動かせない耐力壁や柱をデザインとして利用するアイデアについてご紹介いたします。

木造の梁 店舗デザインのポイント
店舗デザインのポイント

店舗をデザインする際に空間を広く見せたい、見晴らしを良くしたいなどとお考えの方も多いのではないでしょうか?しかし建物の状態によってはどうしても位置をずらせない柱や壁が存在する場合があります。この際に柱や壁を活かしつつも開放感がある空間をつくるポイントについてご紹介いたします。

「開放感溢れるお店作りをしたい」
「柱の位置を変えずに開放感のあるお店を作りたい」
「耐力壁は残して店舗改装を行いたい」

などとお考えの方は是非参考にしてみて下さい。

柱とは

柱とは

柱とは垂直に立てて、建築物を支える部材のことを意味します。皆さんもご家庭やお店など様々な場面で見ることがあると思いますが、木造の軸組み工法においては構造上、欠かせない重要な要素になります。

耐力壁とは

耐力壁とは

建物の重さがかかる垂直方向、風や地震などの力が加わる水平方向のどちらにも耐えうるように、建物を支える壁のことを言います。耐力壁は木造の場合、軸組工法による筋交いを用いた耐力壁2×4工法による面材の耐力壁鉄筋コンクリート造の耐力壁などに分けられます。

耐力壁や柱の移動

耐力壁や柱の移動

耐力壁や、柱は建物の構造を支える大切な要素の一つです。しかしこれらの存在により、レイアウトが左右されてしまうという一面もあります。

木造建築の場合は構造を考えた上で、耐力壁や柱などを移設したり、もしくは新しい柱を設けた上で、元々存在する柱を撤去することなどが可能ですが、状況によっては基礎工事が必要など新たなコストがかかってしまう場合もあります。

また借りている物件だと、そもそも躯体や建物自体は触らずに改装を行いたいというケースもあります。そのため今回は耐力壁や柱など動かすことが難しい要素をデザインとして取り入れる方法についてご紹介いたします。

耐力壁や柱などを活かす例

①柱に意匠を施してデザインとして魅せる

耐力壁や柱などを活かす例①柱に意匠を施してデザインとして魅せる

客席隣に出てくる躯体柱に、曲線の壁を設けたデザインにしています。一般的には躯体柱を仕上げる際は四方を囲むかたちで壁を設けることが多いですが、広くない空間だと圧迫感が出てしまうため、あえて曲線の壁を用いています。

曲線的なカウンター、楕円形のフードと、全体的に曲線的で柔らかい線でデザインされた空間にマッチした曲線の柱に天井のチューブライトが巻きつくようなデザインになっており躯体の柱を活かして個性的な空間に仕上がっています。

②耐力壁の筋交を棚兼パーテーションとする

あえて筋交いを見せるかたちにすることで、緩やかに空間を仕切るパーテーションのように使用が可能です。また筋交いに棚板を設置して小物を置くスペースとして利用することも可能です。壁そのままだと圧迫感があり空間が狭く見えてしまいますが、筋交いを見せることで見晴らしが良くなり開放的な空間になります。

③柱を巻き込んでディスプレイを設ける

③柱を巻き込んでディスプレイを設ける

動かせない柱を覆い隠してディスプレイにしてしまうのも方法の一つです。柱の周りに下地を組んで、それを特殊左官で加工をして床から天井まで伸びる岩のように演出することが可能です。動かせない柱を反対に空間のアクセントとして用いることが出来ます。

まとめ

今回は躯体柱や耐力壁を動かさずにデザインする方法についてご紹介いたしました。今回は何例かご紹介いたしましたが、物件により内容はそれぞれなので何かお困りの際は是非ご気軽にご相談ください。

株式会社TOは店舗やオフィスなどの商業施設のデザインを多く取り扱っています。「お客様が望まれていること」さらに「お客様のお客様が望まれていること」を実現できるように誠心誠意取り組んで参ります。

店舗改装や、新規出店、それ以外のことでも何かお困りのことございましたらご気軽にご相談下さい。皆様の理想を叶えるために尽力させて頂きます。