅の一室です。 「あの大銀杏を、そのまま、でも新しく」。 長い付き合いだからこそ交わせる短い言葉で、移転プロジェクトは動き出しました。
移転でまず決めたのは、「何を連れていくか」でした。
使い込んだ椅子やテーブル、ベンチ――前の店で大銀杏の時間を支えてきた什器を、できる限り新しい店へ持ち込む。
ただ、箱が変われば寸法も変わります。既存の家具のサイズを活かしながら、無理のない客席をどう組み直すか。そのパズルを解くことが、レイアウトの出発点になりました。
配置の芯に据えたのは、前店舗から受け継ぐステンレス製の「大銀杏」のシンボルです。
エレベーターの扉が開いた瞬間、まず目に飛び込む正面へこのアイコンを移し、そこから店全体の構成を決めていきました。
落ち着いたトーンのなかでこだわりの焼き鳥を味わう――大銀杏らしい世界観はそのままに、新しい場所ならではのテイストも少しだけ加えています。
移すことと、変えること。その両方を丁寧に行き来しながら、店をもう一度編み直しました。
タイトな工程でしたが、関わる皆の力を借りて、無事に暖簾を掲げることができました。
引き渡しを終えたオーナー・I氏がまず口にされたのは、「移転後も、前の店の物をこれだけ流用できたのは本当に良かった」という言葉でした。
長く使い込んだ什器が、新しい店でもそのまま生きている――それは、大銀杏という店が積み重ねてきた時間が、場所を越えて続いていくということ。
「ありがとうございました」のひと言に、移転という難題を一緒に越えられた手応えがありました。
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