物件名 : 鮨 てんび
面積 : 97.5㎡
客席数 : カウンター 12席
工期 : 計画期間30日 施工期間30日
請負業務: デザイン設計業務、デザイン製造業務(特殊左官、etc)
物件状態: 居抜き→スケルトンへ解体
躯体構造: RC造
竣工 : 2020年11月
お店情報: https://www.tablecheck.com/ja/shops/sushi-tembbi/reserve
すし昇の昇平大将と、名古屋で有名なラーメン屋さん「麺屋はなび」の新山大将がプロデュースする、新業態の鮨屋です。
昇平大将とはすし昇改装の時にがっつりパートナーとなり、今回新山さんとは初対面でした。「麺屋はなび」をあれだけ展開されていて、なぜお鮨なんですか?と最初に質問させていただいたのを覚えています。
この業態を固めるまでの構想期間や、昇平さんとの出会いなど「てんび」という業態の裏話をしながら、【ミシュランクオリティーのお鮨をリーズナブルに!】をコンセプトにこの物件は始まりました。
この物件は、すし昇の昇平大将がすし昇で実現したかったレイアウトが可能になりそうだというイメージから、場所が決定しました。
昇平大将とともに現地を内覧し、構想やお店のレイアウトについて話し合った結果、「ほぼ解体しないと難しいですね…」という結論に至りました。お互いにその意見に落ち着きましたが、コストを抑えることも重要な課題でした。
業態の客単価が高級店ではないため、回収を考慮すると、コストをどこまでもかけることはできません。そのため、厨房区画とトイレ区画のみを残し、ほぼスケルトン状態にすることに決定しました。
「てんび」のスタイルは、予約制のコースのみとなっております。夜間に3回転するため、それぞれの時間帯のお客様同士が顔を合わせないよう、動線に工夫を凝らしました。
エントランス → 待合 → 客席カウンター → お帰り口 → エントランスという一方通行の動線を設計し、お客様がスムーズに移動できるように配慮しました。
さらに、この動線の中には、デザインのストーリーを盛り込み、空間全体に統一感と物語性を持たせています。
ここまで長いカウンターを作れるお店はなかなかありません。
当初は、1枚の無垢材でプランしようとも考えましたが、客単価とのバランスを考慮し、その選択は見送りました。
最終的に、ヒノキの柾材を使用することで、業態とのバランスが取れた最善で最良のカウンターが完成したと考えています。
メインのカウンター席は明るく、それ以外のエリアは暗く設定しました。
エントランスから待合にかけては、アクセントとなる照明を除いて照明を控えめにし、奥に広がるカウンター席への期待感を高めるため、極限まで暗く計画しました。
この工夫により、仕上材には安価な材料を使用することが可能となり、さらに店内のストーリーをお客様に楽しんでいただける空間を創り出しました。
照明は、デザイナーが光のイメージを明確に持っていれば、無駄な予算をかけずに工夫できる重要なアイテムの一つです。
「鮨 てんび」一号店として、竣工前から予約困難なお店としてスタートを切りました。今では、半年先まで予約が取れない繁盛店となっています。
「このスタートダッシュで2号店、3号店と出店していきますので、よろしくお願いします。」とありがたいお言葉をいただきました。
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