店舗デザイン・設計費用の料金相場の決め方|計算方法と相場感をわかりやすく解説します

デザイン設計費用の計算方法
デザイン設計費用の計算方法

店舗を新しく開業したり改装する際、工事を行う前に店舗のデザイン・設計を考えなければいけません。開業前の資金はできるだけ安く抑えたいのではないでしょうか。今回は、ややこしい店舗デザイン・設計の料金相場の決め方をシンプルにわかりやすく解説してみます。

当記事で紹介している相場観はあくまでも大まかな目安となります。店舗デザイン費用は、業種、業態、物件の状態によって大きく変動いたします。詳しい相場観は、早い段階でデザイナーや施工会社へ確認されることをおすすめします。もちろん、私たちにもお気軽にご相談ください。

店舗デザインとは

店舗デザインとは

そもそも「店舗デザイン」とは、店舗の新築やリニューアルを行う際に、店舗の内装や外装、設備の配置等をデザインし、CGイメージ図や設計図面を作っていく作業を指します。

建築設計事務所が店舗を作る際は「デザイン設計」と「プロジェクト管理」までを自社で対応し、「施工」は施工業者(工務店や大工)に委託する形がほとんどです。

この分業した状態の前者の部分を「店舗デザイン」と呼ぶことが多いです。今回は、「店舗デザイン=設計図面を作成しプロジェクトを管理すること」として、説明させていただきます。

ただし、建築設計事務所の中には、設計と施工までを一括して請け負う事務所もあります。こういった事務所では、「店舗デザイン=設計と施工の両方を含む」と認識している場合もあるため、ややこしくなっています。

簡単にまとめると、店舗デザインとは、狭義では「店舗の設計図面を作成しプロジェクトを管理すること」、広義では「店舗を建てる(施工を含む)こと」と理解しておきましょう。

建築設計事務所と建築デザイナー、施工業者の違いなど、店舗建築に携わる組織体制は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらの記事も合わせてご参照ください。

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店舗を作るときの費用の内訳

店舗デザイン費用の内訳とは

先述の通り、一般的な建築設計事務所で店舗を作る場合は、設計と施工を別々の業者に依頼する形になるので、設計費用と施工費用を分けて計算(見積書を別々で作成)します。

ただし、一部の業者(設計部門がある工務店やハウスメーカー等)では、見積書の中に、「設計デザイン費用」が記載されていないことがあります。これは、デザイン設計費用が発生していないのではなく、施工費用の中にまとめて計上されています。

このような見積もりの場合、設計と施工費用の内訳を提示してもらうことをおすすめします。デザイン費用が相場内の適正価格か、施工費用が極端に安くなっていないか、など、内訳を確認してチェックすることをおすすめします。

店舗デザイン設計費用の料金設定

店舗デザインの料金設定

店舗デザイン設計費用の料金設定は、主に総工費から計算する方法、坪単価で計算する方法の2種類の方法があります。

また、ほとんどの建築設計事務所は、小規模案件に対して、設計事務所は、物件規模にかかわらず最小設計料を決めているところが多いです。最小費用は概ね数十万(30万円〜50万円程度)程度になります。

総施工費から設計デザイン料を計算する場合

多くの建築設計事務所では、総施工費からデザイン料を算出する方式を取っています。この場合、総施工費の10〜15%程度が設計デザイン費用として計算されます。

また、設計と施工を一括で対応している業者では、設計デザイン費の割合が総施工費の5%程度と、低くなることが多いです。

実際の工事にかかる全額の費用を算出してから、デザイン費用を決める形になるため、費用の決定まで時間がかかります。ただし、これはメリットでもあり、建築設計事務所と入念に相談しながら費用を決める形になるため、デザイン料と施工費用のバランスを取ることができます。

坪単価から設計デザイン料を計算する場合

坪単価×総面積で費用を計算する方法です。店舗の業態によって相場が異なるため、非常に大まかな目安となりますが、1坪あたり3万円~10万円程度が相場です。変動が大きすぎるため相場として説明することが難しいですね。

主に設計デザインのみを請け負っている専門業者に多い計算方法です。物件の広さで価格が大きく変動しますが、あらかじめ面積が分かっていればおおよその費用を計算することが出来ます。

坪単価とは?

坪(つぼ)は日本古来の面積を表す単位です。坪単価は一坪あたりの工事にかかる料金を示す言葉で、メートルで表すと約3.3㎡、おおよそ2畳分の大きさを示します。

店舗設計の相場感(居抜きorスケルトン)

店舗の設計費用は、入居するテナントの状態によって大きく変動します。テナントの状態は、大きく分けて「居抜き」と「スケルトン」に分けられます。それぞれの特徴と設計の費用感を解説します。

居抜き物件

居抜き物件

居抜き物件とは前の事業者の厨房やカウンターなどの設備に加え、テーブルやイス、壁紙などの内装がそのまま残っている状態になります。

居抜き物件は設備が最初から整っています。必要なものを付け加えるか、または不要なものを取り除くかという簡単な工事で済ませることが出来るため、工事全体の料金が安くなる傾向にあります。

そのため、総施工費からの割合で設定したほうが安くなりますが、逆に10坪よりも狭い物件になると坪単価で料金設定するほうが安くなります。

小規模案件に対して、各設計事務所は物件規模にかかわらず最小設計料を決めているところが多いので事前にその確認を取ることをお勧めします。

スケルトン物件の場合

スケルトン物件の場合

スケルトン物件とは居抜き物件とは反対に内装も設備もすべて取り払った状態の物件です。スケルトン物件であれば1から自分の思い通りに作りあげることができます。

ただし、当然ながら居抜き物件に比べて工事費用は高くなります。スケルトン物件の1坪あたりの工事費用は、40万円〜80万円が平均的な相場になります。店舗の雰囲気や内装にこだわりがある人はさらに工事費用は高くなるため、設計デザイン料の値段もそれに伴って高くなります。

まとめ

店舗デザイン・設計の料金相場

店舗デザイン設計費用の計算方法と一般的な相場感についてご紹介しました。業者を選びの参考になれば幸いです。

まとめると、店舗を建てる時にかかる設計費用や施工費用の相場感は、そのお店毎に大きく変動しますので、構想を始めた初期段階から複数の業者に相談するなどして、相場感を見極めていくことをおすすめします。もちろん、私たちTOにもお気軽にご相談ください。日本全国、世界中の案件に対応しております。

株式会社TO(ティーオー)は、店舗デザインを得意とするデザイン事務所です。お客様にとって「心地よい空間とはなにか」という問いに対して真摯に向き合い、お客様に最適なプランニングをしております。私たちのデザインの流れについてはこちらのページをご参照ください。