洋風な店舗デザインのポイントとは?これまで手掛けてきた実例をもとに、上品な空間デザインのコツを解説します

店舗デザインのポイント
店舗デザインのポイント

今回は、店舗デザインとして洋風なスタイルを採用するときのポイントを説明していきます。店舗デザインは店の開業後に集客できるかどうかを決める大事な要因の一つになります。

飲食店の場合には料理の味、小売店の場合には取り扱っている商品など他の要因も考えることができますが、共通して大事になるのが店舗の内装です。

洋風なデザインは、「欧米調なデザイン」「西洋風なデザイン」などと呼ばれることもあります。それぞれのデザインの特徴について紹介していきます。

洋風な店舗デザインの定義

洋風なデザインとは、「欧米風」「西洋風」「アメリカンスタイル」「ヨーロピアンスタイル」などと呼ばれることもあります。これらの呼び名からわかるように、洋風なデザインは、欧米諸国の建築様式やデザイン感覚をコンセプトにした店舗デザインになります。これらのデザインの中でも、代表的な6つのデザインの系統をご紹介します。

ただし、これらの系統はあくまでも「系統」でしかありません。実際にデザインを決める際には、施主の想いを盛り込んだ独自のコンセプト設定が重要です。これからご紹介するデザインコンセプトをもとに、ご自身のデザインを作り上げてみてください。

デザインの作り方は、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

これで伝わる!店舗デザインイメージの伝え方とコツ|コンセプトを明確にデザイナーにつたえましょう!
店舗をオープンするときに、慎重に決めないといけないのが店舗デザインですよね。「店舗デザインのイメージはできているけど、どのようにしたらデザイナーさんにわかりやすく伝えることができるかな」と悩んでしまうオーナーさんは多いのではないでしょうか。店舗デザインのイメージをデザイナーさんと共有できていないと、思い描いていた店舗デザインと違った店舗の内装になってしまう可能性があります。店舗デザインのイメージ共有で失敗しないためにも、理想の店舗デザインをデザイナーと一緒に作りましょう。

アメリカンスタイル

アメリカンスタイルとは、「アメリカにいるような雰囲気」を味わうことができる内装デザインの総称です。アメリカでよく食べられる、ハンバーガーやステーキハウス、ピザ、カフェなどで用いられます。しかし、一言で「アメリカン」といってもその種類は、時代や場所で様々です。アメリカンスタイルの中から代表的な種類をさらに掘り上げて説明いたします。

ダイナースタイル

アメリカ風のレストランとして真っ先に思い浮かぶのが、この「ダイナー」をイメージされた方も多いと思います。アイコニックなデザインとして「ROUTE66」の看板をよく用います。50年〜70年代のアメリカのロードサイドのレストランをイメージしたデザインで、壁にはポスターやナンバープレートが埋め尽くされ、レトロな赤い革張りのソファなどが用いられます。

アメリカビンテージスタイル

アメリカビンテージスタイルは、古い木材や照明器具、黒いレザー製品などをインテリアに取り入れたスタイルです。19世紀の開拓自体をイメージさせるような「男らしさ」を感じるデザインとなっています。壁や床剤はレンガやウォールナットなど暗めの色が用いられます。近年では、男性向けの理髪店などでよく用いられます。

カントリースタイル

カントリースタイルは、「アメリカの田舎」をイメージして作られた内装デザインのことを指します。先程のビンテージスタイルとは真逆で、白やアイボリーの壁材にパイン材やオーク材など明るい色の木材インテリアがよく用いられます。女性をメインターゲットにしたカフェやハンドメイド系の雑貨屋、パン屋さんなどで用いられます。

インダストリアルスタイル

インダストリアルスタイルとは、1920年代アメリカの工場などの雰囲気を取り入れたデザインです。コンクリート打ちっぱなしや骨組みであるスチールがむき出しになっていたり、無機質さを出しているのが特徴です。店舗デザインで採用する場合、コンクリートとスチール(アイアン)と木材を組み合わせた家具を取り入れ、照明は寒色系のものを用いることが多いです。

ブルックリンスタイル

ブルックリンスタイルとは、ニューヨークのブルックリンという地区をイメージして作られた内装デザインのことを指します。このエリアは1990年代から工業が発達し、所得が低い工場労働者が集まるエリアでした。そのため、むき出しのレンガなどの簡素なデザインが発達しました。インダストリアルスタイルと似ていますが、こちらは赤色系の時代を感じさせるレンガやアンティークな雰囲気の家具を用います。

