担当デザイナー西口:昇平さん、こんにちは。本日はよろしくお願いします。さて、まずは開業したきっかけについてお聞かせください。
伊藤様:実は、特別なきっかけはないのですが、子供の頃から料理がとても好きで、大人になったら自分のお店を開きたいとずっと思っていました。中学を卒業してからすぐに料理の道に進み、全てをそこに注いできました。
伊藤様:10代の頃は修行でただ耐える日々でした。その時期は、怒られないことが日々の目標でした。当時は「今日の料理がどうあるべきか」ということすら考えられなかったんです。そのような下働きを経て、開業に至るわけです。
伊藤様:開業するときは自信しかありませんでした。自分ならやれると思って、漠然とした不安はなかったのです。
伊藤様:雇われていときにお店を1店舗任されたときも結果を出していたので、自分なら何とかできると信じていました。
伊藤様:そのときは失敗したらどうするのかとよく聞かれましたが、なぜ失敗するのか理解できませんでした。ただし、開業は9ヶ月かかりました。9ヶ月もかかったのは、物件がなかなか決まらなかったからです。最初はお金もなく、お金がないと契約もできない、店を作れない。お金が作れない。
それでも多くの人に支えられて独立することができました。独立してからの自分と、雇われていた頃の自分とを比較すると、契約の際も多くの人に支えられ、助けられました。
西口:独立したのは7年前のことですか?
伊藤様:はい、7年前です。それから、2年半前に今のお店に移転することができました。それが2020年のことです。
2020年に今の店に移転するときは完全に手探りでした。どうやって店を作るか、誰が作るのか、どうやって考えるのかも何もわからなかったです。
そこから色々な人と繋がり、西口さんともその時に再開しましたね。西口さんや色々な人に支えられてようやくオープンすることができました。
西口:開業のときは、ちょうどコロナが始まる頃だったと思います。苦労などはありましたか?
伊藤様:オープンのときはちょうどコロナが始まったときで、コロナの影響で世の中の多くの店が営業を止めたりしましたが、ありがたいことに私の店は予約が入っていたため、完全には休業することはありませんでした。
西口:コロナで環境が変わる中で、変化はありましたか?
伊藤様:そもそもコロナに関係なく移転のときに一気に6,000円以上値上げした影響は大きかったです。
移転前のうちの店は、リーズナブルで美味しいと評価されていましたが、そのような印象を払拭する意図で店を設立しました。
価格設定を逆張りすることで、将来の投資に繋げるつもりでした。値上げのときに多くの意見がありましたが、今では新しい顧客層がついてきています。
また、2022年に自分のアニサキスアレルギーのために青魚の使用をやめ、その代わりに和牛を取り入れるなどのメニュー変更を行いました。
和牛を取り入れることで、一気に1万円近く値上げをしたところ、多くの人から「肉はやめた方がいい」と言われました。結果として、ネットでの予約が全てキャンセルになる事態にもなりました。
しかし、離れていく人は離れていけばいいと思っていました。それは自分自身への挑戦であり考え抜いた上での変更だったのです。その結果、信じてついてきてくれたお客さんが変わらずに通ってくれています。
西口:そういったお客さんは大事ですよね。
伊藤様:本当にそう思いますね。彼らがいたからこそ自信を持つことができました。信じてくれたことを後悔させないよう、そのプレッシャーを感じながらも、彼らに恥をかかせないよう努力しています。
西口:独立されてからずっと一緒にお仕事をさせていただいてきましたが、TOにどのような印象を持たれていますか?
伊藤様:最初名刺を見たときはクールなデザイナーさんだと思っていたんですけど、一緒に仕事を仕事を進めていく中で感じたのは、意外とユーモア感もあって、真面目で感情の浮き沈みがなく物事を進めて行く人だと思いました。
西口:いやそんなことないですよ(笑)浮き沈みはあります。
伊藤様:そうなんですか(笑)仕事においては、はっきりと物事を言う方で、デザイナーであると同時にリーダーとして現場でしっかりと物を言う人だと感じました。
西口:このお店をつくるときに色々提案をもらいましたが、最初にオーダーをいただいたのは天井の高さでしたよね。
伊藤様:そうですね、とにかく天井が高くすることでしたね。あとは梁と壁紙でしたね。壁紙じゃなくて塗り壁にこだわりました。
西口:そうですね、この店で一番のテーマは壁と天井です。天井の高さの制限があり、通常の高さで作ると低くなります。そのため、普通の寿司屋さんにはないRC(鉄筋コンクリート)の露出したデザインを取り入れました。そして、梁をそのまま残すために、梁を一本追加しました。
西口:壁は漆喰の磨きを施しました。この独特な手法で塗装することで、見た目にも美しい仕上がりになり、訪れるお客様にはそのリアルな雰囲気が伝わっています。
伊藤様:そうですね。いまでもこの壁を見るとお客様は驚きます。継ぎ目がない!って。
西口:店舗をすべて塗り壁でやるというのは本当にこの店が初めてです。伝統技術を天井にも、カウンターにも、壁にも使用しています。
西口:完成して一番感動したところはどこですか?
伊藤様:最も感動した点は、左の箪笥の角の始まりです。きれいにピッタリとハマっています。
西口:この造作家具を作るのは苦労しましたね(笑)
伊藤様:個別に、このカウンターが良いとか、この絵が良いとかもありますが、それよりもこういった細かいところのバランスが西口さんのすごいところだと思います。
僕の方からもある程度注文しましたけど、頭の中で想像したものを形にするのは本当に難しいことなんだろうと思います。
このお店以外にもいくつかのお店づくりを西口さんに頼みましたけど、西口さんに頼んで良かったと持っています。
世間にはデザイン兼施工会社みたいな安い会社もありますが、そっちに頼んで失敗したら悔いが残ると思ったので西口さんに頼んで良かったです。
西口:施主様の想像通りに作るのは難しいですが、プロとしてはその通りに表現しなければならないと感じています。この店を作るにあたって、いくつかのアイデアを出しましたが、最終的にはすべてが計画通りに進み、良かったと思います。
西口:TOに頼んで良かった点はありますか?
伊藤様:TOに依頼して良かった点は、まず仕事の丁寧さです。安定感があり、信用できるため、気持ちが安定して仕事ができます。オラオラ感がないところが本当に良かったです。
また、ただの業務委託ではなく、感情を共有し、困ったときにはしっかりとサポートしてくれる関係性が築けています。
私はとにかく話すことが好きなんですが、私がどんな要望を出しても、それに対してフレキシブルに対応してくれる点も大きな魅力です。
西口さんはそれを聞いて、的確な提案をしてくれます。それが本当に心地よく、TOに依頼して本当に良かったと心から感じています。
西口:すし昇ブランドがこれから全国的に広がっていくことを願っています。
伊藤様:やりましょう!次のプロジェクトも楽しみにしています!
西口:はい!これからもよろしくお願いします。本日は本当にありがとうございました。
伊藤様:ありがとうございました。
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