物件名 : 焼き鳥 大銀杏 柳橋店
面積 : 36坪
客席数 : 47席
工期 : 計画期間 35日 施工期間 35日
請負業務: デザイン設計業務、デザイン製造業務 (特注家具製作、特注照明、etc)
躯体構造: RC造 (鉄筋コンクリート造)
竣工 : 2019.10
備考 : 2F建ての2Fテナントの出店
お店情報: https://ooicho.com/
これまで2店舗のデザイン設計をさせていただいていた、施主I氏のご依頼でした。3店舗目出店の物件探しから協力をさせていただいていたなか、I氏から物件内覧同行依頼のご連絡をいただきました。
2F建ての2Fテナントの出店。最初同行させていたいたとき、「このビルのなぜこの場所なんだろう」 「やめたほうがいいのではないか」 というのが、私の正直な感想でした。このテナントビルは、入れ替わりが激しく、隣接する業態もなかなか清潔感がない業態ばかりでした。
そんな中施主のI氏は、「2店舗目の出店で本当に苦労したんですよね。歩いている人が少ないことに」 と。そして 「ここ見てくださいよ!こんなに人歩いているんですよ!ここならやれるとおもうんですよね」 と言われました。
これを聞いたとき、私はI氏がこの場所で初出店であれば確実に止めていました。しかし、1店舗目で成功し、2店舗目で苦戦した末、そこを持ち直させ、その次の3店舗目の出店でしたので「であればやりましょう」と答えさせていただきました。
ただ、「周りの店舗見てください。ここに埋もれさせてはいけないから、工夫が必要です」と助言させていただきました。そしてこのプロジェクトが始まりました。
施主I氏からの要望は、
・居抜き物件なので、使用できそうなものは再利用してほしい。
・天井高が低いので、何とか高く見えるように工夫してほしい。
・近隣店舗に埋もれさせず、めだたせてほしい。
・排気フードのサイズを前回より大きくしたい。
等がありました。
居抜き物件というのも善し悪しです。きれいに使われているお店の居抜きを引き継ぐなら全く問題ないのですが、たいてい居抜き物件というのは、汚いんです…汚いから潰れるんです。
ここの物件も店内の家具はベタベタ。厨房内もベタベタ。異臭がするほど汚かったです。厨房区画、客席間仕切り壁、天井、すべて手を入れなければならない状態でした。
そんな中、店内椅子の再利用、テーブル天板の再利用、ベンチシートの再利用など様々なものを再利用しました。ただ、店舗の雰囲気に合うようにかつ清潔感が出るように部分的に加工をする工夫を凝らしました。
また、当初は天井を残して再利用する予定でしたが、天井高を確保するためと全テナントのイメージを取り払うため、天井は解体し、わざと躯体表しのスケルトン状態のデザインとしました。
1Fの店舗、近隣店舗の雰囲気と差別化する必要がありました。そのために「大銀杏」のアイコンを作成し、そのアイコンが店舗の場所を示しかつ大銀杏のシンボルとなるよう設けました。
他の店舗は直接的なスポットライトで外観を当てているのに対し、大銀杏は、間接照明を設け、それによってアイコンを浮かび上がらせ店舗の存在感を雰囲気良く作り上げました。
廻りの店舗がただ明るく目立たせていたため、この店舗の雰囲気は、いつもの大銀杏さんのこだわり焼き鳥を落ち着いた空間で食べていただき、その雰囲気が外から見たときあそこの店は何の店だろう。と興味を引くトーン設定としています。
1店舗目、2店舗目と明るい店内の雰囲気づくりをしてきたが、今回の店舗のような落ち着いた雰囲気も良い!おかげさまで、路上からこの店舗を見たときに興味をもたれたお客様が、2F店舗にもかかわらず入ってきてくれるという現象にびっくりしています。「おいしいまた来るね」と言ってもらえることがうれしいですね。
店舗デザイン、開業に関するご相談は、お問い合わせフォームまたは、お電話(052-414-4224)にて、お気軽にご連絡ください。私たちは、施主様の想いを汲み取るために「施主様から直接お話を聞く」というフェーズを大切にしております。まずは、施主様の想いを、ありのままにお話頂けますと幸いです。持続可能な店舗を一緒にデザインしていきましょう。