ヨーロピアンスタイル

ヨーロピアンスタイルとは、「ヨーロッパにいるような雰囲気」を味わうことができる内装デザインのことです。ヨーロピアンスタイルは、それぞれの地域ごとに、さらに北欧スタイル、南欧スタイル、地中海スタイルの3つのスタイルに分かれます。

北欧スタイル

北欧スタイルは、その名の通り北欧(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)で多く見られるデザインです。冬至前後に極夜(日中も太陽が昇らない日)が起こる北欧では、少しでも室内を明るくするために、白をベースとしたデザインを採用することが多くなっています。ベースカラーは白で、自然界にある部材を多く用いることが特徴です。観葉植物や木製の家具を使用します。

南欧スタイル(プロヴァンス風)

南欧スタイルはプロヴァンス風とも呼ばれ、南欧(フランス、ポルトガル、イタリアなど)で多く見られる内装デザインのことを指します。赤茶色のテラコッタタイルに、ベージュやオレンジ系の色の塗り壁、暖色系カラーを使用していることが特徴です。店舗デザインとして採用する場合には、テラコッタタイルは吸水性が高く、落ちにくいため、出入り口など床の一部にアクセントとして使用するのがおすすめです。

地中海スタイル

地中海スタイルとは、地中海近辺(ギリシャやシチリア)で多くみられる内装デザインのことを指します。白をベースとし、漆喰の塗り壁や青のタイル柄を使用するなど青色をアクセントとして選ぶことが多いのが特徴です。「白い砂浜と青い海」のイメージがわかりやすいかもしれません。円柱やアーチなどRをよく用います。

洋風な店舗デザイン事例

私達TOがデザインした洋風をコンセプトの一部に盛り込んだデザイン事例をご紹介いたします。私達TOは店舗やオフィスなどの商空間のデザインを得意とするデザイン設計事務所です。気になる事例がございましたらぜひお気軽にお問い合わせください。

イタリアンレストランの店舗デザイン

ヨーロッパに行くと、路地裏で地元の人で賑わう活気があるお店によく遭遇します。このお店は、そんな地元の人たちから愛されているお店をコンセプトにデザインしました。暖色系の部材や照明の温かみが店の外にも伝わってくるような店づくりをコンセプトとしたお店です。

アクセントとして、壁面や天井の照明の周りにコルクを敷き詰めたデザインを取り入れています。また、シェフの顔が見えるカウンター付近にカラフルなタイルを用いて、働く人の暖かさや親しみやすさを演出しています。

スペイン料理店の店舗デザイン

通常、温かみがコンセプトに用いられやすいスペイン料理店ですが、このお店ではあえて無機質へチャレンジしました。床、壁、カウンター天板、天井、棚全て自然素材は採用していません。防水ペイント、ステンレス、不燃発泡造形でシェフのステージができあがりました。

設計のポイントとして天井にマドリッドの街並を抽象的にデザインし、天井のデザインとしています。この天井は、シェフのお客様との関わりのきっかけになるネタの一つになります。

オーダスーツ専門店の店舗デザイン

顧客がテーラーと話しながら服を仕立てていく「べスポーク」をイメージしながら、インダストリアルでシンプルなデザインをコンセプトに盛り込みました。無機質なコンクリート壁だからこそ、スーツ生地の色がよく映えます。

もともとのテナントが良い状態だったため、部材を再利用することで予算を抑えつつ、施主と何度も相談してイメージ通りの空間設計に近づけていきました。

洋風な店舗デザインは私たちにTOにおまかせください

今回は、洋風な店舗デザインについて紹介してきました。洋風なデザインといっても、いくつかの種類があり、どのスタイルを基調とするのか、どのようなアレンジをしていくのかで、作り上げていく空間が大きく変わってきます。デザイナーと相談しながらどのような雰囲気の空間を作り出していくのかを決めていきましょう。

洋風な店舗デザインは私たちにTOにご相談ください。経験豊富なデザイナーがデザインから開業のご相談まで一貫してサポートいたしますので、安心してお任せください。皆様からのご連絡をお待ちしております。